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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    お題「寒がりor温まる」
    ⏳1h+15
    少年期の2人。無自覚な2人に、何かが芽吹く時の話。副題kbさんへの無垢な流れ弾がぶち当たる話。

    #キバダン
    #kbdnワンドロ
    kbdnOne-dropping
    #kbdn

    ぽっかぽか ダンデが王冠を被り、真紅のマントを纏って過ごす2年目。雪がチラつくことも増え始めた時期に今年のジムチャレンジも無事終わり、ポケモンバトルのお祭り騒ぎが少しずつ、年を越すための騒ぎへと緩やかに変化していく中で、シュートスタジアムの一角では、来年度用のリーグカードの撮影が行われていた。
     スタジアムの端の方に設置された簡易テントとテーブルで作られた休憩スペースには、大型のヒーターが設置され、ドリンクや菓子類も揃えられており、パイプ椅子には暖かそうなブランケットも掛けられていて、待ち時間を少しでも快適にというスタッフの心遣いが感じられる。その簡易テントの横で、ヒーターに両手を当てながら暖を取っているキバナへと、足音を忍ばせながらゆっくりと近寄ってきたダンデが、勢い良くフードと背中の隙間に両手を突っ込んでくる。
    「隙ありだぜ!」
    「うおっ!…びっくりするからやめろよそれ」
    「嫌だぜ!キミのここ、凄いあったかいんだ」
    「オレさまは、なんか背中がムズムズするから苦手なんだよな…」
     苦手だと言いつつ、体を捻って離れたりはしないライバルの優しさに顔を綻ばせてダンデはそのまま背中へと懐いて頬擦りまでする。暫くはその温かさに静かに目を細めていたが、やがて思い付いたようにパッと顔を上げる。
    「じゃあ、その代わりに後で一緒にオレのマントの中に入るか?これ夏は暑いけど、冬はまあまあ温かいんだぜ?」
    「それこそやだ!そのマントは来年こそお前からひっぺがしてオレさまが羽織るんだからな!」
    「ははっ!楽しみに待ってるぜ!」
    「このやろう…ていうか、温まりたいならさ…よっと」
     キバナは思いついたというようにくるり、と体を反転させてダンデと目を合わせる。急に動かれたダンデは両手を前に出した姿勢のまま、ポカンとキバナを見上げるばかりだ。
    「…?手が寒いぜ?」
     急に空に放り出された両手をそのままに、そんな風に顔面に疑問と寂しさを貼り付けたダンデの表情が、遊びを急に切り上げられたフライゴンに似ていて、キバナは内心笑いを堪えながら謝った。
    「ごめんって。ほら、こっちに入れなよ」
     キバナは、そのままダンデの両の手を掬い取るようにして、自分のパーカーのポケットへと突っ込む。ついでに自分の両手もダンデの手を握ったまま暖を取る。
    「あったけー!お前の手、凄いあったかいな。オレさまがあっためる必要ある?」
    「あるぜ!キミで暖を取ると、なんだか普通より体がポカポカするんだ。今もそうだぜ…あれ?キミ、手が冷たいんだな?」
    「そうなんだよ。だから、実はあんまり寒いの苦手」
    「じゃあ、これからは寒い時こうやってお互いに温まろうぜ」
    「オレさま、手が冷たいからあんまり意味なく無い?」
    「意味はあるぜ!…なぁキバナ!いいだろ?」
     パチリっと若干下から見上げてくる琥珀色と目が合って、何故だかキバナは心の中がポカポカすると同時にザワザワするような、むず痒いような気持ちになる。気付けば、その琥珀色を勢いに負けて首をこっくりと縦に振っていた。
    「へへっ約束だぜ!」
     今まで感じた事がないその感情にキバナは首を傾げるが、目の前のダンデが嬉しそうに破顔するのを見て、まあいっかと横に流す。
    「確かにこうすると、お前の顔も見えるし話しやすいな。それに、ポカポカするっていうのも分かる気がする…なんだろなこれ?」
    「だろ?なんだろうな?」
    「なー?後で、カブさんに聞きに行ってみようぜ!」
    「それは良いな!カブさんは物知りだからきっと教えてくれるぜ!」
     そんな話をポツポツしていると、スタッフからの呼び出しがかかる。
    「よし、その前に撮影を終わらせちまおうぜ!」
    「そうだな!」
     何となく手を離すのが勿体無くて、二人で目を合わせて自然とお互いの手を握ったままスタッフのいる所まで駆け出した。重なり合う笑い声が、スニーカーの足音と一緒にスタジアムの芝生の上を弾んでは消えて、また弾む。
     撮影後、スタジアムの端っこで子ども二人の無垢な瞳に見つめられ、腕組みの姿勢のまま固まるカブの姿が見られるまでもう少し。二人の中に芽吹いた新しい気持ちが育つのは、そのもう少し先のことになるのだった。
     
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    肴飯のポイ箱

    DONEREVELЯY2411「COUNT DOWN vol.2」の書き手クイズ企画に提出した作品となります。
    お題「催眠 付き合ってないキダ」
    開催中はドキドキとしながら過ごしておりました!すごく楽しい企画でした☺️✨ありがとうございました!
    夜空、星二つ ガラルにしては気持ちの良い、からりとした青空が朝から広がっている日だった。ブラックナイトに関する諸問題で暫く奔走を余儀なくされていたキバナは、ようやく業務もひと段落し始めた。屋外での作業は晴れの少ないガラルでは何よりも優先したい事柄だ。そんなこともあって、キバナは温かな陽気の中、ナックルジムの中庭で膝と頬を土で汚しながらせっせと植物の剪定に明け暮れていた。元が城ということもあり、一般の人々が立ち入らない場所には未だに当時の面影を残す部分が多い場所だ。キバナが居る中庭もその一つで、ナックルのジムリーダーが代々手入れをしていくことがいつの頃から習わしとなっていると聞いていた。初めてその役割を聞いた時には正直乗り気では無かったキバナだったが、元々好奇心旺盛な方だと自覚していることもあって、やり始めてみればなんだかんだと楽しみを見つけ出し、気付けば少しずつこだわりも持つようにもなってきた。
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    肴飯のポイ箱

    DONE12月オンイベ展示作品その②(新しいお話)
    みんなが寝静まった夜。こっそりひっそり楽しく過ごす不思議な生き物のキバナとダンデのお話
    「🎄ホリデー編🌟」
    ※ポ世界のクリスマス概念が曖昧な為、あえてクリスマスから正月までをホリデーと設定してお話をかいています。細かく考えず緩くお楽しみください🌟👻👻🎄
    それは賑やかな すっかり夜の帳が下り、静まり返ったとある家のキッチン。小綺麗に整頓されたそんな場所を小さな林檎程の大きさの何かが二つ、白い布を頭から被ってチョロチョロと薄暗いキッチンの中を動き回っている。
    「キバナ、息が真っ白だ!寒いなぁ」
    「今日も月が大きいなぁ。でも、流石に今日はみんな寝てるだろ」
     月明かりに照らされたキッチンを、キバナと呼ばれた大きい方がそれよりも少し小さなダンデの手を引きながらずんずん進んでいく。
     少し前にお菓子を貰ったキッチンは、同じように整えられていた。水切り籠にはジュラルドンとリザードンが描かれたカップが逆さまになって雫を落としていた。今日は、それ以外にもカラフルなカップや皿がたくさん並んでおり、いつもは食器棚の一番上で偉そうにしている白地に金の模様が入った大きな皿も、ピカピカに洗われて月の光を反射している。
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    肴飯のポイ箱

    DONEオンイベ開催、アンド素敵企画ありがとうございます!
    この作品は、12.3歳ごろの2人がナックルシティの片隅にあるとある喫茶店を舞台にわちゃわちゃとしていくお話となっています。
    ※両片想いほのぼのです。
    ※ガラル市民がたっくさん出ます。
    ※視点がコロコロ変わるお話です。
    少しでも楽しんでいただければと思います☺️
    とあるナックルの片隅で◆ライラック色の髪をした少年の回想

    「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」
     困った。
    俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
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