Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    yuri_i71100

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🍑 👑 ❄ 🎸
    POIPOI 16

    yuri_i71100

    ☆quiet follow

    バンモモWebオンリー
    「百の恋と万の愛情を」
    開催おめでとうございます♡

    こちらはオンリー内企画、ワンドロワンライ第2回目に参加して書いたお話になります。
    ✿ワンライお題:コーヒー
    ✿旧時代設定
    ✿テーマ:ピクニックに行くバモ
    ✿鎌倉の海沿いでデート

    体の関係を匂わせる発言があり、えっちな雰囲気もあるかも?
    こちらの続きのお話もありますので、チェックしてみてください。

    #バンモモ
    #百の恋と万の愛情を

    かがやける日々の正体ずっとずっとつらかった。あの日々もあって良かったのだと背中を押してくれて、大丈夫だよ、そのままでいいよ、と言われた気がして、ものすごく救われた。初めてRe:valeのライブに行って曲を聴いたときの衝撃。全てをひっくり返す轟音。あれこそが百にとってターニングポイントだった。


    「春原くん、毎日楽しそうだね」
    「百くん、最近輝いてていいね」
    最近そう言われることが増えて、その度にどうしてそうなれたの? 何かきっかけとかあったの? と聞かれる。
    その度に、推しができたから、と笑って答えているのだけれど。
    本当の正体は他のところにある。



    「バンさんはね、めちゃくちゃ格好良いんだよ。目が合うとファンサしてくれる。モモもバンさんやユキに会ったら絶対好きになるから。ね、ライブ、行こうよ!」
    そんなふうに仲良しの姉に布教され、この世界に転がり落ちた百は、誰にも言えない秘密があった。それこそ、大の仲良しと思っていた、ターニングポイントを齎してくれた姉の瑠璃にも、だ。というよりも、瑠璃にこそ、言えない秘密。
    それを抱えていると、後ろめたさもあるけれど、それを上回るような切なさと愛おしさに百の心も唇も震える。
    瑠璃がわたしのバンって感じがする、と言っていた、瑠璃の推しである万理と百は愛しあっていて、口付けは当然ながら体も重ねるような関係ーーつまり、恋人同士ーーだから、だ。

    今日も瑠璃に「友達と遊んでくるね」と言って家を出てきた。
    送り出す瑠璃は楽しげに瞳を煌かせ、百を優しく見つめてくれた。その瞳が、百が立ち直ったこと、楽しそうにしていることの喜びを物語っていたからこそ、百は精一杯微笑んで、家を飛び出して。
    そうして、今、大好きな人に手を繋がれて、海辺を歩いている。静かな波音と途中ですれ違う車の音、そして、追い越していく電車の音。風がふわっと頬を撫で、髪を揺らしていく。
    平日だからか、まだ春前の海沿いだからなのか、人はまばらだった。だからこそこうして、万理と時間を合わせ、ライブ前にこっそりデートしているのだけれど。
    「いつも手伝ってくれているから、お礼したいんだよ。千には内緒で百くんを独占させてほしいんだけど、どうかな?」
    そんなふうに始まった2人の関係は、毎回そんなふうに秘密のデートをして、深まっている。
    万理が好きでよく飲んでいるコーヒーみたいに、深い味。キスの後味はいつもコーヒー味で、それが百にとってクセになっているのもきっと万理は気づいていないだろう。
    初めてしたキスも、コーヒーのすこし苦くて大人の味が口いっぱいに広がったことを思い出して、百は少しだけ熱くなってしまった息をそっと吐き出す。何だか現実味がなくて、百はふわふわとする心を持て余していた。
    「百くん、何か考え事? 何かあったの?」
    心配そうに顔を覗き込まれ、百はハッとして万理を見上げた。
    「いえ、違うんです……こんなふうにバンさんと一緒に過ごせるってすごいことだなってしみじみ思っちゃって」
    万理に話しかけられて思わずそういうと万理は柔らかく微笑んでくれて、その微笑みに心がまた震える。
    「百くんは俺やユキのこと、神様だって思ってるところあるからなぁ……でも俺が本能のまま突き動かされる人間だって百くんも知っているでしょう」
    あんなこともこんなこともしたんだし、知らないなんて言わせないよ、と色を含んだ声音で囁かれ、百は目許をそして頬を赤らめて、恥ずかしげに瞬いた。
    ねっとりと舌を絡める深いキスも、体のあらゆる場所も全て曝け出し、重ね合う気持ちよさとしあわせな感覚も。そういった全てのことを、初めて味わわされ、体感させられたことを言外に思い出させられてしまって。百の脳内が勝手に再生し始めるから、体の中の熱がぶわっと上がり出す。繋いだ手が汗ばんで、出来たら今すぐにでも離して、ズボンで汗を拭きたいくらいなのに、少しでも手を離そうとすると繋ぎ止められ、逆に離さないというように恋人繋ぎにされてしまう。
    「うぅ、バンさんはそうやって俺のことすぐ揶揄う」
    「揶揄ってなんかないよ、本当のこと」
    恥ずかしくなって茶化して終わらせようとしたのに、真剣な顔でそう言われてしまって、百は困ったように顎を引いて、上目遣いで万理を見上げた。
    「百くんこそ、俺のこと、試してる?」
    「えぇ」
    「その顔、誘われてるのかなって」
    百としては万理の言っていることの意味が全然検討もつかなくて、どういうことだろうと思って瞳を瞬かせれば、ぐっと手を引かれ、顔を近づけられて。あっという間に唇が深く重なる。
    「んぅ……、っぁ……んんっ」
    思わず、繋いでいた手を離し、万理の胸に手をつけば、ちゅ、と甘ったるく唇を吸われて、離れていく端正な顔。恥ずかしいことをされたのに、誰かに見られたら、それこそこんな公道でキスをしあっていた、と瑠璃の耳にでも届いてしまったら、と思うと後ろめたいのに、気持ちよくて、好きすぎて、本当はもっと奪ってほしくなってうっとりとしてしまう。
    「百くん、キスされたいのかなって顔だったよ」
    悪戯に成功した、と言わんばかりに楽しげに瞳が煌めかせた万理に囁かれ、百は顔を真っ赤に染め上げる。恥ずかしすぎて、何か言いたくても、言えなくて結局口を噤めば、楽しげに笑われる。
    「百くん、本当可愛くて、たまんない」
    熱っぽく囁かれ、そのあとに好きだよ、と臆面もなく告げられて。
    百も俺もです、と告げれば、嬉しそうに、戯れるようにして抱きしめられた。
    「百くんと一緒に食べようと思ってお弁当作ってきたから、浜辺に座って食べようか」
    人気の少ない浜辺のちょっとした階段に座って、ライブの感想や日々の楽しかったエピソードをお互い話し合って、お互いの距離を縮めていく。
    ポットに入れられた、コーヒーに心が、唇が、疼く。それを見て、万理に笑われるけれど、唇を重ねたくて、甘えるように強請れば、それはすぐに与えられた。


    千の話や瑠璃の話になると、後ろめたさも、もどかしさもある。でも、それ以上に切なさと愛おしさが勝って、真っ直ぐに愛が育っていく。

    一緒に歌を歌ったり、額をくっつけて、笑い合って、戯れにキスをして。熱い吐息が重なって、深まって、煌めく。

    かがやける日々の正体。
    それは、誰にも言えない秘密の恋をしている、ということ。
    後ろめたさが快楽に火をつけ、2人の距離を益々近づけていく。
    このときめきは、どんどん熱をあげ、加速して、もう誰にもとめられなかった。



    おしまい??
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺👏💖💖☺☺☺☺☺💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    みかんっ。

    DONE構ってほしい万理さんの話。
    前にも似たような話書いたけど気にしないでください←
    ※万理さんに彼女が居た描写があります。
    待てと言われど「私と仕事、どっちが大事なの?」
     そう言ってきたのは前に付き合っていた彼女だっただろうか。その頃はようやく今の仕事に慣れてきて楽しくなってきた頃で、急な仕事をお願いされてふたつ返事で了承してしまって忘れていたのだ、彼女との約束を。まあ結局は彼女とは合わなかったのだ。仕事との向き合い方の価値観と生活感とその他諸々が。
     それはさておき今である。久しぶりに百が家に遊びに来てくれたのだが先程からずっとスマホ画面とにらめっこをしている。勿論ひと言断りを入れてからスマホと対面し始めたのだがかれこれ1時間はこうしてラビチャ画面の向こう側の相手と話し込んでいるようだ。
     返信を待つ隙間時間に教えてくれた相手情報からするとちょっと大きな企画を抱えたお偉いさんの連絡先をなんとか入手したそうで、交渉の場を設けるための交渉、みたいな事をしているらしい。営業ならマネージャーである岡崎や事務所の専門スタッフに任せればいいものの、そう言っている彼らも事務所髄一の交渉術やトーク力は百には敵わずいつの間にかポン、と大きな仕事を持ってくるので無下に出来ないのだという。万理としても友人と恋人が居て応援しているグループが大きな舞台で活躍するのは嬉しい。
    2055

    yuri_i71100

    DONEバンモモWebオンリー
    「百の恋と万の愛情を」
    開催おめでとうございます♡

    こちらはオンリー内企画、ワンドロワンライ第2回目に参加して書いたお話になります。
    ✿ワンライお題:コーヒー
    ✿旧時代設定
    ✿テーマ:ピクニックに行くバモ
    ✿鎌倉の海沿いでデート

    体の関係を匂わせる発言があり、えっちな雰囲気もあるかも?
    こちらの続きのお話もありますので、チェックしてみてください。
    かがやける日々の正体ずっとずっとつらかった。あの日々もあって良かったのだと背中を押してくれて、大丈夫だよ、そのままでいいよ、と言われた気がして、ものすごく救われた。初めてRe:valeのライブに行って曲を聴いたときの衝撃。全てをひっくり返す轟音。あれこそが百にとってターニングポイントだった。


    「春原くん、毎日楽しそうだね」
    「百くん、最近輝いてていいね」
    最近そう言われることが増えて、その度にどうしてそうなれたの? 何かきっかけとかあったの? と聞かれる。
    その度に、推しができたから、と笑って答えているのだけれど。
    本当の正体は他のところにある。



    「バンさんはね、めちゃくちゃ格好良いんだよ。目が合うとファンサしてくれる。モモもバンさんやユキに会ったら絶対好きになるから。ね、ライブ、行こうよ!」
    2680

    recommended works

    pomi710

    Happy New Year全然えっちではありません(笑)
    付き合ってもいないユキモモの話!
    おかしなおかしな搾乳の話ですが、搾乳もしてはいません😂がミルクはちょっと出ます……!
    あと気持ちバンモモ風味ありますが、全然絡んでませんので固定派の方もご安心ください!
    モモちゃんもーもー牧場へようこそ ……キー、起きてー!ねぇってば!もう時間だって!
    「ん…………あとごふん……」
     僕は、ぼんやりと聞こえたモモの声にいつものごとく甘えるように答えた。モモのことだ、きっと三十分は余裕を持って起こしに来ているはずだから、あと三十分は眠れるはず。そう思って、少し眩しく感じる瞼裏の視界を暗くするため布団にもぐる様に寝返りを打つ。
     だけどモモの声は止むことはない。まぁこれもいつものことだ。僕はあまり気にせず、微睡む意識をもう一度深く落とそうしとした、が。
    ユーキー!もう搾乳の時間になっちゃう! オレ我慢できないよ、起きて!
    「……んー…………ん? さく、にゅう……? 」
     聞き慣れない単語に、薄っすらと目を開けると、そこには青空が広がっていた。朝日の眩しさに眉をしかめる。だが、影が出来たことで目はすぐに開くことが出来るようになった。
    6609