エロ可愛い そろそろバスケ部が終わる頃、体育館に迎えに行くと白い姿が見当たらない。
『カツキなら保健室、血が止まらないから連れてった』
…何かあったらメール入れろって言っているのに、
『目蓋を切ったんだ、衝突の弾みで。一時的に目が見えなくなってさ、だから抱えて連れてったんだけど、カツキは抱かれるのスゲェ抵抗して自分で歩けるって無茶して、それで余計に怪我して…って、轟、ガンギマってんぞ』
あのバカ、何で俺を呼び出さなかった!他の奴に触れさせるなんて、ましてや抱かれただって?そんな危険なシチュエーション、下手したら噛まれてしまうかも知れねえのにっ、
『勝己!』
案の定ベッドに押し倒されやがってっ!
『うわっ轟、驚かすなよ、爆豪なら』
勝己なら後は俺が面倒みるから出ていけと追い出し、急いで勝己の手で覆われた首筋を確認しようとし、着衣の乱れに気が付く。
『焦凍、来てくれたんだ。あァ頸は大丈夫、ちゃんと守った。でも両手で守ったからちょっと身体触られた、それくらい』
それくらいってレベルじゃねェが、ひとまず一線越えられていなかったことを喜ぶべきだろう。
『何か胸フェチっての?男の胸なんて何処がいいのか解ンねェけどアイツ胸ばっか触ってたから結果的に頸も処女も守れたわ』
胸…に目をつけるとは不届者め、
デフォルトがブカブカしているバスケのユニフォームからチラ見せしないように中にTシャツとスパッツを着込ませているのに、どうして勝己の胸がエロいって気が付いたのだろう?
『あと貼ってンの見られた』
ま、てっ…ニップレス貼ってんの見られたのか、そうか。そういうことならアイツ今から追いかけていって口止めしねぇとな。確か2年生だったな、普段からバスケにかこつけて勝己にお触り多めのムッツリめ、勝己をスケベな目で見やがって、あまつさえおっぱい揉んだとかもう万死に値するだろ、
『焦凍何か術祖っぽいの呟いてンぞ?先輩には後で俺から口止めしておくから落ち着けって。あーもうコレ取っていいよな、見えなくなったのは片目だけなのに大袈裟に両目塞ぎやがって、これじゃ焦凍の顔が見えねェっての』
そうか、そりゃ大不幸中のちっっぽけな幸いかもな。今俺は確実に人殺せる顔してっから。こんな顔勝己に見せたくねえ、それにしても、
『目隠しってエロいアイテムだったんだな』
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『焦凍、本当に誰も居ねェンだろーな?』
目隠しみたいな包帯をした勝己をお姫様抱っこして堂々と歩けばたちまち廊下に花道が出来る、まるで結婚式の、なんていったっけ?
『ヴァージンロードだ』
ヴァージンロード?と呟く勝己はヴェールを被せなくても白くてまるで清らかな花嫁のよう。あちこち勝手にスマホで撮られているけどいい牽制だ。流石にシャッター音で勝己もギャラリーに気が付いたのだろう、白からピンクに染まっていく可憐な花嫁を見せ付けるように、鞄を回収しがてら廊下を一周して学校を立ちさった。
(後で出回った写真みたらまた拗ねるだろうな)
拗ねた勝己も可愛いからいいか、なんて思ってしまうくらいに俺は勝己にぞっこんだ。勝己の全部が可愛い、可愛くて食べてしまいたいくらい、
『あぁ食いてぇな』
ヤベェ声に出ちまった、
『味見くらいならシてもいいけど』
やりぃ、じゃなくて、ヤベェ勝己がエッチになってきている。そりゃそうか、俺がせっせと勝己に気持ちいいこと沢山仕込んだんだ、ニップレスを貼るようになったのも、俺が可愛がりすぎて乳首が育ってしまったから。まるで女子みてえにツンと立ち上がるソレはピンク色で可愛くて、触るとめちゃくちゃ感度よく乱れてくれる勝己の性感帯のひとつ。だから絶対他の奴には見せちゃダメだしお触りも厳禁だってのに、
『やっぱり許せねえ、どんな風に触られたんだ?』
『エロ親父みたいな聞き方やめろって、…力込めすぎてて痛かった、焦凍みたいに気持ちよくなる触り方じゃなかった。なあ焦凍、俺は焦凍でしか感じねェ、焦凍以外の奴に触られても違和感とかキモいだけだから』
そうあって欲しいけど、勝己の身体は多分生まれつきエロく出来てる。教科書通りなら、ちゃんと番が決まるまで誘惑し続ける身体なのだ。きっと弱い所を攻められたら勝己は陥落しちまう、勝己の意志とは関係なしに。
『焦凍、あちぃ…』
それはきっと怒りの炎だ、
『勝己、今家に帰ったらきっとお前に沢山無理させちまうけど、それでもお前を食っていいか?』
味見ならいくらでもどーぞって俺の胸に顔を埋める勝己はいつもより仕草に可愛さが増しているの、多分自分でも気が付いていねえんだろうな、これは目隠し効果ってやつだ。今日はこのままの姿で食べちまおうか、でもやっぱり勝己の可愛い顔が見てえ、美人で可愛くてたまらなくエロい、
『大変なことに気が付いちまった』
『何?』
『一番エロいのは勝己の顔だってことに気が』
途端にピンクになって的確な頭突きしてくんの、やっぱり可愛くてたまんねえよ。