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    @7_kankankan_100

    気の赴くままに書き物。今はエク霊、芹霊。(以前の分はヒプマイどひふです)
    正しい書き方はよく分かっていません。パッションだけです。
    食いしん坊なので、ぜひ応援絵文字で餌付けしてやってくださいw

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    @7_kankankan_100

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    Ω超愛されオメガバどひふの続き。
    なかなか進まない

    自然界においては外敵に襲われない強固で安全な巣を作る事ができる雄は雌から選ばれやすい。人間界でもそれは同じだった。そして、番になったΩの特徴として、ヒート時はαが側にいないと不安になってしまい、それがストレスとなって受精しにくい場合もある。最低でも二日は部屋から出ないでヒートを過ごすのだ。そういった部屋に籠るといった点でも準備は重要だった。
    独歩と一二三はまだ子をもうける予定はないが、それでも不安にさせたくない。独歩は過去に一度だけ、避妊具が足らなくなって一二三が眠っている間に買い物に出てしまった事があるのだが、帰ってきたら一二三が泣きじゃくっていたことがある。ヒート時は体が温かいはずなのに、血の気引いたように指先が冷たくなっていて、それ以来準備はひとつの見落としもなくするようになったのだった。

    しかし、社会人になってあまりに慌ただしい日々が続いて、何度か準備を一二三にさせてしまう事があった。せめてもの償いに次のヒートの時には二日と言わず、三日部屋から出さないで睦みあった。
    そもそも優勢種のαが社会に揉まれて働くはずなどない。独歩だって公表していればバース加算されて上役に着くのも数年かからずにできるはずだった。しかし、俺は人を統べるのに向いていない、というのが口癖だった独歩は公表せずに今でも課長の下でせっせと働いている。バース性でも性格はどうにもならなかった。
    ただ、能力はあるし優しい性格から同僚たちからは随分頼りにされているようだった。
    一二三はそんな独歩が好きだった。αは優勢種のせいかどこか澄ました態度の者も多い。愛情等は全て番のΩに向けられるからだ。しかし独歩は違った。一二三と番になってからも分け隔てなく誰にでも優しい。時折、Ωへ与える愛情を他人にも分けてしまうのを申し訳なさそうに笑ったりするが、一二三はそんな事でαの、独歩の愛情が奪われただなんて思いもしない。独歩と一二三の間にはそれ以上の絆があった。

    だから一二三の方が準備をするくらいなんて事ないと言っているのに、独歩は本当に真面目だなと仕方なく思っていた。



    今月も中旬に入った頃、やはり独歩は酷く疲れていた。一二三はヒートに向けて休みの申請は済んでいる。
    帰ってくるなり玄関に倒れ込んだ独歩を上から見下ろして、今回のヒートについてどう進言するか考える。今回は見送るのは簡単だが、独歩がしたいと言っているのも蔑ろにしたくない。かと言って、頑張れと言うにはこれ以上鞭打つようで心苦しい。
    しゃがみ込んで独歩の頭をツンツン突くとピクリとも反応がなかった。これは重症かもしれない。
    一二三がそう思っていると、独歩が小刻みに震え出した。まさかの禁断症状かと一二三が息を飲むと、突然独歩が勢いよく起き上がって一二三を力いっぱい抱きしめた。勢いで一二三は尻餅をつき、バランスを崩して二人とも廊下に倒れこんでしまった。

    「ちゃんどぽー!どーしたってんだよ!なにこれ」
    「喜べ、ひふみ!」
    「へ?」
    「仮契約取ってきたぞ!」
    「マジかー⁉︎」

    独歩の一言に一二三の目の前は一気にキラキラ輝いて、独歩を引き剥がすと彼の頭をくしゃくしゃに撫で回した。あっという間に独歩の髪は鳥の巣のようになって、二人はわはは、と笑い合った。

    嬉しい、嬉しい、独歩が上手くいった!

    「やったじゃん!帰ってきてすぐにばたんキューだったから心配しちったぜ」
    「いや、上手くいったけどもうめちゃくちゃ手強くて、また十円ハゲできるかと思った」
    「あー、昔できたな」
    「お前のおかげだ。毎日弁当作ってくれたからマシな顔できたと思う」
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    @7_kankankan_100

    DONEやっていたらベッドが壊れました。というどひふ
    この程度だったら鍵にしなくてもいいなという自分の判断で鍵付きではありません。
    「んはは、合いの手みたい。んふっ……ふ、ふふ」
    一二三は独歩と熱っぽく見つめ合っていたはずだが、ふいっと逸らして笑い始めてしまった。いつもと違って声を上げるような笑いではないのは、真っ最中だったからだ。独歩との繋がりに集中している今は笑いの方にそこまで意識がいかずにささやかに笑う程度しかできなかった。
    「あ、こら、こっち向けよ」
    一二三の顔を見ながらイくのが好きな独歩は、そろそろ近付いてきた限界に備えて一二三の顔をこちらに直した。一二三はごめんねの意味を込めて独歩の首に腕を回した。これでもうどちらもよそ見できない。
    正常位。一二三が上手に足を開いてくれているので、腰を固定して動かさなくてもちょうどぴったりと出入りすることができた。そのおかげで上から覗き込むように一二三を見つめられる。
    「というか…なに、が、合いの手…なんだ」
    ギシッ、ギシッと独歩の動きに合わせてベッドが軋む音を立てる。その音は何故だか随分と大きくそれほど激しく動いているのだろうかと思えばそうでもない。
    時々独歩は性欲が溜まってたのを発散するみたいにめちゃくちゃに動く時があって、そんな時は一二三の呼吸は奪われたよう 2223

    シウト@のんびり

    MAIKING観葉植物を愛でる独歩くんとそれによりなんだかソワッとしてしまう一二三くんの話。まだ付き合ってない。唐突に思いついたネタ。文章も投稿出来るようになったと見たので上げてみます。書きかけのネタがいくつかあるのでとっとと書き上げたいです。「おまえの名前借りてもいいか」
    珍しく休日に出かけていた独歩が、左手にぶら下げたビニール袋を掲げて聞いてくる。
    一瞬何のことかわからなくて首を傾げたけど、ビニール袋に印字してあるホームセンターのロゴを見て把握した。
    「なに、また買って来たの?」
    「またって言うな、俺の数少ない趣味のひとつだぞ」
    ちょっと拗ねたように言って、ローテーブルに恭しく置かれたビニール袋から独歩が取り出した観葉植物は、黄色と緑色が混在する多肉植物だ。
    いや、これ絶対俺の髪色と似てるからって名前借りるとか言い出しただろ。
    「別にいいけどさぁ、でも今まで名前なんかつけてなかったじゃん?」
    「ん···なんかおまえの名前つけたら生命力強くなりそうだなって」
    「それは褒められてるんだよね?」
    「もちろん」
    なんだか釈然としなかったけど、その手のひらサイズの「ひふみ」を見つめる独歩の顔がいつになく輝いていたので、それ以上何かを言うのもはばかられた。
    激務が続いて心身ともに疲弊してくると、独歩はよく観葉植物たちに話しかけてるみたいだから、俺の名前がつけられたあいつにも愚痴ったりすんのかなって思うとちょっと面白くて、悪い気はしな 1514