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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    お題箱から
    リクエスト「ポテトチップス」
    ※恋人同棲設定でis over後です。
    あちらさんでは呼び方が違うらしくて、どちらの名称で書くか悩んだのですがせっかくなので本場の呼び方で書いてみました。私もこれを書きながらコンビニで買ったポテチをパリパリと摘んで楽しんでいました。美味しいですよねポテチ。何故か急に食べたいスイッチ入るのなんなんでしょうね…素敵なお題ありがとうございました!

    #kbdn
    #キバダン

    美味しい金貨全体的にくすんだ水色とアイボリーで統一されたキッチンの中。シンプルな黒のVネックセーターにデニムパンツを履いたキバナは、いつもとは違い髪をハーフアップにして結び、腰にはジムのマークの入ったカフェエプロン。エプロンは数年前のファン感謝祭で販売したものだがポケットもついていて重宝している物だ。準備ができたらご機嫌にまずは1枚ロトムに撮ってもらってからコンロ前に立つ。ダンデと一緒に暮らし始めたこの家で特にキバナが拘ったキッチン周りは背の高い自分と恋人に合わせて作られている為、首が痛くならないのが大変よろしい。
    キバナが何故、こんな風にキッチンに立っているのかと言えば昨夜まで時間は遡る。


    「クリスプス腹いっぱい食べたい。」

    時刻はもう夜中と言って良い時間だった。お互いベッドの上で本を読んだりSNSのチェックをしたりして、さて寝ようかなんてベッドサイドのライトを消す間際だったこともあり、キバナは面食らってしまった。

    「えっ、今から?」
    「なんか、こう。無性に食べたい。」
    「あーあるよなそういう時。」
    「…。」
    「こらこら。もう今日はどこも店閉まってるよ。」
    無言で起き上がって何処かへ行こうとするダンデの肩をガッツリ掴み、ベッドに引き戻す。

    「いい子に寝たら明日オレさまが作ってやるから。」
    「えっ!君そんなことも出来るのか?」
    「そんな驚くことか?子どもの頃とかよく作ったりしなかった?」
    「うーん。どうだったろう。」
    こてんと首を傾げ、記憶の引き出しを漁っているダンデをそのまま布団の中に引き入れてぎゅっと抱きしめてもう眠るよう促すと、暫く塩味が良いだの、揚げたて食べてみたいだのとゴネていたダンデも分け与えられる体温の心地よさに負け、キバナ共々眠りに着いた。
    そんなことがあっての昼過ぎ。最初はダンデも手伝いたいと申し出ていたが、正直手つきが危な過ぎるので早々にご退場頂いた。芋の皮じゃなくて自分の手をスライスしそうな手つきのダンデを見ているのはキバナの心臓が持たないので。


    大量に薄くスライスされたジャガイモを、氷水をたっぷり入れた大きなボウルに沈める。その間に底の深い鍋へと油を惜しみなく注ぎ、コンロに火を入れる。

    火をかけながら、しっかり冷えたジャガイモ達をキッチンペーパーの上に広げて水気を切る。キバナは油跳ねがあまり好きでは無いのでここは手早くも丹念にやっていく。アイツらめっちゃ熱いし怖い。いかくされてるみたいでこちらの攻撃も下がる気がするし。

    油がぷくぷくと泡を出してきたらいよいよジャガイモを美味しい黄金のコインへと変える時間がやってきた。網杓子に乗せたジャガイモ達を油の海へと滑らすように次々と投入していくと、シュワワっと小気味良い音と共に油とジャガイモから出る何とも言えない香ばしい香りが鼻をくすぐる。網に当たるイモの感触が固くなってきたら油切り用のバッドへと移すベストタイミング。手早く移してまた次のジャガイモ達を油の中へ。数度繰り返すと、バッドの上は沢山の金貨のようなクリスプスがつやりと油を纏いながら山盛りになっていた。冷めないうちに用意していた古新聞の上に置き直し、ミルを捻って上から塩を振りかける。最後に軽く揺すればシャラシャラとチップス同士が擦れる軽やかな音が響く。
    追加で揚げるやつにはスパイスをかけよう。なんて思ってお気に入りの香辛料の入った容器を手に取って、軽く振ってみる。

    「あ、スパイス切れてたんだっけ。パントリーに新しいのあったか?」

    わざと大きめの声で独り言を言うと、背後の気配達が俄かに色めき立つ。コンロの背後にあるキッチンからリビングに繋がる扉は、キバナがジャガイモを美味しい金貨に変え始めた時からコッソリと腕一つ分開いていた。紫にオレンジ、緑に白。カラフルな泥棒達がキバナが工程一つ終える度にこしょこしょ盛り上がり、先程金貨を揺らした時に最高潮の盛り上がりを見せていた。

    その様子を肌で感じながら、キバナは何とか笑いを堪えてキッチン横のパントリーへと足を踏み入れた。

    ガチャンと音を立ててパントリーの扉を閉める。

    途端に弾かれるようにドタバタとした足音がキッチンに響き渡る。

    こら、ひとり一枚ずつだぜ。
    わっ!ここで食べたら音でバレるだろう。バルコニーに行こう。

    よりによって主犯であろう泥棒の声が丸聞こえである。

    こしょこしょとどれが取ってもバレないかなんて相談をし、やがて最初と同じようにドタバタとした足音が遠ざかったかと思えばバルコニーに続くガラス戸を勢いよく動かす音が響いてきた。きっとすぐにウッドデッキの上では宝の山分けが行われることだろう。

    もう出て行っても良いはずだが、キバナは今頃満面の笑みでつまみ食いを楽しんでいるであろう泥棒達の様子を想像してしまい、思わず声をあげて笑いそうになる。

    10年無敗の完全無敵だと言われていた男が、実はどんな子どもでもやったことがあるだろうつまみ食いや、スナック作りを殆どした事がないなんて誰が想像できるだろうか。そうやって穴だらけな子ども時代の記憶を代わりに埋めるように、他の誰でもない自分と自分のパートナー達が新しい思い出を増やしていけるなら、それは幸せな事だ。そうキバナは思っている。

    そんな優越感もあっての笑いは中々治らず、キバナがキッチンから持ってきた「スパイスがたっぷり残っている容器」は、暫く彼が笑いを堪える動きに合わせてサラサラと小気味いい音を立てるのだった。
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    肴飯のポイ箱

    DOODLEワンドロ
    少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。
    ※先天性女体化です。
    心より行動が先にくる1人と、心が来てから一気に行動し始める1人の話
    お題『初恋or意識し始め』
    まずは一手 昼下がりのナックルシティ。ジムリーダーになって一年とちょっと。自分に割り振られた仕事をなんとか回せるようになってきたキバナは、最近になって漸く入ることを許された宝物庫内の書庫に昼休憩はもっぱら入り浸っていた。保存の観点から外に全く出される事のない書庫は、知的好奇心が強いキバナにとっては大分豪華なオモチャ箱のようなものだった。
    「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
     少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
     ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
    2021

    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「駆け引き•取り引き」
    立ち止まって周りを見たら不安になってしまった1人と、立ち止まった先でずっと待っていた1人の話。
    ※イズオーバー後同棲設定
    すっごい…難産でした…でも楽しかった!
    よーいどん すっかりと夜の帳が下りたナックルシティの片隅。夕食もシャワーも終わらせたキバナは、リビングでのんびりと読書をしながら膝に顎を乗せてくるフライゴンの頭を撫でて存分にリラックスモードだった。間接照明によって柔らかい明るさに包まれた部屋の中では、他のポケモン達ものんびりと寛いでおり平和の一言だ。ただ、少し引っかかる事があるとすれば同棲している恋人の様子が変だったこと。仕事から帰って来たと思えば夕飯もそこそこに共有してる書斎に引き篭もってしまった。
     まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
    「…ふりゃ」
     撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
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