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    とのべ

    @ytkntrg
    成人済みの腐ってる社畜
    表に流すの躊躇うやつ用にポイピク使用中
    俺レベという沼に頭から突っ込んでしまったオタク
    俺レベ/旬右中心にイグ旬やSESに狂ってる

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    とのべ

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    紅イグB旬
    妄想全開です

    最後のオチが弱いのでもやっと感がすごいかも

    #イグ旬
    tenDaysOfIgu

    システムの恩恵で到底敵わないと理解していた
    だが、頭の片隅で勝てるのではと慢心もしていた

    そんな甘い考えで挑んだ結果、圧倒的な機動力と力の差に叩きのめされた

    今の俺じゃまだ勝てないー

    殴られた反動で柱に背中から激突する
    衝撃の余波で舞う土埃の隙間から状況を整理する

    赤い騎士ーイグリットは玉座の側で佇んでおり、旬は入口付近まで殴り飛ばされていた

    この距離なら・・・いける

    いくら速いとはいえ、十分な距離である

    エリアボス扱いならば、この部屋から出てしまえばあの騎士は追っては来れない
    扉が開かない可能性もあるが、試さないでここで死ぬなんて御免被りたい

    逃げるのではない、これは戦略的撤退だ

    外に出ても敵はいるが、目前の騎士を相手するよりも遥かに楽である
    そうと決まれば、とインベントリから短剣を取り出し立ち上がる

    先程までの苛烈さはどこに行ったのか短剣を取り出した旬が見えているだろうに
    静観しているイグリットに腹の奥底が沸々と煮えたぎる
    悔しいがここでまた向かっても返り討ちにされるのだ

    次にあったら必ず倒してやる・・・

    ふぅっと大きく息を吐き、今出せる力の限りで短剣を一本、イグリットに向けて投げる
    間をおかずもう一本も追従させるように投げ飛ばし、そのまま入口まで駆け出す

    後方で最初に投げた短剣を弾かれたのか、金属が石畳を滑る音がした
    まだ一本分の余裕がある扉は目前これならいける

    「え、おぉぉわっぁ!?」

    石畳を力強く蹴り跳躍した所を何かに足首を掴まれ、そのまま石畳に叩きつけられた
    顔面からのダイブはなんとか免れたが、一体何が・・・

    今だに掴まれている感触がする足を恐る恐る見やるが、何もない

    「なん、でっ・・・!!!」

    それよりイグリットはーーー!!

    ハッとし、急いでイグリットの姿を探す
    二本目の短剣なんてとっくに弾かれて、追撃されていてもおかしくないのだ

    イグリットは相変わらず玉座の側に佇んでいた
    ただ先程と違うのは左手を前に出し、旬を見ていたことだ

    あの左手はなんだ・・・?

    まるで握手するポーズでこちらを見ているイグリットに混乱はさらに増す
    今更友好なんてありえない
    ならあれはなんだ?

    訝しんでいた時だった

    イグリットの左手がクンっと何かを引く動作をした

    「!?」

    今だに動かせない左足がずりりと引っ張られた

    「おい・・嘘だろ?」

    冗談であってくれと恐る恐る視線を玉座に向けると
    タカリと首を傾げ愉しそうにしているイグリットがいた
    そんなこともできんのかよ!!!!

    「ふざけ・・・!!」

    匍匐で進もうとしても、引き戻される力が強くズルズルと石畳を滑る
    掴めるものも無いためインベントリに戻ってきた短剣を再度取り出し石畳に無理やり刺す
    今だに左足をグイグイを引っ張られる感覚はするが、短剣のおかげでなんとか引き戻されずに済んでいる

    頼むから折れないでくれ・・と悲鳴をあげる短剣に縋るしかない状況でどうするか思案する

    (もう一回短剣を投げて隙を作るか?いや、投げた途端俺も一緒に引っ張られるんじゃ・・)

    そもそもイグリットが自分の足で旬の側まできたら全て終わる・・・
    最悪の結末を予想しザぁっと顔が青ざめる

    その時バコリと短剣が石畳から不自然に抜けた

    えっと声をあげる前に旬の体が宙に浮き、勢いよく後方に飛んだ

    「うぐぅっ!!」

    どたんと思いの外強い力で何かにぶつかりうめく

    体勢を立て直そうと動く前に旬の腹部に赤い両腕が回って抱き止めていた
    赤い腕なんてこの部屋には一人しかいない

    錆びた機械の如くギチギチと後ろを向くと旬の顔を覗くようにイグリットがこちらを見ていた

    「は、はは・・・・どうも」

    引き攣りこわばった顔をする旬に赤い騎士は面白そうに目を細めていた

    どうやってこの状況を打破したのかは、旬本人しか知らない


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