「……お前がこんな変態だとは思っていなかった」
「ヴェ、心外だー! お前にだけは言われたくないよそれ」
ベッドに腰掛けて居心地悪そうに視線をうろうろさせているドイツは一見いつものいかめしいスーツ姿でしかないけど、今の俺にはそうは映らない。
「みんな一度はこういうの考えるもんじゃないの? お前の性癖に比べれば十分に一般的だって!」
なかなか目を合わせてくれないドイツの隣にぼすんと座り込んで、がっしりとした腰に腕を回す。ドイツの体がびくりと小さく反応する。
「それに、たまにはこういうことしたほうがマンネリにならないから良いってよく言うじゃん! それにお前変態っぽいの好きだろ?」
ドイツのベッドの下に隠されている大量のエロ本を思い出して、ニヤニヤしながら赤いんだか青いんだか分からない顔を覗き込む。
「キンバクとかSMとか、なんか色々すごそうなの持ってるの俺知ってんだぞー!」
「い、今それは関係ないだろう! それに、言っておくが俺は別に自分がそういう風にされたいという欲求はない!」
怒声を無視して、ジャケットの裾から腰に手を差し入れる。ズボンの上からがっしりとした腰をゆっくりと撫で回し始めると途端におとなしくなる。尾てい骨のあたりを指先でもぞもぞと弄れば大きな体が微かに震えた。
一度手を離してごそごそとドイツの硬い膝の上に乗り移る。いつも俺の目を真っ直ぐに見つめてくれる綺麗な瞳は珍しく揺れていて、どこか熱っぽい光を宿している。見つめ合ったまま真正面から吸い付くように唇を重ね合わせて、ゆっくりと後ろへ体を倒させていく。ベッドに体を預けきったドイツの体に手を這わせ、舌を絡ませながら服越しに愛撫する。分厚い筋肉の付いた太ももを持ち上げて広げさせ、その間に腰を据えた。
熱くなった硬いものをぐりぐりと秘部のあたりに押し付けると、深いキスを交わすドイツの口の端からテノールの甘い声が溢れる。それを耳にした俺は一旦満足して、ぴちゃ、と音を立てて舌を抜いた。お互いのだらしなく伸びた舌の間で透明な糸が引く。
精悍な顔はすっかり色っぽく真っ赤になって、青い目の奥でとろりとした熱が帯び始めている。はぁはぁと息を荒げながら時折体をびくびくと震わせて、声が出そうになるのを必死で堪えているという様子だ。
「そんなにキス気持ち良かった?」
じんわりと赤く染まった首筋に軽くキスを落とす。それだけでドイツはまた体を大げさに震わせる。
「それとも、こっち?」
ぱかんと開かせた太ももの間の、シワひとつない生地に不自然に出っ張った円形をなぞる。
「んっ」
トントンと指で軽く押すように叩くと、嬌声を上げて軽く背を仰け反らせる。ドイツは慌ててその口を手で覆う。すかさずぐりぐりとプラグを押し込むと、発情期の猫のような甘い声がくぐもって聞こえてきた。結局声を抑えられていないドイツがかわいくて、更に悪戯してやりたくなる。
両足を肩に乗せ、脱がせやすいように腰を軽く持ち上げる。カチャカチャとベルトを外して、ズボンをトランクスごと一気に引き下ろす。反抗される前に急いで足先から抜き取って、露出した下半身を眺める。
ぼるんと現れたそれは、もう十分なほど大きく育っていた。
「なんだぁ、全然勃ってるじゃん」
「……うるさい」
「やっぱこれ気持ちいい?」
円柱型の平たい持ち手を掴んで、ぐるぐると小さな円を描くように掻き回す。
「うぁっ、そっそれやめろ…っ!!」
体を大きく跳ねさせて腰を揺らす姿には本気でやめさせようとしているようには見えない。気持ちいいなら素直に言えばいいのに。ぐぽぐぽと回すたびにアナルの中から泡立ったローションが掻き出されるのがあまりにも扇情的で、思わず手の動きが激しくなる。
「んあ、そ、そこ擦るな……っ」
「ここ?ここきもちいの?」
ぐりぐりと押し込んで擦り上げる。プラグの先で前立腺を押し込むように手を動かすと蕩けた声が上がる。
「よ、よくな…ぃ……んぁっ」
「そんなえっちな声だと説得力ないよ、ルート」
俺がそう言うとルートはぐっと口を真一文字に閉じて、また声を我慢しようとする。固く閉ざされた口の間から漏れる声と羞恥で真っ赤に染まった必死そうな顔がかわいらしくて、さらに俺のものを硬くさせる。
ひとしきりプラグで中をかき回したり愛撫をしたりして、俺もルートも限界を迎えた頃にプラグを引き抜いた。
数十分プラグが刺さりっぱなしだったルートの直腸の壁はプラグの凹凸の形になっていた。ぽっかりと空いてしまった穴がきゅうきゅうと痙攣するように締まる。ルートは肩で荒い呼吸をしながら、濡れた目でじっと俺を見上げる。その熱のこもった視線にさらに興奮させられる。俺はルートに覆い被さって首元に吸い付きながらズボンのジッパーを開けて、解放されたそれをルートのトロトロのアナルに当てる。
「挿れるよ、ルート」
ゆっくりと亀頭を押し込み、ぐぶぐぶと根元まで入れていく。プラグで拡張されすっかり柔らかくなった穴は柔軟に俺のちんこを飲み込んだ。中は熱くて、腸壁にしっかりと絡みついた大量のローションでどろどろとしている。柔らかな肉壁にぎゅうと締め付けられて、まだあまり動いていないにも関わらずすぐに達してしまいそうだ。
「あ〜……きもちぃ……ルートの中あったかいよぉ……」
「い、いちいち言うな……もう動いていいから」
鮮やかなピンク色に染まったルートの唇を食んでいると、ルートの脚が腰に回されて、急かすように軽く叩かれる。
「じゃあ、もっかい俺のちんこの形覚え直そうね!」