輝く星によせて「世界のステージで、スターとして輝くためにも」
「——これからもよろしく頼むぞ、類!」
そう言って手を伸ばしてくれた司が、まぶしい、と思った。
***
「そこで、講師役の演出家の方が――」
昼休み、屋上に続く階段で、類と司はいつものようにふたり並んで昼食をとったあと、思い思いに過ごしていた。
よほどワークショップでの経験が刺激になっているのだろう。ワークショップが始まってからというもの、司はよく類にそこであったことを聞かせてくれていた。
目に見えて成長している、と思う。それに、最近の司はとても生き生きしていて。そうやって夢への階段を着実に上っている司を喜ばしいと思う。
(そう思ってるはずなのにな……)
ふいに、いつかの帰り道に寧々とした会話を思い出す。
1588