呪いを解きましょう 大学の講義が終わるや否や、凛子から「至急」とメッセージを受け取った暁人は、急いでアジトへ出向いた。不安で呼吸が早くなるのを感じながら、ドアを開け、中へ入いると、思っていた雰囲気でないことに頭上に?マークが浮かんでしまった。椅子に座ったKKを囲むようにエドとディル、凛子が何とも言えない呆れた表情で立っている。
「あ、あのー?」
「ごめんなさい、急に呼び出して、KKがね、へましたのよ」
リビングの入り口で困惑している暁人に気づいた凛子が、事の経緯を簡単に説明し出す。昨夜、依頼で呪いを祓いに行って、呪われて帰ってきた。以上。
「ミイラ取りがミイラになって帰ってきたのよ」
「な、なるほど…」
凄く雑な気がする。
「で、どんな呪いなんですか?」
「キスしないと死ぬ呪いよ‼」
「え?」
「マウス トゥ マウスじゃなきゃ不可」
「え?」
「て、事だから、後は宜しくね」
「え?」
唖然とする暁人の背をポンと叩きながら、皆が出ていく。バタンというドアが閉まる音を背に、不機嫌そうに座るKKへと視線を向けた。
「キスをすると解ける呪いって、眠れる森の美女じゃないんだからさ」
『うるせーな、仕方ねーだろう』
徐にテーブルの上に放り出されていたノートを手に取り、ペンを走らせる。普段見れないKKの旋毛に弄りたい衝動を抑えながら、上から覗くと、KKらしい殴り書きが見えた。
「喋れないの?」
コクン、少し不貞腐れた表情で小さく頷くKKが、怒られた小さい子供みたいに見えて、不覚にもきゅんとしてしまう。
「昨夜ってことは、今日の朝にはわかってたんでしょ?何で、言わなかったの?」
「……」
「KK?」
黙ってしまったKKに首を傾げる。正面に移動しようと、身体を傾けた瞬間、シャツを引っ張られる。
「んっ!」
KKのかさついた唇が暁人の唇に触れる。
「…ふっ、ぁあ、ぅん…んぅ…」
触れるだけのキスから、上唇を舐められ、くすぐったさに口を開ける。KKの長い舌が口内を荒らしていく。優しい口づけから、激しくなっていく。
「んぁ、んっ、k、K…」
「ふっ、ぁ…」
お互いに大きく口を開け、角度を変え、舌を絡める。吸い付くように舌を吸われ、気持ちよさに頭がしびれていく。唾液が呑み込めず、KKの口元を汚していく。
「…はっ、一回で我慢できるわけないだろ」
「…な、るほどね」
息も絶え絶えになりながら、KKの膝の上に座ると、更に深く口づけた。