高い高い、空の下で一
空が高く感じる。暑い夏が過ぎ去って、秋が来たんだなとミランは空を見上げながら思った。
こんな空の高い日にはゲンカクはどの辺りにいるのだろうと、考えることがある。ゲンカクを弔った日、ナナミが言っていた。じいちゃんのお墓はここにあるけれど、きっとじいちゃんは空の上で、わたし達のことを見守りながら空の旅を楽しんでいるんだろうと。本当のところはわからない。だが、あの頃はそう思うことで、ミランもナナミも少しだけ前向きになれていた。ナナミはいつも、そうやってミランに光を与えてくれる。今日のような日は、ゲンカクもいつもよりも高いところにいるのだろうか。
そんなことを考えながら、空を見上げながら歩いているミランの耳に、流れ込んできたものがあった。これは。
13088