未定 画面越しに合う目線、どこまでも伸びる声、光を反射する瞳。
鮮烈な煌めきに胸を灼かれた。
「ヘルメス! 一緒に見よう!!」
仕事で疲れ果て、漸く帰宅をする。服を脱いでそのまま座るなりベッドに寝転びたいのをぐっと堪えて手足を洗う。すると妹のメーティオンがリモコンを片手にヘルメスの手を引き、テレビの前へと座らせた。すまない、疲れているから少し休ませてくれないかという言葉も出ないほどでソファの上で溶けるように呆然とテレビを見つめる。なにやら音楽番組だった。
「あのね、このユニットが好きなの!! 見て!!」
どうやら同じクラスで話題になっている女性二人のユニットらしい。曲がとてもよくて今度カラオケに連れて行って欲しいとせがむメーティオンに魂の抜けた顔で頷いた。一曲聞いたら退散しよう。そう思いながら画面をぼんやりと見つめていた。
その時、美しい東雲と目が合う。
『――♪―――♫―』
透き通る歌声がどこまでも伸びていく。誰かの手を取るように差し出された指先が綺麗だった。
「あのね、この人が曲を作ってるの、それで、もう一人の子が衣装をつくってる2人組!!」
隣のメーティオンがはしゃいで説明をする。思わずソファに座りなおして食い入るように画面を見つめた。
ララフェルの女の子とミコッテの女の子が二人で交互に歌い、踊る。優しくて切ない、星の唄を歌っていた。歌詞がするすると耳に入り、美しい言葉だと思った。そしてそれを作り出し、歌うその子から目が離せなかった。胸が高鳴って、顔に熱が集まる。まるで鮮烈な光を見つけたようなそんな心地で。
「この子の、名前は」
ポツリと呟くと、メーティオンが答えてくれる。
「曲をつくっているのが、ミコッテのコレー・ポラリ。服を作っているのがララフェルのエル・リリス! ヘルメス、気になる?」
興味を持ってくれたのが嬉しかったのかにこにこと笑って尋ねるメーティオンに小さく頷いて、画面の中で微笑むその人を歌が終わるまで目で追い続けた。
ちなみに作中で歌ってる曲のイメージは
スタートゥインクルプ○キュア の
Twinkle stars
という歌なのでよかったら聴いてみて下さい(ダイマ)
歌詞が暁月によく合う