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    𝓪𝓶𝓾

    @Dream1uv

    成人済++ nijiEN Noctyx🤍Luxiem🤍全員推せる 雑食腐
    ツイターで上げた小説のエチな部分だけ載せたりするかもしれません。
    何を乗せるかは考え中…😔

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    𝓪𝓶𝓾

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    突発ワンライ企画!テーマ「泣きそうな横顔」
    🐑🔮です。
    不安な🔮の感情表出どんなかなって思って書きました。

    #PsyBorg

    手をつないで:🐑🔮「ふぅふぅちゃん」
     甘えたような声で俺を呼ぶのは、教室の後ろの引き戸にもたれかかった浮奇だった。もう夏も目前で特別気温が低いわけでもないのに、ジャケットの下にパーカーを着ていた。体調でも悪いのかと心配になるが、近づいてみてもそこまで顔色は悪くなさそうだ。
    「どうした、浮奇。寒いのか?」
    「んん……、ちょっとね。今日って放課後空いてる?」
    「今日は委員会もないし、予定もないから空いてるぞ?」
    「OK、じゃあ今日は放課後デートね。じゃあ」
     用は済んだと足早にその場を離れようとする浮奇を呼び止めて、急ぎ足で自分の机まで戻り、偶然にも持ってきていたカーディガンを手に、浮奇の元へと戻る。
    「寒いなら、これも」
     差し出したカーディガンを受け取った浮奇は、両手に抱えてにっこりと笑い、
    「ありがと、ベイブ。また後で」
    そういって、自分の教室へと帰っていった。
      
    午後の眠たくて退屈な授業の後、いつも適当な担任は今日も変わらずめんどくさそうに話をさっさと切り上げて解散を告げた。さっき浮奇を見てからどうも心がざわついて落ち着かない。話しかけてくるクラスメイトの話を雑に切り上げて、教科書の詰まったカバンを持ち、二つ隣の浮奇の教室の前で待つことにした。
      
    浮奇のクラスから教師が気怠そうに出てきた後、さっきまで着ていたパーカーを俺の貸したカーディガンに着替えた浮奇が扉から顔を出した。
    「浮奇。大丈夫か?」
    「ふーふーちゃん、早かったね…どっか行く?デート…」
    「いや、今日はうちに行こう」
    「いいの?」
    「もちろん。二人でのんびり過ごそう。泊まったっていい」
     俺の言葉にふにゃりと破顔した浮奇の頭をゆっくりと撫でると、もっと、と強請る様に擦り寄ってくる。
    「ほんとに、泊まってもいい?」
    「あぁ、ヴォックスにも伝えとく」
      
      
     広いソファにぎゅうぎゅう詰めに二人で座って、今までに何度も二人で見た映画が流れるのをぼんやりと見つめている。机の上にはホットココアが二つと、なけなしのビスケットが数枚。
    ジャケットを脱いでいる浮奇が寒くないように、前から置きっぱなしにしてある浮奇のお気に入りのブランケットでくるんでやった。子猫二匹は知らないうちに浮奇の膝でくつろいでいるし、ドッゴは俺たちの足元で寝そべっていた。
    「寒くないか?」
    「大丈夫、でも、手が冷たいかも……手、つないでくれる?」
    「俺の手、冷たいと思うぞ?」
    「いいの。ふーふーちゃんに触ってたい」
    そう言われれば、断る理由なんてない。冷たいであろう俺の義手を、何度か吐く息で温めてからブランケットの中に手を差し入れて浮奇の手をゆっくりと握る。俺の義手に温感センサーが付いていないせいで温度は分からないが、細長い浮奇の指がゆっくりと絡んで、恋人繋ぎの形でぎゅ、と握られた。
      
    「ふーふーちゃん……」
     俺の名前を呼ぶ浮奇の横顔は今にも泣き出しそうで、その理由がわからない俺は繋いだ手に力を籠めることしかできない。
    「どうしたんだ、浮奇」
    「……わらわない?」
    「もちろん」
    「夢でね、ふぅふぅちゃん、が離れていく夢見ちゃって…。夢だってわかってるのに、悲しくなっちゃった」
     俯いて小さな声で話す浮奇がいつもよりも小さく見えるのは目の錯覚なんだろう。俺の眼下に見えるうなじにゆっくりと唇を落として、少しだけ浮奇の方に持たれかかった。
    「そうか、俺は浮奇がもう嫌だ~ってなるまで離れてやる気はないぞ?」
    「ならないもん」
    「はは、それに浮奇になら、いつ甘えられたっていいよ」
    「ずーっとべたべたしててもいいの?学校でも?」
    「……まぁ、もう慣れたよ。俺の負け」
    「ふふ、戦ってたの?」
    「俺だけな」
      
    くすくすと笑う声に漸く感じていた焦燥感が消えていくのを感じた。いつの間にか映画はエンドロールを流していて、白いカーテンの外は真っ暗になっている。リビングの窓を車のヘッドライトが照らしている。そう経たないうちに大荷物を抱えたヴォックスが入ってきそうだ。
      
      
    「ねぇ、明日、手をつないで登校してもいい?」
    「……まぁ、いいとしよう。慣れるまでは何をするか先に言ってくれると嬉しい」
    「OK。じゃあ、ヴォックスがリビングに入ってくる前に、キスしよ?」
    「もちろん」
      

     軽く触れた唇は、ほんのり甘くてココアの味がした。
      
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