パラロイ ネロが爆弾処理するブラネロになる予定「ぁ…………」
気づいてしまった。悟ってしまった。
ダメだ、これは。
ネロは完璧に爆弾解除のプロセスを終えた。そのはずなのに、文字盤に表示された数字の減少は止まない。数字が減少するたびに鳴るピッ、ピッ、という音だけがメインシステム内に反響する。
「―――ブラッド、」
次の瞬間、衝撃波と轟音に全て掻き消された。
テセウスの船、という有名な哲学的問いがある。
遠い昔、人々は数々の伝説を残したとある船を後世へ末永く保存しようと考えた。
船は木製であったため、そのまま保管していれば当然風化し、朽ちていってしまう。
人々は船の保存のために、朽ちた部分の木材をその都度新しい木材に取り替えていった。
やがてその船は全ての部分が新しい木材に替えられたが、船の構造そのものは初めと同様に保たれた。
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