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    四季ちゃん

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    四季ちゃん

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    【リクエスト】
    前回の躁鬱🌸ちゃんとmtyの続きです。

    mtyと躁鬱一年も早く、本物にこだわり🌸ちゃんと見に行った美ら海水族館も京都国立博物館も東京国立博物館へ行ったのもあっという間に思い出になって学年が変わる時期になっていた。学年の最後に修了作品展というのが行われる、有名なファッション雑誌の編集長に生地メーカーの社長が来る。自分のセンスを売り込むにはもってこいの行事だった。勿論コンテスト形式で最優秀賞には賞金も出る。mty達の学年は一人一着デザインワンピースを制作する。
    🌸ちゃんはと言うとデザインコンセプト何だろう?どこ行く?何見る?と今回も躁状態でアグレッシブだなぁとお供するのを楽しみにしていたのにもう二日休んでる。躁状態から鬱状態になったのか!と気が付くとお泊まりセットを引っ掴んで🌸ちゃんの家へ急ぐ。

    ピーンポーン

    「……。」

    ピーンポーン

    二回目のインターホンでバタバタと音を立てて勢いよく扉が開く。前回同様寝癖は付いてるのに隈が酷く襟元がダルダルの長袖を着ているのを見ると鬱状態で間違いない🌸ちゃんが出てきた。

    「よっ、大丈夫か?」
    「mtyくん……」

    ほら入れろと言うとズカズカと🌸ちゃんの家に入る。家に入ると散らばった沢山のデザイン画に乾いた絵の具とパレット。前みたいに血生臭くない。

    「mty何しに来たの?」
    「え?🌸と一週間一緒に休みに来た。」
    「はっ!?!?!」

    前言っただろーと何でもない顔で言うと驚く🌸ちゃん。

    「腕見して。」
    「ん。」
    「おっ切ってねえじゃん。偉いなぁ〜!」

    前回から時間が経って痕は残ってるものの出血していない腕を愛おしげに撫でるmtyに体温が上がる。偉い偉いと長男ならではの褒め上手は一人っ子の🌸ちゃんには麻薬だった。
    mtyはさも当たり前の様にスーパーで買ってきた食材を調理し始め晩御飯を作り始めた。よくよく見ると大きなカバン。

    「えっmty泊まるの!?」
    「一緒に休もうなって言ったろ?」

    固まる🌸ちゃん、いつデザイン画描いてんの?夜とかだと不安になりやすいだろうからと言われてしまえば図星で追い出せない。

    「ほい、召し上がれ。」

    そう言われ見るとミルフィーユ鍋。二日ぶりのまとまな食にお腹が鳴る。

    「お前、カロリーメイトとウィダーインゼリーで食事済ますのやめろ。」

    🌸ちゃんのゴミ箱にはカロリーメイトの空き箱とウィダーインゼリーのゴミしかなかった。mtyには全てバレているようだった。いただきますと言って食べたお鍋は優しい味で胃に染み渡る。
    食べ終わるとデザイン画を描き進める、何通り描いても描いても最優秀賞を取れる気がしない。mtyはというと床に散らばったボツになったデザイン画を拾い上げている。
    今年のコンテストのコンセプトは「myself」日本語で「自分自身」、そうなのだ抽象的すぎて以前のようにどこかへ行ってインスピレーションを受けるという事が出来なかったのだ。
    そこに今ままで🌸ちゃんカラーと言われていた実はリストカットの血を水で薄めて水彩絵の具のように使っていた方法をmtyが禁止している。八方塞がりなのだ。

    「そんな今回のコンセプト難しい?」
    「自分がよく分からないから描けない…」

    自分って何?何が自分?自分が何者なのか考えていると段々身体が溶けてドロドロになってる気がする。もしかしてただの肉塊なのでは?人生特別出来ることが無ければ特別出来ないものも無かった。どこにでも居そうな顔に特別珍しくもないリスカの跡。

    「🌸。」
    「何?」
    「今日はもう無理だって寝よ。」

    いつの間に風呂を済ませたのか机に向かっていた🌸ちゃんの後ろからデザイン画を見る。
    🌸ちゃんと同じシャンプーの香りがするがシャンプーはこんなにも甘い香りだっただろうか?それともmty自身が甘いのか。多分後者だろう。

    「ほら今日は終わり。」

    mtyはそう言うと手を引いてベッドへ誘う。枕元には大量の眠剤に顔を顰めるmty。

    「何?眠れねえの?何この数の眠剤。」
    「ち、違うの買い溜めしてるだけ!鬱状態の時買いに行くのもしんどいから……。」

    はぁーと安心してため息を吐くと今度からはその都度俺が買うから止めろと言うmty。

    「今日は眠剤飲むの?」
    「ん……飲む。」

    そうかと言うと白湯を用意してくれるmty。心臓に悪いから買い溜めは止めてくれと🌸ちゃんにお願いする。
    当たり前のようにmtyもベッドに入ってくる。シングルベッドは二人には狭くてmtyの体温が🌸ちゃんに伝染る。ポカポカして暖かい、兄妹で慣れているのか抵抗がないのかポンポンしてくるmty。

    「なぁ、ちょっと元気になったらさ自分探しの旅に行かね?スケッチブック持ってさ。」

    いつもは全く効かない眠剤が不思議とよく効いてる。mtyの体温のおかげかな?ポンポン叩く優しい手のおかげかな?それとも全部かな?微睡む🌸ちゃんは二日ぶりにまともに夢の中へ旅立って行った。
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    Replies from the creator

    四季ちゃん

    DONE【支援学級の🌸ちゃんとmty先生】
    マロ主!!まだフォロワーに居る!?
    待たせてごめん!mty先生出来たよ!!!
    支援学級の🌸ちゃんとmty先生世界の殆どが健常者で成り立っているなか私は生まれつき足が悪く車椅子生活だった。健常者基準で造られた小学校はエレベーターもなくクラスに入るのだって小さな段差があり自分一人では入ることすら出来ない。
    そんな私は支援学級の生徒だ。支援学級には身体障害者や発達障害者など様々な子がいる。勿論支援学級の生徒は障害も知能もバラバラで一般の授業のように一人の先生に多数の生徒というやり方では通用せず個別指導になっている。私の先生は185cmもあるがっちりしたクマさんのような大柄な男性教師だった。エレベーターがない学校で私をおぶって階段を降りるのにはこの先生が妥当と言ったところだ。私は足が悪い以外は何ら問題なく学年指導通りの内容で勉強している、隣りの子は発達障害者で3年生だが知能の遅れから2年生の内容を頑張っている。隣の子は発達障害者の自閉症が重く良く言えば究極におっとりしており素直で可愛く支援学級の先生は皆とても可愛がっている、手のかかる子ほど可愛いと言う奴だろうか。羨ましいと思ってしまう性格の悪い自分に劣等感を抱く。
    1940

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