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    おもち

    気が向いた時に書いたり書かなかったり。更新少なめです。かぷごとにまとめてるだけのぷらいべったー→https://privatter.net/u/mckpog

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    おもち

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    PsyBorg&Sonnyban。

    #PsyBorg
    #Sonnyban
    sonnyban

    (住んでいるところを🐏🔮🎭米、🔗豪、🎧日と仮定しています。)

    サニーが僕のところに遊びに来るんだよ!と過去一番の笑顔で言ったアルバーンに、誰より先に浮奇が「デートするの!?」と驚きの声をあげた。サニーが「え」と目を丸くしているのに気づいているのかいないのか、アルバーンは満開の笑顔のまま「うん!」と答える。ユーゴは当たり前のように「いいじゃん、楽しそう」と話を続け、仕方なく俺も「オフコラボもできるな」とほんのすこしの軌道修正を図ったが、浮奇が「ずるい……」と拗ねた声でそう言うから、無視するなんてできなくて。
    「……俺たちも会うか、浮奇」
    「え!」
    「え!? ふーちゃんたちも会うなら俺だけ一人じゃん!?」
    「ユーゴも、……と言っても、さすがに五人の予定を合わせるのは無理か……」
    「ユーゴ、俺が今度日本に行くから、その時にオフコラボしようよ」
    「サニーそれ絶対だからな? 約束だぞ? そんで五人でも、すぐには無理でも予定合わせて会おうよ。俺、みんなに会いたい」
    「僕も!」
    「うん、五人でお泊まりして遊びたい」
    「オーケー、ちゃんと計画を立てよう」
    「それで、ふーふーちゃん? 俺本気にするけど良いよね? デートしてくれるって」
    「ああ、おまえに嘘なんてつかないよ」
    アルバーンとユーゴの茶化す声のむこうで、浮奇はマイクに乗るギリギリの声量で興奮した声をあげていた。喜ぶだろうとは思ったけれど、予想以上の喜び方にニヤけそうになる口元を水を飲むことで誤魔化す。俺のことを見ていたらしいアルバーンだけがニヤリと危険な笑みを浮かべていた。
    「浮奇とファルガーが会うとしたらどこ?」
    「どこがいいかな。ふーふーちゃん行きたいところある?」
    「お前に会えるならどこでも。……口が滑った。くそ、酒も飲んでないのに」
    「えへへへ、俺も、ふーふーちゃんと一緒ならどこでも良いや。ん、ふふ」
    「浮奇嬉しそうだね」
    「嬉しいに決まってる! サニーたちは行くところ決まってるの?」
    「まだ相談してる途中。アルバーンの家に遊びに行くのは一ヶ所決定だけど、それ以外は」
    「ふーふーちゃんも俺の家に来て!」
    「……浮奇の家?」
    「浮奇の家に二人きり? 浮奇、ふーちゃんのこと襲うだろ」
    「シャラップユーゴ。当たり前だろ」
    「……最近出かけてなかったし、久しぶりに良いホテルにでも泊まろうかな」
    「俺の家があるのに? じゃあ俺もふーふーちゃんと同じ部屋に泊まっていい?」
    「ふはっ、浮奇、全力過ぎ」
    「泊まる場所はまだ考えてなかった……アルバーンの家の近くに良いホテルある?」
    「僕の家空いてるけど!?」
    「アルバーン、おまえ人のこと言えないじゃん」
    会話が混戦してきた。ひとまず五人で話し合うべき議題はとうに終わっているし、ミーティングは終わらせるべきだろう。止まらない会話を遮るように五月蝿いブザー音を鳴らせば、ようやく全員が言葉を止めた。
    「ミーティングは終了だ。あとは各自好きに話せ。俺は腹が減ったから一旦抜ける」
    「俺ももう寝る〜。サニーも遅いだろ? 無理すんなよ」
    「ありがと。じゃあ俺ももう寝るね。アルバーン、また後で相談しよ」
    「うん! ユーゴ、サニー、おやすみ! ファルガーは話があるからごはん食べたら戻ってきて!」
    「了解」
    「おやすみ」
    「おやすみー」
    通話を終了させてデリバリーのメニューを見ていると浮奇からの着信。ディスコードではなく、アドレスを交換している私用スマホの電話にだ。
    「もしもし? どうした?」
    『ごめんね、今ちょっとだけ平気?』
    「もちろん」
    『あの、今ね、アルバーンと話してたんだけど、日付を合わせて四人でダブルデートにしない?って』
    「……ダブルデート」
    『俺はふーふーちゃんに会えればそれで満足だけどね? ほら、確かにサニーとアルバーンとも会いたいし、ユーゴに悪いから内緒で、四人で配信とかはしないんだけど……えっと……どう、かな?』
    「……まあ、日程が合うなら」
    『! うん、それじゃあ、調整できるかアルバーンたちにも聞いてみる。ごはん食べようとしてる時にごめんね? また戻ってくる? 俺もまだやることあるからアルバーンと話してるんだけど』
    「注文をしたら入るよ。アルバーンにあんまり乗せられるなよ、アイツは口がうまい」
    『えへへ、うん、わかった。ふーふーちゃん大好き』
    んーまっ、といつものようにキスをして浮奇は電話を切った。ダブルデートって、この年でそんな若者のようなことを俺が? 頭に浮かぶかすかな抵抗感も、浮奇の嬉しそうな声を聞いてその顔を思い浮かべてしまったらダメだった。学生のように喜ぶ浮奇に「いやだ」なんて言えるはずがない。実際、サニーとアルバーンには俺も会いたい。ダブルデートだなんて言って結局はただ四人で観光するだけじゃないか。きっとそうに違いない。深く考えることをやめ、楽観的な思考に身を委ねた。
    食事の注文を終えて戻った通話でアルバーンと浮奇は大真面目な顔でアメリカのデートスポットを話し合っていて、一瞬で脳が危険信号を鳴らす。これは本当に本気でダブルデートをしようとしているな。
    「ただいま。何の話だ?」
    「ダブルデートどこに行くか相談中。ファルガー、観光したいところじゃなくてさ、浮奇と行きたいところはないの?」
    「……浮奇と、行きたいところ」
    「ふーふーちゃんと行きたいところ……」
    「四人の部屋作っといたから思い付いたらそこに書き込んでおいて。サニーにも僕が話しとく。僕は本気だからね、予定も合わせるし、絶対やろう」
    「アルバーン、おまえなんでそんなやる気満々なんだ? サニーと二人の方が好きにできるだろ」
    「分かってないな。サニーはシャイなんだ。僕のことが大好きでも、きっと素直に甘えてはくれない。でも隣で浮奇とファルガーがいちゃいちゃしてたら絶対そういう雰囲気になるじゃん! つまりおまえたちはサニーの気分を上げるためのサクラ! いいところで分かれて夜は別々にするから、そっちはそっちで勝手に盛ってな」
    サニーの前では可愛こぶってばかりのアルバーンはハッキリとした口調でそう言い放ち、再びデートスポットを調べ始めたようだった。真正面からサクラ扱いされ、しかも夜は勝手に盛ってろとまで言われて、どんな反応をすればいいか迷った俺は浮奇の様子を伺った。頬が赤く染まり、潤んだ瞳で画面を見つめている浮奇と目があったように感じる。
    「ふーふーちゃん……ふーふーちゃんが人前でいちゃいちゃするの苦手なのは分かってるけど、アルバーンの頼みだし、仕方ないよね……?」
    クソ、浮奇もアルバーン側だったか。ここに味方はいないことに気がつき小さく舌打ちをする。浮奇といちゃつくのは全く悪くない、大歓迎だが、浮奇の言う通り俺は人前でそういうことをするのは嫌だ。アルバーンとサニーだけの前ならまだしもさっきコイツらが話し合っていたのは明らかに人が多い場所だし、何をするにしても人目はあるだろう。
    「ふーふーちゃん……」
    「……」
    「ファルガー、浮奇のこと泣かすなよ」
    「……はぁ」
    アルバーンに協力をするわけではない。ただ、俺に甘えてくれるこの可愛い子の願いを叶えるだけだ。ジッと見つめれば、浮奇はすこし困った表情で、そしてその仕草に男がグッとくることが分かっている瞳で、小さく首を傾げてみせた。ふーふーちゃん、だめ? 唇を尖らせる浮奇の聞き慣れた言葉が幻聴になって聞こえる。
    「わかった」
    「!」
    「けど、俺は外でキスはしない」
    「オーケー。サンキューファルガー。……浮奇? うーき?」
    「聞いてるよ……今、顔が、見せられない」
    「嬉しいって。良かったな」
    「黙ってろアルバニャン。……浮奇、配信までまだ時間があったな? 二人で話せるか?」
    「ああ、それじゃあ僕は抜けるよ。サニーが起きて話ができたらまた連絡する。本気で、ありがとねファルガー、浮奇」
    「はいはい」
    「こちらこそありがとうアルバーン……」
    「あはは! ばいばーい」
    アルバーンが通話を抜けると途端にその場が静かになった。全くの静寂ではないのは、浮奇が両手で顔を覆ったまま小さく唸り声をあげているから。
    「浮奇」
    「うん……」
    「ベイビー、可愛い顔を見せてごらん」
    「う……いまは」
    「浮奇」
    たった二文字、名前を呼ぶだけで浮奇を操れるのが、俺だけであればいい。浮奇は手を少しだけ下げて目元を見せ、うるうるした綺麗な瞳で俺を見つめた。
    「……キスは、二人きりならしてくれる?」
    「……しないとは、言えないな」
    「アルバーンたちと会う前に、先に、二人だけで会いたい」
    「そうしよう。日程が決まったら長めに休みを取ることにする」
    「ああ……本当に……早く会いたい、だいすきだ……」
    「俺も」
    「それはどっちに対して? 会いたい? だいすき?」
    「……どっちも」
    「……ふ、へへ、もうだめだ、俺、ふーふーちゃんのこと好き過ぎる」
    ダメなことなんてひとつもないだろう。へにゃっと緩んだ表情で笑う浮奇に、俺も笑みを返す。
    好きという言葉はまだとっておこう、直接、おまえの顔を見て言いたいから。
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