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    くいっくすた

    @quickst0000

    置き場です。長いの書か(け)ないしあんまりえちくもないですが…読んでくださった方、ありがとうございます🙏

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    くいっくすた

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    門キラのらくがき。連ツイをまとめて再構成したものです。小話+α
    ちょっと雰囲気あってもおモブはおモブなのが好き。

    #門キラ
    #金カム腐
    golden-camRot

    ある午後の肖像 オフィス街の端にある小さな公園、潅木の植え込みを木板で丸く囲んだベンチに座るスーツの男。黒と灰の変わったツートンヘアを温く吹く都会のビル風に晒しながら、ただじっと座っていた。
     何をか考え込むような男が纏った物憂げな雰囲気はどこか次に来る季節にも似て、枯れ際の色気すら感じさせた。
     そこへ歩いてくる男がもう一人。ツートンヘアの男よりいくらか若く、伸びた背筋と筋骨隆々とまでいかないが健康的な肉付きのある肢体をネイビーの作業着に包み、五十センチほどの距離を空けて男の隣に腰掛けた。頭に巻かれたタオルの端からのぞく瞳は深い色をして眼光も鋭い。
     二人はただ座っている。目を合わせるでも会話するでもなく、ただ前を見て座っている。
     ふいにツートンヘアの男が二言三言口を開いた。すると眼光鋭い男は一瞬にして相好を崩しくしゃくしゃの顔で笑った。腹を抱え前後に揺れながら苦しそうに笑う男が滲む涙を拭いつつやっと落ち着くと、二人の距離は三十センチになっていた。
     ツートンヘアの男は縮んだ二十センチを横目に、この場に来て初めて微笑んだ。そのあとの二人は時折目を合わせ、どちらかが口を開けばどちらかが笑った。
     しばらくすると作業着の男はツートンヘアの男の手を引いて立ち上がらせ、オフィス街の人波へと共に戻っていった。距離はさらに五センチ縮んで。


    ・ツートンヘアの男が考えていたこと
    焼き豆腐と豆腐ステーキの境界線について
    ・作業着の男が考えていたこと
    ワイシャツの襟にごま二粒ついてる…しょうもな…可愛い…(昼に食べたさばのごまみりん定食と思われる)取ってやるかな…可愛いからもうちょっと放っとくかな…俺今日シミ抜き持ってたっけか
    ・ツートンヘアの男が話したこと
    「部署の若ぇ子らがトミヤマくんトミヤマくんって盛り上がってたから『うちにそんな子いたっけぇ?人気の俳優さんかなんか?』ってきいたらトムヤムクンだったわ」

    こうして二人は今晩仲良くトムヤムクンを食べに行くことになりましたとさ。(おしまい)
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    くいっくすた

    DONE法務部✳️と工務部🦌のとこにいる✳️推しモブ子による観察記録。
    先日上げたバレンタインの話(問答無用の大遅刻)の日のモブ子視点。以前からたまにモブ子を書いていたので、ちょっとじっくり✳️🦌というか✳️部長の纏う「ニオイ」を探ってもらいました。
    途中途中の細かいとこの補完はできれば前の話を読んで欲しい…っ!
    🦌は影くらいしか出てこないです…。
    定点観測第X次中間報告―それでもモブ子は推したい― 総務、法務、品質、人事、我が経理。リモート業務がすっかり定着した当社にあっても、実は内勤部隊の出社機会は他部署に比べまだ多い。
     御用聞き的なところもあるし、現代的労働環境の申し子であるはずのITチームだって機器が社内にある以上全く出社しないわけにはいかない。
     内部の人間と関わるのが業務の大半を占める私たちは、皆の様子を気にかけておくのも仕事の一部だ。単に私がちょっとお節介焼きなせいもあるけど、職業病に近い。そしてこのところの私の気にかけ職人魂を断然揺さぶり続けているのが法務の門倉部長。
     総務との兼任部長というなかなかの重責ポストでありながら、そんな素振りをちっとも見せない。偉ぶるところはないし上下も部署間も関係なく誰にでも対応が柔らかい。というか柔らかすぎてもはやユルい。
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    くいっくすた

    DONEきょうはなんの日?【耳の日】
    ついったに不定期で載せてるきょうはなんの日シリーズ。ほとんどが140字なんですが、少しだけ長めのSSで。
    例によって3月3日の当日には全然間に合わずの大遅刻。
    竹で作るバージョンが百年以上前の科学本に載ってたそうです。北の大地に竹は自生しないので謎ルートで入手した謎の高級品仕上げに…。
    伝う 長い冬の鎖からようやく解放されつつあるらしい。開く花々に満ちるのはまだ先だろうが、雪解けの土の下には真新しい緑色の気配が顔を出し始めている。
     弥生初めの午後などまださほど温もりはしないものの長閑で、縁側には柔らかく陽が差し込む。座卓にガラクタ様の材料をがらがらいわせながら並べてみたら、早速好奇心の強い男が寄ってきた。
     皆出払って今日は夜まで暇だから気まぐれに思い立って、ちょっとしたツテで調達してきたものだ。いやまぁ大体暇なんだけど。今日はそれなりのやる気と創意が天から降ってくる方の暇な日だったのだ。
    「門倉何だこれ?わざわざゴミ拾ってきたのか?ジジイ見分けつかなかったか?何する気なんだ?」
    「ちょっとちょっとそう矢継ぎ早に訊くんじゃないよ。ひとっつずつ順に訊きなさいっての」
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    くいっくすた

    DONEクリスマス前から6日間の現パロ門キラです。ハロウィンに続き引くほど遅刻して載せます。
    イベント事のまとまったお話がほんとに間に合わせられません…。
    ※年齢操作しています。自分の思う原作軸門キラより10歳くらい若いイメージです。門さん40手前くらい、きらし20代後半~30手前くらい。
    ※オチウもヌンヌンもないよ!ちょっとだけもにょもにょはあるかも!
    シックスデイズワンダー(あるいはホーリーチキンレッグスの威光)――クリスマスに欲しいのは沢山のものじゃないの。
     そうだな、そう思う。休みだよな。またはこのシフトを分かち合って半分、いやせめて二日くらい出てくれる人。今日、二十日からクリスマスの二十五日までフルで六連勤だ。六連勤自体はさほど辛いことじゃない。勤め人なら普通にあり得ることだろうし、世の中もっともっと長い日数の連勤をこなしている人がいることくらい知ってる。でもこの六連勤は普通のそれとは段違いに削られるんだ。心が。疲弊する。萎れてしまう。不幸だとは思わないまでも、流れに受け入れられず川の取水口で引っ絡まっていつまでもくるくる廻ってる枯れ枝を見てるみたいな、なんとも言えない侘しい気持ちになるんだ。
     赤い三角帽子に申し訳程度のムートンもどきなモコモコがついた真っ赤な上着とズボン。どっちも割とペラくて、見た目だけは世のお祭り騒ぎに自分たちもきちんと則っていますよということしか示せない、低すぎる防寒性能。結局ベンチコート着るんだからこんなの仕込んでおく必要あるのか? この装備でこれから寒風に晒され声を枯らし、ひたすら虚空に向かって叫ばなければならない。
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