はじゅとーはじゅ「え?おもちゃ?」
「そうです。まだ購入はしていませんが、斗真さえ良ければ使ってみませんか?」
あまりにも自然に、いつもの通りに言うので俺は夏準さんの言う“おもちゃ”が俺の想像している物と違うんじゃないかと思えてきた。
が、さすがにこの事後の状態で、ピロートーク中に話しているのだから、俺達は同じ物の話をしているはずだと思いたい。
「えーっと、おもちゃって言うのは、あの、カラオケのときのタンバリン的な、えっちのときのそれでいーんだよね…?」
「フフッ、そうですね」
合ってたー!よかったー!違ってたら恥かくとこだったわ!ただとなると、何故おもちゃが必要なのだろう。もしかして俺とのえっちに不満が…!?
「ちなみに誤解のないよう先に言っておくと、決してマンネリだと感じているからではないですよ。ボクはどちらの立場であろうが、斗真とするセックスに満足をしています」
「あ…ありがとうございます…。でも、だったらなんで?」
「単純に好奇心(ぐずぐすになった斗真が見たいから)ですよ」
そう言ってにっこりとした笑顔を向けられて、心の声が聞こえた気がした。体が震えたのは期待と不安のどちらだろう。
「あ、も…もし!もし買ったとして、それは俺も夏準さんに使っていーんだよね?」
「……」
「二人で使うものっしょ?」
「まぁ…、そうなりますかね。ということは了承を得たと認識していいんですね?後で無しは無しですよ?」
「わー!待って待って!なんかいかにもな感じの、ゴツいやつとかだと怖いから、せめて怖くない感じのやつとか、なんか、そーゆー感じの…やつ、なら…」
「わかりました。では商品は一緒に選びましょうか」
「え!夏準さんが選んだのでいいよ!一緒に見るの恥ずかしいし」
「えぇ、その反応が見たいから一緒に選びたいんですよ」
「ド…ドS王子だーっ!」
結局このあと夏準さんのタブレットで一緒に商品ページを見て、わーきゃーと騒ぐ俺を夏準さんは楽しそうに見ていた。