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    よるのなか

    二次創作文字書き。HRH🍣右、🍃右中心。

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    よるのなか

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    キスブラ
    キスブラワンドロワンライお題
    「パンケーキ」お借りしました。キッズスペースのスト内容を少しだけ含む&ちょっとキさんに対する幻覚が強めかもしれない

    #キスブラ
    kissBra

    パンケーキ バスルームを出たブラッドは、リビングのソファでスマートフォンの画面を見ながら唸っているキースを見つけた。何をしているのだろう、と不思議に思い、背後から画面が見えるようにそっと忍び寄る。明日は二人揃っての休暇であり、今日の夜からキースの家で過ごす予定になっていた。普段ならばブラッドがシャワーを浴びている間は一足先にビールを飲んでいる男が、珍しい。キースに気付かれずに近付くことに成功し、画面を見ると。
    「何だ? パンケーキか?」
    「ぅわ、ブラッド……! 何だよお前、気配消して忍び寄るないきなり声かけるなって」
     画面に映っていた写真が意外に思え、つい声に出してしまった。結果、キースを驚かせる結果となり、ブラッドはすまない、と一言告げた上で続ける。
    「お前がらしくないことをしていると思ったら、更にらしくない画面を見ていたからな、つい」
    「あ〜、まぁ、そうかもしれねぇけどさ……」
     キースが、ブラッドによく見えるように画面を向けた。ブラッドは、その画面に僅かに顔を近付けて表示を詳しく見る。今表示されているのは小ぶりのパンケーキの写真と、その作り方のようだ。
    「作るのか?」
    「多分な……この間キッズスペースで、マリオンとガキどもがパンケーキの話で盛り上がっててさ。最終的に『キースオジサンのパンケーキが食べたい』の大合唱だよ」
    「成程」
     パンケーキはマリオンの好物だ。マリオンからパンケーキの話を聞いているうちに、キースの作ったパンケーキが食べたくなったのだろう。キースの作る菓子は、子供達の楽しみの一つになっているという報告を、ブラッドも受けていた。
    「大人気だな、キースオジサン」
    「お前までその呼び方やめてくれ〜」
     キースはそうブラッドに返し肩を竦めると、もう少しだけ、とまた画面に目を戻す。作るならばクッキーと同様、アレルゲンフリーなど全ての子供達が安全に食べられるように材料を熟考しなければならない。今はそれを考えている最中なのだろう。ブラッドはキースの隣に座り、その様子を眺めた。
     随分と、前向きになったものだと思う。
     最初にキッズスペースでの仕事を任された時は、子供達とは距離を取っていたと聞いている。それは勿論本人の性格もあるのだろうが、キース自身の生い立ちも多少関係していたのではないかとブラッドは思っていた。幼い頃のキースの生活については本人から聞いているだけであり、実際に見てきたわけではないブラッドが断定することはできないが、心を傾けてくれるような大人が周囲にいなかっただろうことは想像がつく。だから、わからなかったのだろう。多数の子供達との接し方、遊び方が。自分の記憶にないことを実践しようとするのは、難しい部分もある。
     それが今や、『キースオジサン』と子供達に慕われて。キースも彼なりに寄ってくる子供達の相手ができているという。元々キースは情が厚く、一度懐に入れた存在は大切にする。自分を慕ってくれる子供達を受け入れ相手をしているうちに、子供達との触れ合いも慣れ、大切に思うようになったのではないか。この時間でも子供達のために作るパンケーキについて真剣に考えていることが、その証拠に思える。
     昔はあらゆることに後ろ向きだったキースが前向きに物事を進めている姿を見るのは、嬉しいものだ。ブラッドは、口元を緩め、柔らかい視線でキースを見続けた。
     その一方で、頭の片隅では仕事で良かった、とも思う。もしこれが完全にプライベートで、他の誰かのために作り方を考えているのだとしたら。例えその相手が誰でも、少し面白くないと考えてしまう気がする。だから。
    「キース」
     ブラッドの呼びかけに、キースが振り向く。その瞳が自分を捉えたことに満足したブラッドは、キースの唇に自らのそれで軽く触れ、それからこう言った。
     試作するなら味見を手伝う、と。
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    ☺☺☺❤❤💖👏👏👏💞
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    よるのなか

    DONE幻想水滸伝webオンリーイベント「星の祝祭Ⅵ」のWEBアンソロ企画参加作品です。
    キャラ「2主人公とジョウイ」で、お題「緑」お借りしました(CPなし)
    ミューズ和議決裂後のどこか(設定はふわふわ適当)で、偶然二人だけで会うことになる2主とジョウイの話。
    ハーンとゲンカクも戦時中に酒を酌み交わしていたらしいし、二人にもそんな時があればいいのに、と想像した結果です。
    2主人公の名前→ミラン
     時折、一人になりたくなる時がある。城から出て、誰にも会わずに、ただ一人でぼうっと自然を眺める時間。勿論長時間そんなことをするわけにはいかないので、ごく短い間だけれど。そんな衝動に駆られた時は、ミランはこっそりビッキーを訪ねてどこかに飛ばしてもらい、一人の時間を過ごした後で鏡を使って戻っていた。
     今日も、そのつもりだったのだ。飛んだ先で、思わぬ人物に会うまでは。
    「やっばり、今の時期は緑が綺麗だと思ったんだよな。うん、ここにして良かった」
     そう呟いて、ミランは両の手を天に伸ばし一つ深呼吸をした。澄んだ空気と青々とした空の下で、鮮やかな緑が生い茂っている。乾いた風に揺られて緑が揺れる、その合間からきらきらと漏れる光が綺麗だ。人気のない山の中腹。少し歩けば、故郷が見えてくる。幼い頃冒険と称して、ナナミやジョウイと何度か訪れた場所だった。今日はどこで過ごそうか、そう考えていた時にふと頭の中に浮かんだのが、この場所だった。昔、ちょうどこの時期にも訪れたことがあり、その時に木々の緑がとても美しく感じたのを思い出したのだ。本来ならば今は訪れることは叶わない地であるが、こんな山奥に兵を置く程の余裕はハイランドにもないはずであり、ビッキーの転移魔法と鏡の力で、ほんの僅かな時間ならば滞在は可能だろうと判断して今に至る。勿論これが仲間に知られれば大目玉を食らうことは確実なため、こっそりと。
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    よるのなか

    MOURNINGキスブラ。酔っぱらって暴君極まりないブさんです。ブさんが大分いけいけどんどんおかしなことになってます、すみません…キさんを暴君振りで振り回すブさんが急に書きたくなりまして。
    書いててとても楽しかった。
    割増暴君『三十分後、お前の家』
     受信したメッセージには、それだけが表示されていた。理由も状況もさっぱりわからねぇが、とりあえず三十分後に家にいろ、ということだけはわかったから、ディノにそれを告げてオレは自宅へ足を向ける。ちょうどパトロールが終わったところだから三十分後に着けるけど、これタワーで受け取ってたら三十分後に着けるかなんてわからねぇぞ、とそこまで考えて、いや、パトロール中だとわかっていたんだな、と思い直した。あの男のことだ、それくらい把握済みで送った指示なんだろう。
     ぴったり時間通りに着くと、既にブラッドは玄関先に立っていた。
    「……来たか」
     そう言って、オレをじっと睨んでくる。来るなり睨まれても、とオレは思わず後退りしそうになって、それからよくブラッドを観察した。どうも、目が据わっているように見える。なのにどこか覇気がなくて、それから目元や首筋、頬など全体的に妙に赤いような。
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    佳芙司(kafukafuji)

    MOURNING前にピクシブに投稿してたやつ
    Like a bolt from the blue.(HeriosR/キース×ブラッド)

    「とにかく聞いてくれ、俺は昨日お前等と飲んで、リリーが帰った後にジェイと二軒目に行ったんだ、其処でもしたたか飲んじまって、まぁその時は後悔してなかったんだけど、会計済ませた後になってから段々吐き気を催す方向に酔いが回っちまったんだ、何度も泥酔の修羅場を潜り抜けてきた俺も流石にヤバいなと思って意識がある内にブラッドに連絡したんだ、俺はその時リニアの駅前のベンチにいたから大体の場所と、あとマジヤバい水飲みたいって事も伝えた、ちゃんと伝わってたのかどうか不安だったけどとにかくもう何とかしてくれーって気持ちだった、意識飛びそうなくらい眠気もあったけど、スられちゃ困ると思ってスマホと財布を握り締めて俺は大人しく待ってた訳だよ、そしたら着信があってさ、出たらブラッドなの、アイツなんて言ったと思う? 『項垂れてだらしなくベンチに座っているお前を見つけた。今そっちに向かう』って言ってさ、だらしなくって余計な事言いやがって、こっちはもう気分は最悪だってのによ、んで正面見たらさ、いたんだよ、真っ直ぐこっち見て、人混みの中を颯爽と歩いてくるブラッドがさ……なんかもう、今お前が歩いてるのはレッドカーペットの上ですか? ってな具合に迷いなくこっち来んの、しかも上手い具合に人の波も捌けててさ、もう何がなんだか分かんねーんだけど、目が離せなくて、ぼーっとしてる間にブラッドは俺の近くに来て、またアイツなんて言ったと思う? 『待たせたな』とかクッソ気障な事言いやがったんだよ笑いながら、いや待ってたけど、待ちかねてたけどさぁ、その確信を持った態度は何? って、唖然としちゃうってもんだよ、しかもこっちが何も言わないでいたら一言も言えないくらい体調が悪いのかって勘違いしたのかどうかは知らねーけど、わざわざ近寄って『立てるか?』とか訊いてくるし、いや立てるからって思って立ち上がろうとしたらさ、情けねーけど腰抜かしてたみたいで、よろけちまったんだよ、でもアイツは平然とこっちの腕引いて、オマケにアイツ、腰まで抱いて支えてきてさ、もう大混乱だよ明日雹でも降るんじゃねーのって思った、この天変地異の前触れを予感して困惑する俺を尻目にアイツは『手のかかる奴だな』とか笑いやがってさぁ」
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