Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    冴木理由

    @rsaeki_18

    20↑腐女子/一応字書き/リハビリ中
    当面は右skで書いたものを置く場所になる予定

    アイコン◆Picrew「やわらかめのネコヤギ」

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    冴木理由

    ☆quiet follow

    5時半に起きたので本人的には十分待ったし、これ以上は待ちきれなかったのでした。
    (楽しみにしていたから)

    ##ウォセ
    ##現パロ

    ウォセss/早起きのお話し「ウォロ、起きろ。朝だぜ」

     その言葉と、部屋のカーテンが全開にされたのは同時だった。

    「まぶしい……」
    「早起きはいいよな」

     恋人は全くこちらの反応を気にする様子がない。ウォロは目に沁みる朝日から逃げるように枕に顔を埋めた。

    「……今何時なんですか」
    「六時五十分」
    「寝直すのでカーテン閉めてもらえます?」
    「何だよ、起こしてくれって言ったのあんただろ」
    「言いましたけど、休みなのにこんな時間に起こすんじゃない」

     生活リズムだけでなく休みもなかなか合わないため、二人揃ってのオフを満喫すべく遅くまで寝る気はなかった。とはいえ昨日も仕事で遅かったし、ただでさえ日頃から寝不足気味なのでもう少し寝かせてほしい。

    「もうすぐ朝飯できるぜ」
    「…………」
    「ホットケーキ」
    「……まさか火をつけっぱなしにしてないでしょうね」

     酒は飲むくせに子供舌なセキは、意外にも甘く焼いたトーストやホットケーキなどが好きだ。それは一緒に暮らし始めて知ったことだった。

    「もう焼けるからさっさと顔洗っちまえよ」
    「……アナタねぇ、たったの数分もフライパンの前で待てないんですか」

     ウォロは仕方なく体を起こした。朝から黒焦げの料理を食べるのは御免こうむりたい。

    「待ってる間くらい別なことした方が時間の無駄がなくていいだろ」

     何度も作っているのに一向に上達しないのは、この短気すぎる性格のせいだ。
     早く焼きたいからといつでも火加減が強すぎるし、じっとしていられなくてすぐ目を離してしまう。そのせいで、表面は焦げて中は生焼けなんてことも度々あった。少し待ってでも弱火でじっくり焼き上げたほうが絶対に美味しいのに、この男はそれが出来ないらしい。

    「あとはジブンがやるので、さっさと火を止めて来てください」

     ああ、こうやってまた甘やかしてしまうのだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤❤❤❤❤❤❤❤☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    冴木理由

    TRAINING仔セキさんと相棒の話。
    以前書いたお話のセキさんの入墨についても少し掘り下げてます。
    仔セキさんと相棒ss/選択の話1.

     セキが刺青を入れたのは、12歳になった頃だった。右腕全体と左の手の甲に模様を入れるのは覡の伝統だ。シンオウ様に捧げる為のものなので、祭りや儀式の時以外は人目に触れぬよう布を巻いて隠すことになっている。そのため、父の腕にもあるが息子であるセキすら見事な彫り物をじっくりと見たことはなかった。
     成長途中の子供の体ということもあり、広範囲の図案は数度に分けて彫られた。セキが痛みや熱から開放されるのにかかった時間は丸1年ほど。相棒が寄り添い支え続けてくれた歳月だった。



    「肘の墨は、大人でも痛みに泣き叫ぶ者がいるくらいなんですよ。声も上げずに耐えきるとは、流石セキ様。次の長は違いますなぁ」

     どこか含みを感じる軽口に、セキが応えることはなかった。体を押さえつけていた男達が離れ、悲鳴を殺すために噛んでいた布を吐き捨てる。歯を食いしばり過ぎたせいで顎に違和感があった。気が遠くなるほどの激痛は耐えきったとはいえ、余韻のように震える身体を抑えることはできなかった。そんな状態で話すことができるわけもない。
    8009