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    【安ピク】
    『中指からアイ・ラブ・ユー♡』
    Day.1 2/5

    谷のしらべ2展示作品です。
    パスワードはピクリエオンリーイベント「谷のしらべ2」の「ムムリクエリア【C7】ももいろ♡ふぉーちゅん」のお品書きにて記載しております。

    #安ピク
    #安紙
    #安原スナ×紙芝居新スナ
    #谷のしらべ2
    #展示作品
    displayWorks
    #ピクリエ

    2戦目★巻き込み事故にはご用心はらり、重力に反って落ちてきた数本の黒髪が邪魔だと安原は垂れてきた前髪をかきあげる。
    「ヤースッ」
    「あ?っっって?!」
    変に上機嫌なピクに呼ばれ振り返った安原からパチンッと指先で弾いた気味の良い音が鳴る。
    不意打ちに受けた小さな火花が弾けた様な刺激に流石の安原も驚き二歩程後ずさった。
    「っピクお前っ、急になにするんだ?!」
    「いやぁ、中々良い音がなりそうなおでこがあったからついつい」
    「ついつい人のデコを指で弾くバカがどこにいるんだ?!」
    ここにいたな!と怒りの人相で額を隠すように摩る安原の想像通りの様子を見るピクは悪戯が成功した小悪魔の様な愉悦の笑みを浮かべ満足気である。
    「今日も絶好調じゃないか、君のおでこ」
    「叩くな鳴らすな!」
    前髪をかきあげ露になった広い額をペチペチ鳴らすピクの指を払い飛ばす安原。
    「いいじゃないか減るもんじゃないんだし。安原のケーチ」
    「ケチで結構。減るもんはないが増えるもんもない」
    安原の素っ気ない態度にピクは不満げにぷぅ、と頬を膨らませる。
    ガキが、とその子供じみた反応に半ば呆れながらも安原はふと、そのリスの頬袋の様に膨らんだ頬に手を伸ばしてみた。
    ……ふにっ
    「……はには」
    「いや、つまみ易いほっぺたがあったからつい」
    ぷしゅ、と空気が抜けた左頬を安原は親指と人差し指で摘む。
    指の腹から案外柔らかい頬の弾力を感じ、ふにふにと摘んで感触を楽しむ安原の手を無常にも容赦無く叩き落とすピク。
    「つい人のほっぺを摘むアホがどこにいるんだ?!」
    「お前数秒前に自分が何言ったか覚えてるか?」
    これはデジャブかはたまた天丼というものか、何にしろ俺は何をやっているんだと安原はピクに叩き落とされたやり場の無い手で髪をかきあげる。
    なんとなくピクの方に目を向けると、髪をかきあげる安原の手元を目で追いかけ、じっと見つめていた。
    「……なんだ?」
    「いや、それって癖なのかなって」
    「癖?」
    「髪をかきあげるの。よくやってるじゃないか」
    「癖というか、前髪が邪魔なだけだ」
    安原らしい言い分でその上その仕草が嫌に様になっているものだから余計に腹立だしい。
    なにか難癖を付けなければ気が済まないピクはふと思い出したとある俗説にこれだとニヤリと口角を上げる。
    「それ、癖でも続けてたら将来ハゲるらしいよ」
    「はっ?!」
    ニマリと意味深な笑みを浮かべここだけの話とこっそり伝えるピク。彼の口から出た"ハゲる"という単語が余程効いたのか安原は目を見開きかきあげた左手をビクッと強ばらせる。
    「いやーしんぱいだなーやすはらのとうひがしんぱいだなー」
    「微塵も思ってないだろ?!」
    大根役者でもまだ起伏がある、そんな棒読みが逆に清々しい。白々しいピクに対するキレのいい返しは安原の中に小さく芽生えた謎の危機感の現れなのかもしれない。
    「安心しろ、俺の髪はまだ安泰だ」
    「んー、最近ちょーっとじみーに危機感を感るんだけど……」
    「勝手に危機感感じるな?!」
    多少大袈裟なピクの煽りにすっかり乗せられた安原。自分の手のひらの上で翻弄される安原を前に今日の追い風は自分に吹いていると確信する。
    「まぁ安心したまえ、髪が薄くなろうがハゲようが君は君。そんな事で嫌いになる奴はここにはいないさ。」
    「だからなんで俺がハゲる前提なんだよ!!」
    宥める様に肩に手を置き慰めの言葉をかけるピク。言われのない慰めを受けた安原のこめかみには太い青筋がバッチリ浮き出ていた。
    「本当に減らない口だな…」
    「ふぎゅっ」
    調子に乗り切ったピクの顔に安原の手が伸びる。
    「……あ、ピクと安原じゃないか」
    二人の存在に気付き釣具を肩に担いだ旧が足を止める。
    たまたま通りかかった所で今日も今日とて喧嘩をしている二人にやれやれと思いつつ旧は絶賛小競り合い中の二人に近づいた。
    「二人とも昨日は何の」
    「だから摘まないてくれないかこのハゲ!!」
    マシュマロの様にもちもちと伸びる頬を容赦なく摘みあげられたピクは声高らかに叫んだ―――旧の目の前で。
    「誰がハゲだ目ぇついてるのか?!」
    「将来ハゲる生え際してるくせに!」
    加速していく二人はここぞとばかりにハゲハゲと連呼する―――旧がいる事に気付かずに。
    「ハゲハゲうるせぇな!!」
    「やーいハゲっ」
    「それしか言えないのかこのバカ!そもそもハゲねぇよ!」
    「ハゲる奴程そう言うんだよ」
    「おっ前なぁ?!」
    絶賛二人の世界に入っている二人に周りなど見えていない―――旧の釣具の持ち手が90度に曲がった事にすら気付かないのだ。
    「お前世の中のハゲに謝れ!!」
    「俺はハゲじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!」
    ―――堪忍袋の尾が切れた。釣り竿の持ち手を破壊した旧の腹の底からの叫びが二人の世界を見事な勢いで吹き飛ばした。
    シン、と糸を張る様に静まり返った中、二人の世界を吹き飛ばされた安原とピクはピタリと小競り合いを止め、目を丸くして旧の方を見る。
    なんで旧がここに?素朴な疑問を聞こうとするより先に旧のターン開始の激鉄が鳴った。
    「お前ら言わせておけばハゲハゲハゲハゲ言いやがって!!不可抗力のハゲに謝れ!自分の頭見て出直して来い!!」
    こんなに怒り狂う旧は中々見ないぞ……二人は顔を見合わせて呆気に取られていた。
    「す、すまないな……?」
    「俺にじゃねぇよ!!!」
    意味も分からず謎に出てきた謝罪は火に油、ボルテージの上がった旧のしばき上げん勢いに気圧される。
    謝れって言ったのは君の方じゃないか……と困り果てる二人を前に、旧はこめかみにわなわなと震えはち切れる寸前の青筋を刻み叫んだ。
    「俺はスキンヘッドだぁぁぁぁぁ!!!!!」
    過去最大級の大暴露を捨て台詞に残して旅人由来の健脚で風の如く走り去ってしまった旧の背中を土埃越しに見送る事しか出来なかった二人は互いの顔を見合わせる。
    「……なんだったんだ??」
    「さあ……?」
    春の嵐の様に過ぎ去った旧に全てをかっさらわれ、さて俺達は一体何を喧嘩をしていたのか、それすらも有耶無耶になった二人なのであった。

    本日の勝負、予期せぬ巻き込み事故により判定見送り。
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    DONE【安ピク】
    現パロ安ピク(ピクてゃ出てないけど)
    某2ちゃんの書き込みのパロです。
    安原課長の部下なパペくん視点のお話。
    安原とピクてゃは同棲してる恋人設定です。
    安原課長のお昼ご飯〜喧嘩した次の日編〜僕が配属された部署の課長である安原さんはデキる人だ。
    端正な顔立ちだが若干強面で仏頂面の安原さんだが、話してみると意外に軽快な人で部下にも慕われていて、僕達部下からすれば頼れる兄貴分みたいな存在だ。
    それに頼もしく人望も厚い上に仕事が出来る人でもある。僕の先輩に当たる人によると安原さんが配属された後業績がうんと上がったという噂もある。
    要は安原さんは僕達部下にとって憧れの存在でもあった。
    そんな安原さんだが、今日の安原さんはいつもとてんで違った。

    出社時から頗る機嫌が悪い。部下の僕達や会社の人に対する態度は至って普段通りなのだがそれ以外の時の機嫌が爆発的に悪いのだ。
    デスクに座って部下が提出した書類を確認しているだけなのにその背中から醸し出すオーラは尋常では無く、その書類の作成主であるハピはまるで大目玉を食う直前の子供の様にデスクで縮こまり半泣き状態である。あまりにも可哀想なので昼飯を奢ってやろうと心に決めた僕。
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