それは夢のような時間だった。
まだ合格したことすら上手く飲み込めていないのに、気づけば同時にデビューするというメンバーとの初顔合わせの日を迎えていた。緊張と不安を抱えて通話へ参加すれば、同じく緊張の伺える声が聞こえて、ファルガーは小さく息を吐いた。
自己紹介後にマネージャーからの軽い説明を受けて、それぞれの好みについて当たり障りのない雑談を交わして、数時間の会話を終える。グループのメンバーと会話できたことで、ようやくデビューに対しての実感が湧いてきたのを感じていた。
「...少し寝るか。」
無事に終えられたことへの安心感からか身体が睡眠を求めていて、ファルガーは大人しくベッドへ向かうことにした。背中を伸ばしてストレッチをしてから立ちあがろうとした瞬間に、通話のコールが鳴る。
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