「ハロウィン」お菓子ハロウィンの夜、どちらが先にイタズラをするのかをかけてゲームをしている。
「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」
楽しそうに笑いながら手を叩き、シュウはヴォックスからゆっくりと距離をとっていく。
ふらふらと宙を彷徨う手が声に反応し、その方向へ向いた。
距離を詰めたヴォックスは、シュウの手首を掴み取る。
「ふふ、簡単さ。目を瞑っていても、お前の気配はこんなにも分かるのだから」
掴まれた手をぐっと引き寄せられ、反動でヴォックスの体に倒れ込む。
首に頭を預けるように近づき、装飾具の金具がぶつかり合い小さな金属音がした。
喉の奥で響く笑い声と共に、頭にキスをされる。
「今日の衣装、とても似合っているよ…」
背に回っていた手がコルセットへと移動し、細いくびれを撫でる。
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