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    32honeymoon

    @32honeymoongwt

    ◇gw:t KK✕暁人至上主義者
    ◆書くものは癖が強めなものが多いので要注意。
    ◇中の人は30over↑
    ◆主に夜中に書いてあげるスタイル
    ◇リクエストとか感想とかめちゃくちゃ喜びます。もちろん読んでくださるだけでも感謝🙏
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    32honeymoon

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    1日1K暁妄想
    昨日ふせったーであげた切なK暁の続きのようなもの。
    相変わらずニ心同体軸/ED後世界
    K暁がお互いを愛しすぎているのであまあま苦手な方はばっくおーらい

    #K暁

    名前を呼ぶー愛情とは、物質に向けるモノでは無い。あの日、あの男が言い残した言葉。
    それを否定するつもりはない。

    でも、僕はやっぱり。
    触れられたいし、触れていたい。
    身体が無い恋人に触れることが出来ないのは、とてもつらい。言っても仕方の無いことだと分かっていても。

    我儘な僕はいつだってこんなふうに彼を困らせてしまうけれど、それでも僕らは存外、上手く愛し合えている、と、思っている。
    ー彼がどう思っているかは…聞いてないけど、きっと、たぶん、同じように感じてくれているから、僕たちはこうして今日もふたりで、いきている。

    ーーー

    「伊月、今日飲みいかねーか?」
    その日最後の講義が終わって一息ついた途端、隣に座る男に唐突にそう声をかけられて、暁人はうーん、と首を傾げた。確か、冷蔵庫に使いかけの鶏肉があったことを思い出す。

    「ごめん、今日はやめとくよ。賞味期限切れそうな食材があるから、使っちゃいたくて」

    「マジで?はー、お前ほんっとマメだよなー。まあいいや、また誘うわ。じゃーな!」
    「はは、うん。また宜しく。」

    そんな軽いやり取りのあと、参考書を纏めて鞄に仕舞う。
    誰もいなくなった、がらんとした教室。先程までの喧騒が少しだけ恋しくなって、思わずふう、と溜め息が漏れた。

    『…騒がしいのも、人の生きてる証、ってな。まだ少し不安になってんだろ…暁人、大丈夫か?』

    耳にイヤホンを装着してから、そうだね、と暁人が答える。

    「何か、不思議な感じ。こっちの方が現実の筈なのに、あの日の事が濃厚過ぎて、さ。…大丈夫だよ、KK」

    ー外での会話は、電話で話している振りをしよう。はじめにそんな取り決めをして、KKと暁人のニ心同体での共同生活は始まった。
    【あの日】と違って、今は周りに人が溢れかえっている。今までと同じように、簡単に手のひらに話しかけることはさすがに出来ないから、とふたりで考えたこと。

    まるでちいさな秘密をふたりで共有しているような、幼い子どもの悪戯のような。そんな何気ないことが、暁人には穏やかで嬉しくて、たまらなく、愛しかった。
    あの日突然出逢って、得体の知れぬ怪異と戦って、何とかこの世界を、人々を救って。そして一度は、離れ離れになって。けれどまた、こうして毎日を過ごせるようになって、わかったことがある。

    目まぐるしくかわるこの世界のなかで、
    暁人は、この身体を持たぬ男を、口が悪くて時々意地悪なこの恋人を、誰よりも、愛している。


    「ね、KK。今日の晩ごはん、何にしよう?」

    霊体である彼はものを食べることは叶わないし、味わうこともできない。それがわかっていても、暁人はいつもそんな戯言をつい口にしてしまう。
    KKも、暁人が欲しいものをちゃんとわかっていて、そしてもちろんそれを咎めたりはしない。
    だからちゃんと答えてやる。暁人の欲しい言葉を。

    一番欲しいものは、あげられないから。だからせめて。叶えてやりたい。あまやかな言葉遊びも、そのうちのひとつ。

    『鶏肉あるんだろ?親子丼とかどうだ?』
    「あ、いいね。じゃあ三つ葉と…」
    『あと七味!買い忘れんなよ』
    「…KKってば、前買い忘れたの根に持ってるでしょ。食べるの僕なのに…」
    『んなこたねぇよ。ただ、毎日お疲れの暁人クンには美味いモン食って貰わなきゃだからな』
    「なにそれ。七味無くても美味しいだろ親子丼」
    へんなの、と笑うその笑顔が、何よりも愛しいのに。キスすることも、抱き寄せることも出来ないから、KKはせめてもの償いのように、いつもこうして、出来るだけたくさん、名前を呼ぶことにしている。
    『…暁人』
    「ん?なぁにKKー」

    その先は、誰にも聞かせないように。そっとその右手を操って、耳にかかる髪を掻き上げてやるその仕草の合間に、そっと、耳元で。

    『暁人、愛してるぜ?』
    「…なにもう、いきなり。まだ外なんだけど?」
    嬉しそうにはにかみながら、それでも同じように、そっと。右のてのひらに、優しくくちびるを落とすだけのキスをして、暁人も彼の名前を、呼ぶ。

    「…僕も、愛してる。KK」
    「おう」

    ああ、抱き締めるための腕はひとつしかなくても。
    抱きしめられるたましいは、ひとつではない。
    こころを預け合うように、慈しむように。
    ふたりがひとつで在ることを、確かめるように、互いの名前を呼ぶ。


    『な、帰ったら…いいだろ?』
    「残念でした、今日バイトなの知ってるだろ?日付が変わるまでは、お預けだからね」
    『…チッ、仕方ねえな…早く上がれよ』
    「はいはい。僕も我慢してるんだから、KKも我慢してよね」

    KKと出会ってから、暁人は欲しがりになった。甘えるのも、上手になった。KKには、それが何よりも嬉しい事だった。
    最初は恥ずかしがっていた自慰行為が、【ふたりで】するととても気持ちいいことを知ってからは、甘い声で強請る事も、覚えた。これも、とても嬉しい事だ。

    ひくひくと先走りをこぼす陰茎を、主導権を握った右手で優しく激しく扱いてやると、蕩けるような甘い声で、けぇけぇ、気持ちイイ。もっといっぱい、して…?といやらしく乱れてくれる。自分を求めてくれる。腰を揺らし、うわごとのように、けーけー、と、自分の名前を、呼ぶ。それが最高に、KKを興奮させる。

    ああ、コイツの中を思う存分味わい尽くせたら、どんなに幸せだろう。自分を求めて疼く身体をめちゃくちゃに抱き潰せたなら、濡れたひくつく穴に自分の剛直を突き立てて、胎の中に子種をぶちまけられたなら、どんなに。

    「…ねえちょっとKK、えっちなこと考えるの、やめてくれる?」
    『あ?何でわかんだよ、オマエこそエロい事思い出しちまったんじゃねえのか?』
    「KKの思考のせいで僕まで腰の奥うずうずしちゃうんだってば!もう、バカ…知ってるくせに…」
    顔を赤らめて頬を膨らませる。
    おい、そんな顔オレ以外の誰にも見せるんじゃねえぞ。
    年の離れたこのかわいい恋人を誰にも取られたくなくて、みっともなく嫉妬してしまう程に、KKは暁人を、愛している。


    ー例え直に触れられなくとも、心だけは寄り添っていたい。
    我儘なんて、幾らでも言えば良い。
    オレたちがこうして上手くやれているのは、オマエがオレの名前をほんとうに、本当に嬉しそうに呼ぶからだってことに、オマエはいつ気づくんだろうな。


    あの日失ったたくさんのものを拾い集める為に、昼の街を、闇の中を、駆け抜ける。
    そして、2人だけの夜は、まだまだこれからだ。
    そうしてオレたちは、明日も、2人で生きていく。これからもずっと、ふたりで。
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    okusaredango

    MEMOフォロワーの雨映さんとお話してて話題にあがったK暁の猫パロのネタが湧いてきたのでとりあえずざっくりメモ。
    なんか、こんな感じの絵描きたい......
    本編後全員生存エンドで紆余曲折あってお付き合い後同棲を始めたK暁の世界線。K暁と猫2匹のほのぼの平和物語。
    以下思いついた設定↓

    KK→仕事(怪異退治)の帰りに怪我をした猫を発見。何となく既視感を覚えてお持ち帰り。そのまま飼うことに。我が子のように可愛がる。デレデレ。最近何処の馬の骨か分からない男(猫)連れてきてうちの娘(オス)はやりません状態。

    暁人君→同棲人がどこからか拾ってきた猫に戸惑いながらも懸命に看病するうちに愛着が湧いてそのまま飼うことに。デレデレ。自分と同じ名前なのでたまに自分が呼ばれたのかと思って反応してしまうのがちょっと恥ずかしい。

    猫1(あきと)→元野良猫。車と事故にあって右側(特に顔と腕)を負傷。倒れてるところをKKに保護されてそのまま飼われることに。怪我は治っているが後遺症で右目が少し見えずらくなっている。名前は模様が何となく嘗ての暁人君に似ているということでKKが勝手に暁人と読んでたら定着してしまった。通称あき君。飼い主大好き。最近野良猫と仲良くなって家に連れてきた。
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    32honeymoon

    DONE◇#毎月25日はK暁デー ◇お題:匂い
    ・久しぶりのあまいちゃ糖度120ぱーせんとなので苦手な方は要注意!
    ・KKと暁人くんが同棲してる世界のおはなし
    ・相変わらずKKが暁人くん大好きマン

    長編をあげた後だったので、今回は短くさらっと。
    豪雨つづくここ最近、太陽が恋しくなって書いた作品です。
    台風の余波で大変な思いをしている皆さまの地域に、
    はやく気持ちいい秋晴れが届きますように。
    おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。


    「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
    「お?ああ、分かった」

    ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。

    「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
    「そうだよ。気づかなかった?」
    「・・・気づかなかった」

    少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
    「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。

    「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
    オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
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