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    ゆうら

    @08yurayuratti22

    主に鯉鶴・うさかど・菊トニ・尾白が好きですが
    かなり雑食
    色々書けていけたらいいな~
    どうぞよろしくです!

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    ゆうら

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    博物館のひと(ホワイトデー番外編です)
    学生宇くんと学芸員門さんのホワイトデー話
    (ちょっと門さん弄くられてます)
    宇視点で書くのは初めてになります
    1日でザーッと書いたので適宜修正すると思いますが、折角なので上げ

    #うさかど
    houseFrontage

    博物館のひと【ホワイトデー番外編】「ほい…」
    テレビを流し見している時に、ぞんざいに渡されるそれ。
    でもその頬の赤みから、それが照れ隠しだと分かる。
    ほんとに、分かりやすいオジサン。
    「なんですか?」
    あえて聞いてみせれば、視線がこちらに向かないまま、ひとつ咳払いをする。
    「…あー、だから、そのぉ…お、お返し…」
    「お返しですか?何の?」
    ニヤニヤと笑いながら、つんつんとお返しとやらを突く。
    「ああ!もう!ホワイトデーとかいうやつの…あれだよ!」
    もうここまできたら、素直に言えば良いのに。
    まあ、及第点かな。
    オジサンにロマンチックな言い回しなんて、端から期待していない。
    「じゃあ、まあ、貰っときますよ」
    「うん…」
    ぽりぽりと頬を掻く仕草。
    ふにゃっと笑う顔。
    何それ。
    ほんっとに…もう!!
    この場で押し倒してやりたい!
    貰った物をほっとくのもアレなので、ラッピングを解く。
    中からは、色とりどりで少し歪んだ丸い物が、瓶詰めにされて複数入っていた。
    その可愛らしさと門倉さんのギャップに、思わず笑う。
    「ずいぶんとファンシーな包装に……中身はキャンディですか。しかも手作り?」
    「うん…時間なかったんだけど…その、いちおう」
    相づちを打ちながら、胸がモヤモヤする。
    お菓子作りを門倉さんが1人でするわけがない。
    きっと、敬愛するあの方が背後にいる。
    そういう事だ。
    「…鶴見さんと作ったんですか?」
    「……うん」
    その申し訳なさそうな返答にイラつく。
    でも慣れた。
    だからって許容できるわけでもない。
    仕方が無いとはいえ、鶴見さんと門倉さんが親友だなんて、とんでもない世界だと思う。
    でも鶴見さんが幸せそうだから、何も言えない。
    この鬱憤は、目の前のオジサンで晴らさせて貰おう。
    「じゃあ門倉さん。食べさせてくださいよ」
    「へ?…ど、どういうこと?」
    ぽかんとしてる顔。
    鈍い。ほんとそういう所…
    瓶の蓋を開け、中からピンク色の飴を取りだすと、門倉さんの開けっぱなしの口に放り込む。
    「ほら…」
    ちょんちょん、と己の唇を突いてみせれば、流石に気付いたようで、顔が真っ赤に染まる。
    「え!?いや…」
    飴を口に入れたまま、モゴモゴとしている姿は中々そそるが、それが目的ではない。
    キスは何回もしているが、門倉さんからして貰ったことが無い。
    ベタな方法だが、こんな機会はそうそう無いだろう。
    「ほらほら」
    ぐいっと、手を引いて目の前に連れてくる。
    ソファに座る僕の前に、オロオロしながら膝をつく門倉さん。
    「飴、溶けちゃいますよ?」
    ニコニコと笑って見せれば、観念したらしく、両頬を門倉さんのカサカサな手の平が覆った。
    合わさる視線。
    近づく唇。
    だが一向に触れない。
    …このオジサン、妙なところが乙女だよね。
    流石に焦れて、ぺろりと舌で相手の唇を舐めれば、薄らとイチゴの味がする。
    …少しけしかけてみたいと思った。
    上目遣いで笑って見せれば、ムッとしたような表情になる。

    舌を食まれた、途端に相手の腔内に引き込まれる。
    ザラつく舌の表面が上顎を擽り、硬い飴の感触が舌の上に感じた。
    首の後ろを手が撫で擦る。
    舌の上の飴が攫われ、歯に当たって硬い音がした。
    ほとんど溶けて、欠片のようになったそれを、相手の舌に押し付ける。

    甘い。

    今更だけど、イチゴミルク味だったんだな、なんてボンヤリ思う。
    片手で瓶の中の飴を摘まむ。
    「っん…はぁ…積極的ですね?」
    「…お前のせいだろ」
    ギラギラした目に、思わず笑う。

    良かった。
    僕に対して、そんな顔できるんですね。
    まぁ、でも…

    色なんて見ずに、自分の腔内に放り込んだ甘い塊。
    奥歯で噛みしめて粉々にしてから、門倉さんをソファに引き倒す。
    「ちょっ…と…!!」
    先ほどの雄の顔は何処へやら。
    すっかり何時もの狸に戻る。
    「…お返しです」
    薄く開いた唇を割れば、その舌を絡めて吸い付く。
    ザラザラの飴の残骸を、その舌の上に乗せて、擦り込むように擦ってやれば、分かりやすく身体が震えた。
    ほんとうにかわいい、このオジサン。
    僕の与える快感に従順で素直で。
    お互いの唾液が口の端から溢れる。
    飲み込めばイチゴとレモンの、何も言えない甘さが喉を焼いた。
    門倉さんの着ていたニットをシャツごと捲り上げ、その柔らかい腹に手を乗せる。
    優しく揉んで、そのまま胸の方に向かったところで、やっと異変に気づいたらしい。
    「…ん…ちょっと……馬鹿、やめろ…!!」
    「ヤです、止まりません」
    指先に感じる突起は、既に硬く起ち上がってある。
    キスだけでこうなるように仕上げた身体。
    堪らない。
    押し潰して擦ってやれば、びくっと身体が震える。
    「ウフ、かわいい。気持ちいいですか?」
    「っ…ぁ…」
    真っ赤に染まる首筋に唇を落とし、強く吸ってやれば直ぐにつく紅い痕。
    「おいっ…んなとこに…つけんなっ」
    「大丈夫ですよ。ギリギリ襟で隠れますって」
    …たぶん。
    別に見えたって構わないだろう。
    只でさえ無自覚タラシオジサンだ。
    これで変な虫が追い払えるなら、それはそれでいい。
    「ま、まてって!」
    「そのお願い、聞いてあげたら何かしてくれるんですか?」
    そう言いながら、服を捲り上げようとしている手を、門倉さんの手が押さえつけた。
    「その…今日は…約束があるから」

    キレなかった僕を褒めて欲しい。

    この状況で寸止めくらうのは、大体あの御方関係に違いなかった。
    だから踏み止まれたのだ。
    でもイラつくので、その肉付きの良い腹を引っぱたいた。
    「いてっ!何すんだよぉ!」
    涙目になる門倉さん。
    そんなに強く叩いてないけど…
    「オジサンって、脆いですね」
    「それがオジサンなの!!」
    その泣き顔見てると、ムラっとする。
    もう一発、と手を上に上げた所で、門倉さんが口を開いた。

    「今日!お前も行くだろ?!」

    「は?」
    何の事?
    僕に今夜、門倉さんに会う以外に予定なんてあったか?
    「ちょっとよく分かんないんですけど?」
    「今夜は予定開けてくれってお願いしたよね?」
    「ええ、ですから今日ヤらせてくれるのかなーって」
    門倉さんは真っ赤になって首を左右に振った。
    「違う違う!出かけるの!今夜!」
    「はぁ?どこにですか?」

    「鶴見んち…」

    予想外の言葉に呆気に取られる。
    え?
    鶴見さんのお家?
    「その…、何だかんだ俺、季節のイベントの度に鶴見と遊ん…いや、予定いれるだろ?」
    「そうですね」
    自分の声が1段オクターブ落ちるのが分かる。
    少し怯える門倉さんだが、そのまま話を続けた。
    「で、さすがに何か申し訳ないから、今回はお詫びも込めて、お前が喜びそうなのって、何かな~って思って…それで」
    「まさか、鶴見さんに相談したんじゃないですよね?」
    「してないしてない!たまたま、食事に誘われたから…」
    たまたま、ではないだろう。
    あの鶴見さんが、適当に計画立てるはずがない。
    「折角だし、今年の実習生も呼ばないかって事になったんだ。鶴見から他の学生には声かけてて」
    「僕は?呼ばれてませんけど」
    目を泳がせながら、門倉さんが呟く。
    「宇佐美は…お…俺が、連れてくから、連絡しなくていいって……」
    門倉さんはモジモジしながら、ぽつりと言う。

    「い、いきなり言ったら喜ぶかなって…」

    オジサンのくせにサプライズ?!

    「やっぱ、らしくないよな。俺がこんな事したって嬉しくないだろ?」
    「そんなの…」
    ガッと、門倉さんの肩を摑んで、体を起こさせた。

    「嬉しいに決まってるじゃないですか!!」

    そうと決まれば、うかうかしていられない!
    「時間はいつですか!」
    「え…6時だけど…」
    古い壁掛けの時計を見る。
    「もう2時間切ってるじゃないですか!!」
    「いや、充分間に合うだろ」
    「僕もアナタもこんな格好で行けません!!ほら!着替えてください!!」
    「ええ~…」
    さっさと風呂のスイッチを押し、タンスを開けて服を取りだす。
    この家に服、何着も置いといて良かった~。
    「はい、門倉さんはお風呂入ってくださいね!着替えは用意しときますから!」
    「ええ~…」
    ウキウキする僕の様子に、門倉さんは複雑そうな顔で呟いた。
    「…嬉しそうで何よりだよ」
    「はい!最高です!!」
    はぁ、とため息をつき、風呂場へむかう背中をギュッと抱き締めた。

    「帰ったら、僕からのお返しをあげますからね!」

    どうやらピンときたらしく、再び大きくため息をつく門倉さん。

    「ほどほどにしてくれよ…」

    喉の奥に残る飴の甘さにほくそ笑む。
    最高のお返しをくれたんだから、今日は思いっきり愛してあげます!
    期待しててくださいね、門倉さん!
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