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    hikagenko

    @hikagenko

    HN:
    ひかげ

    サークル名:
    Hello,world!

    ジャンル:
    ド!、ズモなど

    イベント参加予定:
    25/05/04 超5次ドリ2025

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    hikagenko

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    ・ド!
    ・風間圭吾×黒石勇人(全年齢)
    ・24ページ(表紙込み)/A5コピー本/100円

    ※作業中にため、実際に頒布するものと多少異なる可能性あり

    #サンプル
    sample
    #圭勇
    #ド!
    do!

    【サンプル】ぼくらの愛とか恋とかそういう話交換ノートの話

     なんやかんやあって、風間圭吾と黒石勇人は付き合うことになりました。これはほんの数秒前に決まったことです。が、当の本人たちもまだしっくり来ていないようで、風間の家のソファに並んで腰かけながら難しい顔をしています。恋人になった直後とは思えない表情です。
    「……付き合うって、何すんだ?」
     眉をひそめている黒石がそう問うと、真剣な表情の風間は暫く考え込んでから答えました。
    「交換ノート……か?」
     風間の返答に黒石は口をぽっかりと開けて、それから「あ?」と語尾を上げた声を出しました。その声で風間は不安そうな表情に変わりました。
    「ダメか?」
     今度は黒石が困ったような顔をしました。
    「ダメじゃねーけど……つーか、やりてぇのかよ、交換ノート」
    「交換ノートって、なんか定番だろ? 定番には定番になるだけの理由があるんだから、試すのは悪くないと思うんだ。だから手始めに、どうだ?」
     真剣そうな風間に対して黒石は文句を言いたそうな顔をしていましたが、結局は「……お前がやりてーなら、まあ」と同意しました。
     こうしてふたりの交際が始まり、そして同時に交換ノートのやり取りも始まることになったのでした。

    * * * * * * *

     数日後、風間は交換ノートに使うためのノートを用意しました。黒い表紙に、表紙を押さえるための赤いバンドが付いているノートです。風間が店でノートを選んでいる時に見かけて、「勇人っぽいな」と思いそれに決めたのでした。
     買ったノートをそっと開いて、風間は何を書くか考えました。ノートの色の話? 授業で聞いた面白い話? 他にも話題をいくつか考えて、その中から黒石が反応しそうなことを書いてみることにしました。
    『改めてよろしく。事務所近くのコンビニの新発売のチョコのやつ、勇人好きだと思う。レジの横。試してみて。』
     書いた文字を読み返して誤字がないことを確認し、風間は満足してノートを閉じてバンドを留めました。それから明日学校で渡すためスクールバックにノートを入れ、ついでに忘れ物がないかざっと確認してからベッドに向かいました。ベッドに入って、黒石からどんな返事が来るか想像してみました。「買ってこい」かな、それとも自分で買いに行って感想を教えてくれるのかな、と想像して風間はフッと笑いました。相手のために何を書くか考えたり、どんな答えが返ってくるか想像したり、そういうのが交換ノートの定番になる理由なのかなと思いました。風間はふわふわした穏やかな気持ちのまま、眠りに落ちました。

    (略)

    イメージプレイの話

     黒石勇人が風呂から上がると、家主である風間圭吾はリビングのソファで台本を開いていた。それなら寝室に引っこもうと思った黒石だが、台本の表紙に事務所のロゴマークがあることに気付いてそのまま風間の隣に腰かけた。
    「及川とのやつか」
     黒石は今日のレッスン前に、風間と及川が社長室に呼び出されているのを見ていた。以前はユニット単位で仕事をすることがとても多かったが、最近はバラバラに呼ばれることも増えた。
     風間は台本に視線を落としたまま、「そう」と返事をした。
    「あと明日真さんと智景さん」
    「へぇ」
    「見るか?」
     台本から顔を上げた風間が黒石に台本を手渡す。台本を受け取り、黒石は最初のページの役名と簡単な人物説明の部分を眺めた。
    「『冷静沈着、何事にも動じず顔に感情が出ない』」
     風間の役に書かれた説明を読み上げると、「そうなんだよなぁ」と風間が目を瞑って天井を見上げた。珍しい反応に黒石は風間に視線を投げる。
    「んだよ、不安か?」
    「んー、慎はともかく、明日真さんと智景さんと一緒に演技するのは初めてだから……飲まれないようにしないと」
    「へぇ」
     黒石がパラパラと台本を流し読みしていると、風間が黒石の肩に頭をのせた。今日はもう真面目に台本を読む気はないらしい、と黒石は感じた。明日はふたり揃ってのオフだから、『そういうこと』もあるだろうと思っていたのだ。
     が、風間の次の言葉は黒石の予想を裏切るものだった。
    「……役作り、ちょっと手伝ってくれないか?」
     黒石は反射で「あ?」と零した。風間にそんなことを言われるのは初めてだった。「ヤるんじゃねーのかよ」と言いそうになったが、仕事に関する話ならまずは聞くか、と口から出そうになっていた言葉を飲み込んだ。
    「何すりゃいーんだよ」

    (略)

    交換ノートの話のその後のふたり

     年が明けて数日が経ったその日。都内でも雪が降るかもしれないという予想の通り、気温は低く、空には少しずつ暗い雲が増えていました。
     風間圭吾宅のリビングの窓は換気のために少し開いていて、カーテンがふわりふわりと揺れています。キッチンに立っている黒石勇人は外出用のネックウォーマーを付けたまま、冷蔵庫を無遠慮に開けて中身を漁り始めました。手前にあった紙パックに入ったジャムを手に取りラベルを見て、冷蔵庫に戻さずにキッチンカウンターの上に置きました。次に冷蔵庫からスライスチーズを手に取り、それは冷蔵庫に戻しました。
     黒石はひたすら冷蔵庫の中のもののラベルをチェックし、戻したりカウンターの上に出したりを繰り返しました。
     今日は風間と黒石の、久しぶりにオフが被った日でした。そして、結成十周年を迎えたKUROFUNEの記念企画の数々が無事に終わり、風間の主演ドラマも無事にクランクアップを迎えた翌日、というタイミングでもあります。

    (略)
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    四季とごはんネタ。
    ふたりごはん秋夜22時半。
    それほど大きくない通りのそれほど綺麗でもない、こじんまりとした中華料理屋の暖簾を二人の男がくぐる。
    「いらっしゃいませ~。あら、こんばんは」
    「ども」
    「まだ時間大丈夫?」
    「大丈夫よ。あと10分待ってお兄さんたちが来なかったら閉めようと思ってたとこだけど」
    うふふ、と笑いながら女将さんは油で少しべたつくカウンター席を年季の入った布巾で拭き続ける。

    仕事が早く終わった日は二人そろってこの店に来るのが日課になっていた。
    同棲して早三年。引っ越してきた頃は今より忙しくなかったこともあり、二人でよく近所の飲食店を開拓していた。ちょっと小洒落たイタリアン、大人気ラーメン屋、少しお高めな焼肉屋などなど。色々と食べ歩いた末に落ち着いたのが、ここの中華料理屋だった。かなり年季の入った見た目で、隣の新しくできたラーメン屋と見比べると一瞬入るのを躊躇してしまう。しかし、逆に言えばそれでもこの地で長年店を構えることができるのというのは、それだけ美味いということであり、自分たちのようにこの店を気に入って足繁く通う客がいるということなのだろう。
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