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    Rm_yk04

    @Rm_yk04

    きつね!!ドッ

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    Rm_yk04

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    ラーメン屋でうっかり鉢合わせたネとジ

    🍜「……びっくりした。まさかこんなとこで会うなんて」
    「本当にね」

    ジェミニとネーヴェの2人は朝ぶりの再会を果たした。意外な店で。そこは異様な臭いに店全体が包まれている。机や椅子などがてらてらと光っていて、流れる音楽はミスマッチでどこか落ち着かない。客は小太りの中年やサラリーマンなどが目立つ。皆店で提供されるものに夢中になっていた。ネーヴェはそんな様子にソワソワしながらもジェミニの隣に座る。ジェミニは手を止めてネーヴェをじとりと睨めつけた。

    「わざわざとなりに座らないでよ。他にも空いてる席あるでしょ」
    「離れて座る理由もないだろ」
    「僕の機嫌が悪くなる」

    店員がネーヴェに、いや、新たな客に気づき近づいてくる。いらっしゃいませ、という言葉と共にお冷が差し出された。ありがたく受け取りながらネーヴェは机を観察する。箸とちり紙、胡椒にラー油に爪楊枝、あと餃子のタレと水。そう、ここはラーメン屋だった。こってりもこってり、脂マシマシの濃厚な豚骨を取り扱っているラーメン屋だ。そこでジェミニとネーヴェは会った。詳しく言うと先にここにきて昼飯を食べていたジェミニにネーヴェが遭遇した。まったくの偶然である。メニュー表を見ながらネーヴェは何を頼もうか思案した。一通り目を通したあと沢山の紙が貼られた壁を見渡す。壁には『期間限定!濃厚つけ麺』と書かれた紙が貼られていた。

    「ジェミニは何食べてるの?」
    「……食べてる時に話しかけないで」
    「あ、チャーシューメン?」
    「……」

    もっもっと食べているジェミニはネーヴェの言葉に何も答えなかった。音も立てずに、麺を箸で掴みながら口に入れている。ジェミニの机には食器が色々置かれていた。ラーメンとチャーハンはまだ中身が残っている。それ以外は全て空だ。餃子のタレを入れた小皿が置いてあるから、恐らく餃子もあったのだろう。ジェミニは時折スープを飲んで、時折チャーハンを食べていた。見た感じどちらも大盛りなのに、中身が結構減っている。よく食べるなあ、とネーヴェは簡単な感想を抱いた。

    「すみませーん。つけ麺並1つ」
    「…、つけ麺だけって。女子?」
    「うるさいな。ジェミニの量が異常なだけだろ」
    「DDならこのくらい普通じゃない?」
    「ラーメン大盛りとチャーハン大盛りと餃子が普通?ついに常識までわからなくなったんだ」
    「君の頭を今すぐ殴れば君の方がとち狂ってることになるかな」
    「おかしいのは認めるんだね」
    「黙ってラーメンが届くのを待ってなよ」

    料理が届くまで、ネーヴェはジェミニの食べる姿を眺めていた。麺が音もなくジェミニの口に吸い込まれていく。たまにカチャ、と食器と食器が当たる音がするだけで、その食事はとても静かなものだった。作法など知りもしないが、見ていて不快さなど全く与えない、むしろ美しささえ覚えるような光景だ。こうゆうところで行儀の良さが窺えるから、ジェミニという人物がわからなくなる。ネーヴェがそんなことを考えながら見ていれば、ジェミニはコップに入っていた水を一気に飲み干した。机に置いてあるピッチャーを手に取りコップに水を並々注ぐ。残っていたチャーハンを食べてからジェミニは店員に声をかけた。

    「替え玉1つ。硬麺で」
    「かしこまりました〜」
    「……ほんとによく食べるなあ。何回目?」
    「まだ1回目」

    ジェミニの替え玉が来る前にネーヴェのつけ麺が届いた。宣言通りの濃厚なスープに太麺。トッピングはメンマに玉子にチャーシューにネギと一般的なものだ。箸を1膳とってネーヴェは手を合わせた。麺をスープに絡めて啜る。音を立てたらジェミニにとても嫌な顔をされたので、食べ方を変えた。改めて麺を口に入れる。スープと麺がよく合う。麺のもちもちとスープの絡みがたまらない。豚骨ベースだが僅かに魚介の味もした。かつおダシを混ぜていたりするのだろうか。そのお陰で、濃厚ではあるがさっぱりとした感覚を覚える。とにかく美味い。夢中になって食べていると女性店員の高い声が隣で響いた。どうやらジェミニの替え玉が届いたらしい。替え玉が届いた瞬間ジェミニは食べるのを再開した。食べるのが苦しいだとかそうゆう様子は一切見られない。ペースすら落ちない。細い体のどこに入っているのだか。

    「まい」
    「む、……食べながら話さないでもらっていいかな」
    「感想くらい言わせて」
    「なら席移動してくれない?」

    小言を投げ合いながら2人は麺を食べ進めていった。といってもほとんど会話は交わしていない。店に清潔感があるかと言われればノーと言いそうになる店だが、味は確かだ。食べる度に味が深くなっていく。

    「替え玉硬麺。あと餃子」
    「かしこまりました〜」
    「まだ食べるんだ。大丈夫?お金足りる?」
    「考え無しの暴食バカじゃないから」

    暑くなったのかジェミニは袖を捲った。そろりとジェミニから目を逸らして、ネーヴェは食べるのを再開する。2回目の替え玉が届く頃には、ネーヴェの食べていたつけ麺はもうほとんどなかった。麺と具材をレンゲに乗せて口に放る。最後の一口はよく噛んでから飲み込んだ。

    「ご馳走様でした」
    「……え、本当にそれだけ?足りるの?」
    「うん。もうお腹いっぱい。…心配なら餃子分けてくれてもいいよ?」
    「絶対いや」

    ちり紙で口を拭いてからネーヴェはスマホを取り出した。現在12:50。今から大学に行けば3限目までの時間が余る。早めに行って女子に絡まれでもしたら面倒だ。そう思ってネーヴェはもう少しだけここにいることを選択した。ジェミニの食べっぷりを見てみたいというのもちょっとある。

    「お待たせしました〜!替え玉と餃子になりま〜す」
    「食べ終わったならさっさと帰りなよ王子サマ」
    「その呼び方ホントにやめて」

    女子たちからの呼び方をされてネーヴェは鳥肌が立った。大学の女子たちは、ネーヴェに直接的なアタックはしかけずに陰でネーヴェのことを王子様と呼び慕っている。それが何より嫌だった。なにせその子達はネーヴェを陰から見ているだけなのだから。誰がそう呼んでいるのかネーヴェは知らない。興味も無い。自分から探す気もない。嫌ではあるけど自分から動く気は無い。結果放置している。それを知っているからジェミニはネーヴェをそう呼んだ。不満を隠そうともしないネーヴェを見てジェミニは微かに笑う。目を逸らしてからネーヴェは水を飲んだ。

    「君、今日三限あるでしょ。僕のこと待ってたら間に合わないよ?」
    「まだ余裕あるからここで時間潰してるだけなんだけど。あ、アイスある。すみませーんアイス1つ」

    注文してからすぐにアイスは来た。アイスをちまちまと食べるネーヴェの隣でジェミニが餃子を頬張る。麺を食べて、合間に餃子を口に入れて、をジェミニは繰り返していた。みるみるうちに麺と餃子が減っていく。さて何分で食べきったのだろうか。ネーヴェが再びスマホを取り出して時刻を見た。13:02。約10分で完食とは恐れ入る。何となく心の中で拍手をしておいた。しっかり拍手をしてからネーヴェは席を立った。もうそろそろ大学へ向かわないと間に合わない。伝票を手に持ち会計へ向かう。ジェミニは口を軽く拭いてからネーヴェの後に続いた。ネーヴェの1000円が払われてから、ジェミニの2800円が払われる。店員から飴を受け取って2人は店を出た。ネーヴェは大学の方向へ、ジェミニは大学から離れた方向へ体を向ける。

    「……もしかしてハシゴ?」
    「うん。三限入ってないし、まだ食べ足りないからね」
    「ほんとによく食べるなあ…」

    軽く手を振ってから2人は別れる。四限目にばったり顔を合わせることになるが、それは今の2人が知ったことではない。とりあえず目的の場所に向かおうと2人は別々の方向へ歩き始めた。
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    Rm_yk04

    DONE捏造しかない
    1.ポム寮に選ばれたア嬢
    2.薬の取引をする狐
    3.ジが何の人魚なのか話すみんな
    4.先生に怒られるみんな
    5.飛行術下手くそジと天才璃
    6.寮長について話すみんなと気が気じゃないモブ
    いつめんツイステパロ「ポムフィオーレ寮!」

    高らかに宣言した闇の鏡の判定に、思わず口を開けたまま呆然としてしまった。ポムフィオーレ寮。美しい人々が集まる寮。そんな綺麗で豪華な寮に、こんなみすぼらしい私が?闇の鏡に判定の取り消しを頼もうとしても、この学校では闇の鏡の判定が全て。今この場で転寮を請うことなど出来なかった。渋々ポムフィオーレ寮に選ばれた人たちの並ぶ最後列につく。前に並ぶのはやっぱり綺麗な人ばかり。闇の鏡は私の事なんてもはや興味がなくて、新入生の判定を次々に行っている。どうして私はここに選ばれたのだろう。そもそもどうして私はこのナイトレイブンカレッジに選ばれたのだろう。私にはこの学校に入る資格も、ポムフィオーレ寮に入る資格もないはずなのに。ぐるぐると思考が回っているうちに入学式は終わってしまって、それぞれが選ばれた寮に向かうことになった。私に与えられた部屋は十分な広さのある2人部屋だった。同室のパートナーによろしくねと挨拶だけして、荷物を片付ける。入寮式が終わったら寮長に転寮願いを出そう。どこにいくかは決めていないけれど、とにかくここは似合わない。
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    Rm_yk04

    DONE久しぶりの🔩
    ネに監禁されるジ
    解釈違いしかない
    ストックホルムの中心地目を開けると、薄暗い天井が映し出される。ああ、やっぱりかと最近見慣れた景色にうんざりした。起き上がるとじゃらりと鎖の音がして、それが更に不快にさせる。首にかけられた頑丈で重い首輪が外れる気配はない。盛大なため息をついてベッドから降りた。外へと続く扉をノックすると、ピッという音の後に扉が開かれる。随分と重たそうな扉を開いて出てきたのは、見たくもない男の顔だった。

    「おはようジェミニ」
    「うっさい。さっさとここから出せ」

    僕をここに閉じ込めた男は、相も変わらず濁った瞳で笑うだけだった。

    ___

    朝目が覚めたら知らない部屋に閉じ込められていて、おまけに鎖付きの首輪まで付けられていた。監禁されたのかとどこか冷静な頭は判断していて、そしてその判断はまったく間違っていなかった。鎖付きの首輪は特注なのかと疑うくらい質の高いもので、恐らく元素を封じ込める技術が使われているものだ。さっきから何度も元素を使おうと試しているが、元素が答えてくれることはない。きっと常習犯の仕業だろうとアタリをつけた。神の目を持つ者を攫い人身売買の場に出すということはそこまで珍しくない。まためんどくさい事に巻き込まれたものだとジェミニは辟易した。こんな異常事態に対して至極冷静なジェミニを驚かせた唯一の事実は、実行犯が身内だったことだ。いつもと変わらぬ顔で、いつもの様に人当たりのいい笑顔を浮かべて、ネーヴェはジェミニの前に現れた。手にはカードキーが握られていて、おそらくそれがこの部屋から出るための鍵だろう。
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