白と黒真っ暗じゃないと寝られない。そう真っ暗。どこの光の反射もあってはならない。真っ暗じゃないと私は眠れない。真っ黒じゃないと寝られないんだ。部屋の明かりを落とし布団を被る。光を遮る。真っ黒にならないと眠れない。なのに何故、いつの日か、目を閉じても光が入るようになった。何年もしてきたであろうこの行為が無駄になっている。無駄になっていく。あの黒を見たら私は白く感じてしまうのだ。私は白が好き。RGB全部混ぜて白だ。光の白。反射の白。白飛びする白。清廉潔白。感情が入り乱れて分からなくなった時になるのは白だ。私は白だから何色にでもなれるとそう思っていた。だがあの黒は違う。違うんだ。真っ暗にしたのに現れた白。それは彼の事だ。瞳を閉じて君を描くよ。とは歌うがまさにそれだ。瞳を閉じたら彼が見えるのだ。あの黒が。光を反射する黒が見えるんだ。彼は黒ではないのかもしれない。真っ黒であるが真っ白なのかもしれない。私が真っ黒であればあるほど彼は白くなる。だけど逆に私が白であれば白であるほど彼は黒く真っ黒くなる。どうしてだ。目を閉じて眠るだけなのに何故。彼の顔が見えるのだ。私を吸収するあの真っ黒な目が。吸収する。光を反射する黒と先程述べたが本当は黒は吸収する色じゃないか。そんなこともわからず彼は黒の中に白くいる。白の中にも黒くいる。あぁ、どこまで私を白くすれば彼はいなくなるのか。ぎゅっと目を瞑り開くと光があった。彼だ。光は黒かったんだ。私の光。黒い光。私は白。さあ呑み込まれてしまおう。何色にでもなれるのなら彼の色になりたい。私は白。私は白。貴方は黒。貴方は黒。揺らめく長い髪のひとつひとつが光を帯びている。私の光になってください。白の私はそう伝えるんだ。黒の貴方はきっと顔を何色にも変えられずにその言葉を承るんだ。私の白は低い。貴方の黒は高い。対価はその差だ。混ざり合うことも反射することも出来ない。ただふたりそこにいるだけ。白と黒があるだけ。目を閉じれば黒の光が見えてしまう。白の私は眠れない。貴方が見えては私は何色にでもなってしまうのだ。貴方は黒なのに。