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    よるのなか

    二次創作文字書き。HRH🍣右、🍃右中心。

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    よるのなか

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    ほんのりウィルガス未満。品格チェックを観る幼馴染三人+ガ。
    この子達が揃ってテレビで見守ってたら可愛いなぁと思いまして。
    正月イベの展開にがっつり触れてますのでご注意ください。

    #ウィルガス
    wilgus

    視聴者「ウィル、早くこっち来いよ、始まっちまうぞ!」
    「わかってるよ、ちょっと待って」
     急かすアキラに返事を返すと、俺はトレーに4人分のお茶を載せて、リビングのソファに戻った。
    「これ、レンの分」
     そう言ってレンの前にお茶を置くと、レンは頷いてはくれたものの、渋い顔を作ってため息をつく。
    「何で俺まで……」
     それに答えたのはアキラではなかった。
    「いいだろ、折角の俺達のメンターの晴れ舞台なんだしさ、皆で観ようぜ」
     アドラーが笑顔で座っている。一応お客様だからと俺も渋々この男の前にお茶を置くと、アドラーは一瞬驚いた表情を見せた後、笑顔でありがとな、と返してきた。別にお前は来なくても良かったんだけどと内心思うが、そもそもアキラとアドラーで一緒に観ようという話になって、結果レンも連れてきてくれたのだから文句は言えない。
     テレビ画面の向こうでは、ブラッドさん達が既に入場を終えてコメントしていた。どちらが『一流品』かを当てる番組らしくて、俺達第13期のメンターである【メジャーヒーロー】4人も出ることになったんだ。
    「お、二人一組みてぇだな」
    「ジェイとキースか。まぁジェイなら楽勝だろ!」
     アドラーとアキラがレンを挟んで盛り上がっている。俺も自分のお茶を持って座ろうとしたんだけど、ソファを見て少し固まった。
     ――アドラーの隣しか空いていない。
     テレビを観るには、そこに座るしかない。ここで場所を変えてくれなんて言えないし、仕方無しに俺はアドラーの隣に座った。普段、側に寄らない人間の直ぐ側に座るのは、少し居心地が悪いというか。
     でも、そう思っていたのは最初だけだった。直ぐに番組に集中してしまったからだ。集中というよりも。
    「おいおい、ジェイ大丈夫か…?」
     アドラーが心配そうに言う。確かに俺達の予想に反して、ジェイさんは不正解が続いていて。心配になってきてしまった。
    「…だが、キースが意外と正解しているみたいだから、最下位は免れそうだな」
     レンが冷静に言う。レンの言う通りではあるんだけど、ジェイさんは大丈夫かな。ブラッドさんとヴィクターさんの組は全問正解中で凄いと思う。
     そのうちに、最終問題になった。子供のお菓子に関する問題。
    「…これなら、ジェイ行けねぇかな。息子がいるだろ」
    「そう、だな…」
     これまでの展開でも、ジェイさんの親しみやすさがわかって悪くはなかったけど、やっぱり正解する姿も見たいよな、と手に汗を握ってしまう。
    「お、でも今回全員同じ部屋だぞ、もしかして!」
     アキラが興奮気味に言った後でぴたりと黙る。正解発表の瞬間、俺達は一言も話さないまま、その時を待った。

     そして。

    「いよっしゃあ!ジェイ正解!!」
     アキラが飛び上がる。ブラッドさん達もジェイさんのお陰だって言っていて、見ている俺もすごく嬉しくなった。
    「やったな!」
    「あぁ!」
     隣から嬉しそうな声で話かけられて、俺もより嬉しくなって、思わず二人でハイタッチを交わした。

     ――アドラーと。

     ハイタッチを終えて互いの顔を見合わせて我に返る。嬉しさで我を忘れたとはいえ、何故この男と。
     アドラーも同じだったようで、はっとした後、はは、と気まずそうに力無く笑ってきた。俺も気まずくなって、思わずテレビに向き直る。

     脳裏に焼き付くのは、アドラーの嬉しそうな笑顔。
     何故か、心臓が煩かった。
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    よるのなか

    TRAININGヴィクガスです。ガさんお誕生日おめでとう(遅刻すみません)で何故かヴィクガス(初書きですびっくり)になりました。キャンペーンページでの、ヴィクさん登場時のセリフ見てたらこれが降ってきて吐き出さずにはいられず⋯
    ヴィクガス習作(お誕生日おめでとう) ガストがリビングに入ると、キッチンにいたヴィクターが振り向いた。
    「あぁ、ガストでしたか。ちょうど良かった」
    「俺に用か、ドクター?」
     ぐるりと周囲を見回すが、今はマリオンやレンの気配は感じ取れない。もしかしたら三人の誰かが通りがかったら声をかけようと思ったのかもしれないなと考えながら、ガストはヴィクターの側へ歩み寄った。
    「コーヒーの試飲をお願いしようかと」
    「試飲? 俺でいいのか?」
    「貴方向けにブレンドしようと思っていたものですから」
    「俺に?」
    「マリオンやレンにも考えているので、それは後々二人にも試してもらおうと思っていますよ」
    「へぇ。そういうことなら」
     ひとりひとりに合わせて、コーヒーをブレンドしようと思っていたということだろう。ヴィクターは、サブスタンスや研究への興味深さが目立って見えるが、その実他人のことはよく見ていて、寄り添うこともしてくれる優しさも持っている。チーム全員がそれぞれ飲みやすいコーヒーを用意してみようという試みも、その一環だろう。ドクターのこういうところが好きなんだよなと、ガストは嬉しくなりながら、素直に頷いた。
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    よるのなか

    DONE幻想水滸伝webオンリーイベント「星の祝祭Ⅵ」のWEBアンソロ企画参加作品です。
    キャラ「2主人公とジョウイ」で、お題「緑」お借りしました(CPなし)
    ミューズ和議決裂後のどこか(設定はふわふわ適当)で、偶然二人だけで会うことになる2主とジョウイの話。
    ハーンとゲンカクも戦時中に酒を酌み交わしていたらしいし、二人にもそんな時があればいいのに、と想像した結果です。
    2主人公の名前→ミラン
     時折、一人になりたくなる時がある。城から出て、誰にも会わずに、ただ一人でぼうっと自然を眺める時間。勿論長時間そんなことをするわけにはいかないので、ごく短い間だけれど。そんな衝動に駆られた時は、ミランはこっそりビッキーを訪ねてどこかに飛ばしてもらい、一人の時間を過ごした後で鏡を使って戻っていた。
     今日も、そのつもりだったのだ。飛んだ先で、思わぬ人物に会うまでは。
    「やっばり、今の時期は緑が綺麗だと思ったんだよな。うん、ここにして良かった」
     そう呟いて、ミランは両の手を天に伸ばし一つ深呼吸をした。澄んだ空気と青々とした空の下で、鮮やかな緑が生い茂っている。乾いた風に揺られて緑が揺れる、その合間からきらきらと漏れる光が綺麗だ。人気のない山の中腹。少し歩けば、故郷が見えてくる。幼い頃冒険と称して、ナナミやジョウイと何度か訪れた場所だった。今日はどこで過ごそうか、そう考えていた時にふと頭の中に浮かんだのが、この場所だった。昔、ちょうどこの時期にも訪れたことがあり、その時に木々の緑がとても美しく感じたのを思い出したのだ。本来ならば今は訪れることは叶わない地であるが、こんな山奥に兵を置く程の余裕はハイランドにもないはずであり、ビッキーの転移魔法と鏡の力で、ほんの僅かな時間ならば滞在は可能だろうと判断して今に至る。勿論これが仲間に知られれば大目玉を食らうことは確実なため、こっそりと。
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