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    kouduki_rin

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    kouduki_rin

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    主に結婚を申し込んだとくべちゃんが、いずれ来る別れを想像して悲しむ独白文です。へしさにです。改めて長谷部からのお手紙を読み返したら、なんか違うなー! 解釈違いだなー! ということに気付いたので、ここに供養します。

    別アカウントの呟きが3年ぶりに発掘されたのでここに。

    #へしさに
    onTheOtherHand
    #夢小説
    dreamNovel

    へし切長谷部より手紙が届いていますの没案 主はお考えになったことがありますか。
     俺と婚礼の儀を結び、数年、数十年後、いつか俺という存在が、貴女の中で新鮮味を失い、色褪せた存在になってしまうかもしれないことを。

     ねえ主。その時を思うと、俺はたまらないのです。胸が締め付けられて、足元から崩れ落ちるようなそんな気持ちになるのです。

     主はお優しいからきっとそんなことはないとおっしゃるでしょう。ですが俺には分かるのです。
     修行に出たことで、俺は一つ大事なことから目を逸らしていたことに、気が付いたのです。人はいずれ物に飽き、気まぐれに物を捨てるものだと。それをあの男は、信長は俺に教えてくれました。どんな名刀であっても、愛刀であっても、いえ、大事なものだからこそ手放さねばならぬ日が来る。
     今、貴女にとって俺という存在はまだ飽きが来ていないのでしょう。
     ですが、どれほど使い勝手がよく、切れ味が良い刀であっても、他の物に目移りするときがくる。
     俺と婚礼の儀を結び、数年、数十年後、いつか俺という存在が、貴女の中で新鮮味を失い、色褪せた存在になってしまうかもしれないことを。

     貴女は死んでもなお俺と一緒にいたいと言ってくださった。
     俺はそれが、とても、とてもとても嬉しかった。貴女は死後のことすら俺に任せてくださった。俺に全幅の信頼を寄せてくださること、それが俺にとって誉れ高く喜ばしいことか、貴女にはきっとわからないでしょう。ですが、それでよいのです。きっとこの感情は俺だけが持つことを許されたものです。

     ですが人とはいつか物に飽き、そして死にます。いずれ繋いだ手を離さねばならぬ日が来るのです。


     だから主、本丸に戻ったら、貴女に改めてご結婚を申し込みます。どうか俺の我儘を許してください。
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    なすびのな

    DONE歌うま男性Vsinger、音御光歌(おとお こうが)くんが、とある日の挑戦枠配信で演じてくれた執事設定が個人的にとてもよかったので書きました。
    最後の台詞はご本人が配信で言ってくれた台詞を引用させていただだきました。

    ※執事設定なのでご本人とキャラが違います。
    ※何も起こりませんが一応夢として書いています。苦手な方はご注意ください。
    「眠れない…」

     ぽつりと呟いたその声は、月明かりに照らされた部屋の隅に残る暗がりに吸い込まれていく。
     窓の外には明るく丸く、黄色い月が浮かんでいて。ふと脳裏に、月とは真逆の、太陽の光をまとったように笑う執事の姿が思い浮かんだ。
     ベッドの中から抜け出し、素足を履物に落として部屋を出る。かちり…と扉の閉まる音が広々とした廊下に響いて、少し体を縮こまらせた。

    「いかがいたしましたか?」

     ゆっくりと静かに、長い廊下の絨毯を踏みしめて進むと、その先にある扉をそっと開く。柔らかな照明の下で書類に伸ばしかけた手を止め、執務室でその日の仕事を片付けていた彼が顔を上げた。

     かすかな灯を反射してその瞳が優しく輝くさまに、もやもやと胸の奥にわだかまっていた不安がほどけていくのが分かる。
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