オウィルク日が落ち、空も暗くなった頃、部屋に戻ったルークは落ち着きなく過ごしていた。昼間、司書のオウィに言われた事が頭の中で反芻される。納得の出来る答えなど、分かるはずがない。
(どうする?いっそ寝てしまってやり過ごすか?いや、あの人が見過ごしてくれるとは)
コン、コン
控えめなはずのノックは、ルークの頭を一気に冷めさせた。ああ。彼が、来てしまった。
「いらっしゃるのでしょう?中に入れて頂きたいのですが」
懇願しているはずなのに拒否を許さない響きの言葉に、ルークは抗えずにドアを開ける。ドアの向こうに立っていた男、オウィは楽しげに微笑みながらルークの部屋へと入っていった。
ドアを閉めると、より相手の存在を感じてしまう。重苦しさにどうしたものかと思ったところに、向こうから動いた。
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