次の日、そのだらしない顔を何とかしてと、寧々に呆れられた。「さて、それじゃあ今日も頑張ろうか」
「うう……すまん、類……」
珍しく悲壮感が漂う司くんに苦笑しながらも、手に持った教科書を開く。
背筋を伸ばしてノートに向かう司くんを見て、数日前を思い出した。
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今日からテスト1週間前。
練習も中止になったことだし、家でアイデアを練ろうかと考えていた僕のところに、司くんは泣きそうな顔でやってきた。
「……勉強を、教えてほしい?」
「ああ……。どうしても今回は、類の力を借りたくてな……」
申し訳ない、と頭を下げる司くんの顔をどうにかして上げさせ、詳しい事情を聞いてみた。
そうしたら、なんてことはない。
今回のテスト範囲にある数学の公式を、司くんは理解できていなかったのだ。
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