ザクースカ よく晴れた日のお昼前。島崎は食堂へと歩いていた。自室で書き物をしていた島崎の腹の虫が昼前にぐうとなって空腹を訴えた。誰かしらは食堂にいるだろう、息抜きも兼ねて少し早めの食事に向かっていた。
自分以外の足音が聞こえてふと顔をあげると、軽やかなスキップをしながらこちらに向かってくる人がいた。こういうことをしそうな人間は大体、一人に絞られる。
「なんだかいつもより元気だね、司書さん」
「よかった! 島崎先生見つかった! ねえ、島崎先生、なにか気が付きませんか?」
いきなり問われた島崎は司書の姿を上から下を見る。女性に聞かれて最も困る質問と言っても過言ではない。しかし、島崎にとってこの質問は簡単だった。
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