目が覚めるとホテルの部屋にいた。2人で寝ても大きいベッドの真ん中に囚われの令嬢のように1人寝かされていたようだ。ゆっくり体を起こしてさっきまで一緒にいたヒソカを探すとキッチンのほうから声が聞こえた。
「起きたんだね♢ コレいれたら行くからちょっと待ってて…」
円でも使っていたのか探し始めたタイミングで声をかけられるのは怖い。でもいることに安心した。置いてどこか行ってしまうような気まぐれな性格してるから。ベッドの端に移動してスリッパを探していると、キッチンのほうからペタペタとその図体には似合わない音を鳴らしてヒソカが来る。視界を足元からヒソカの方へと顔を上げる。そこには両手に飲み物の入ったグラスを持ち、バスローブ姿のヒソカがいた。
目覚める前、私はヒソカの水着姿を見てあまりの視界の暴力に倒れたのだった。そしてこの目の前にいるバスローブ姿のヒソカ。そんなことあるか。着ているにしても私には刺激が強い。頭が、熱くて、意識が、ぐわっと、……。汗が吹き出ていく。口に入っちゃう。液体は口の中に自然に入っていく。鉄の味がする。汗といえど人間から出る水分は大体血液みたいなものだし鉄の味するよ。足に落ちていった液体を見ると赤かった。
「やだ、私……鼻血が……」
「手で拭っちゃダメ♣︎」
サイドテーブルにグラスを置いて私の手首を掴む。その手はいかにも男性を感じるような手で、関節は太く私の手とは比較にならないぐらい大きい。結露したグラスを持っていたせいか少し濡れていて冷たい。火照った体にはいい刺激でビクリと体がはねる。何も言わずゆっくり近付いてくるヒソカの顔。相変わらず鼻が高い。メイクしてないんだ。怖い。かっこいい。これ以上見てられない。ギュッと目を瞑る。鼻の下をベロリと舐められる。鼻血を舐め取られた。混乱しながら目を開けるといつもより目を細めて興奮している様子で舌なめずりをしていた。あぁ、だめ。えろい。色っぽい。好き。おかしくなりそう。溢れてきちゃう。ヒソカに占領されている視界にまただらりと赤が垂れていく。少し驚いた表情を見せたヒソカはもったいないと言わんばかりに垂れる血を舐めていく。
「ン……濃くて甘いね♢興奮しているのかい?♡」
「ぅ…そんなこと言わないで、死んじゃうぅ……」
興奮して出た鼻血をヒソカの舌で舐め取られて甘いとか濃いとか言われて正気ではいられない。あまりの暴力的な快楽に溺れて死んじゃいそう。ヒソカのバスローブを掴む。その手を優しくヒソカの大きい手が包み込みすくい上げるように指を絡める。
「死んだらボクが悲しいからダ・メ♠」
すくいとられた手の甲に唇を2回落とす。そして私の唇に優しいキスの雨を降り注がせ、服に手をかけた。