夜中のティーパーティー「うわ、びっくりした」
全然驚いてない声と顔で言われる。そう言われてもおかしくない。こんな時間に起きてることはないから驚くだろう。イルミも。私も。
「うん、ちょっと起きちゃって…少ししたら寝るよ」
「そう。で、何しに来たの」
それはもうキッチンにいるのだから何か口に含みに来たのだ。お茶でも飲もうかとぼんやりとお湯を沸かしている。ここでカフェインをとっては眠れなくなると分かっているが、口がその気分だったのだ。
「オレにも1杯頂戴」
珍しい。いつもコーヒーか水なのに。食器棚からもう1つティーカップを取り出す。ほぼ使われることの無い2つセットの片割れ。器の形が気に入って柄も好きだったけど2つセットしかなくてお客さん用という事で納得させて買ったもの。それを毎日ひとりで使っているわけだ。
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