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    LaT*(ラト)

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    月と君と僕だけの秘密のはなし

    *設定→同棲。💛が裏社会を抜けてます。

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    scenery of happiness -1/2-「もう寝ようかなぁ」
     ベッドに寝転んでいたシュウはスマホから視線を外した。なかなかルカが寝室に来ないので、他の部屋にいるのかと廊下へ出てみる。
     すると、一筋の涼しい風が吹き抜け、バルコニーのサッシが閉まる音がした。ルカがこんな時間に外気浴なんて珍しいな、とバルコニーへ続く部屋を覗いた。

     窓まで閉めて外に出るなんて、誰かに電話でもするのかと興味津々で見ていたら、あのルカがなんと、煙草を吸い始めた。
    そんなの一度も見たことがないし、ましてや煙草の匂いがしたこともない。只、くわえ煙草でフェンスに身をもたれ、時々天を仰いでいる。
     
     このルカを見ているのは、彼を照らす見事なフルムーンと僕だけだった。太陽のような彼の秘密を、今夜の月と共有してしまったのかもしれない。
    そして、月光の下で喫煙するブロンドの彼は息を呑むほど様になっていた。

     シュウが手をかけていたドアから手を離すと、建付けの悪いそこは軋んだ音を放った。その刹那、ルカはバッと室内に向き直り睨みつけるような目で暗闇を窺った。
     その視線の先にいたのがシュウだと分かった途端、ルカは持っていたタバコを丁寧に擦り消し、服をはたいてから部屋へ足を踏み入れた。

    「あー……どうしたの?起こしちゃった?」
    「いや、ごめん、ルカの邪魔しちゃったね……」
     ルカもシュウもお互いにばつの悪さを感じ、距離を取ったまま会話することになった。
     開け放たれた窓から入る涼しい夜風は、少しだけ煙草の匂いをはらんでいる。不可解な行動をしたのは自分だからと、ルカはソファに腰掛けて話し始めた。

    「煙草、嫌いだよね。ごめんねシュウ」
    「びっくりしたけど、ルカなら気にならないよ」
    「オレも全然好きじゃないんだよ」
     はは、と少し自虐気味に笑いながらルカは頭を掻いた。胸ポケットから取り出された煙草の箱は、そのままサイドテーブルに放られた。
    「……その昔、オレがまだ大人になる前にね、世話になったボスがいて。その人、オレたちのグループのヘマで飛んじゃったんだ。」
     ……意味、わかるかな。と言われたシュウだが、ルカが言葉を選んで濁してくれていることは明白だった。
     
    「それが、ものすごく明るい満月の日で、この時期になると手向けの意味で少しだけ吸うんだよ」
     静かに顛末を聴いて、シュウは一歩ずつルカに歩み寄り、同じソファに腰を沈めた。近づくと、いつものルカの匂いにふわっとした紫煙の香りが加わる。
    「もう吸わないから、ね。ごめんねシュ」
     名前を呼び切る前に、シュウはルカの唇を奪った。彼はそういう社会に生きてきて、情に厚く恩に報いる性格なのは知っている。いや、誰でも恩人を偲ぶことはあるだろう。
    ただ、さっきのその弔いが、ルカを一瞬でも奪われたような気持ちにさせて悔しかった。子供じみた感情だ。胸にちくちくとした棘が刺さるのを感じながら、言葉を紡ぐより早くルカの口を塞いでしまった。

    「……ちょっと苦いね。」
     しばらくルカの腔内を探ってから率直な感想を言う。フラットに言ったつもりだが、いくらか声が震えていたかもしれない。ルカはじっと、僕の目を見つめ返した。
     
    「……でもね、あの人がいなかったら、飛んでたのは多分オレの方だから」
     その言葉に、シュウは目を見開いた。自分の行動に恥じ入り、「違う、ごめん」と謝った。なんて身勝手なんだ。ルカ達を命を賭してまで守ってくれた結末なのに。あまりに身勝手な考えに、もうルカの方を見られなくなり、膝を抱えてうつむいた。
    「言い方は悪いけど、こんなのよくある話だよ。シュウの世界とは違うんだから、気にしないで」
     ルカは「オレもそれが嫌で足を洗ったのもあるしね」なんて、肩をぽんぽんと叩きながら諭してきた。僕の考えなんてどこまでもお見通しだからズルい。逆にルカは、まだ僕の知り得ないものをたくさん抱えている。

     それと……とルカの前置きが入り、漸くシュウは顔を上げた。
    「さっきはベランダから睨みつけてごめん。外が明るいと部屋の中がよく見えないのと…どうしても身体が勝手に構えちゃうんだ。トラウマってやつかな」
     細く息を吐きながらルカが見つめたその両手は小刻みに震えていた。シュウはその手をそっと握り、こつんと互いの額同士をくっつけた。
    「過去に対して僕には何もできないけど、これから怖がらなくていいように一緒に居させて」
     至近距離で、ルカは綺麗なアメジストの瞳にそう宣言された。呪術でも使ってる?と聞きたくなるくらいの引き込まれるような視線に、目が離せなかった。


    ◆◇◆◇

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