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    r__iy1105

    田中新兵衛に心を狂わされた
    禪院直哉は可愛いと思う

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    r__iy1105

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    たぶん、晋松。首に執着を見せる高杉と全く気付いてない先生の話。短いけど和鯖は、隠れクラス全員バーサーカーと思ってる。

    例えばの話をしよう。
    もし、僕が先生の斬首場に居たとしよう。
    転がり落ちる先生の首が、大衆の目に晒される前にそのまま持ち帰ったとしたら。
    「そうしたら、僕の宝具になったのかな」
    足下に倒れている蘭丸君を見下ろしながら、彼が大事に抱えていた信長公の首が入った桐箱に手を伸ばす。
    まだ抵抗するのか、桐箱から離れない手を無理矢理剥がした。
    気持ちは良く分かるから、これ以上君を傷付ける事はしないさ。
    「か、えせ、らんまる、の、たいせつな」
    「君も疲れただろうし、もう休みなよ」
    首だけは取らないでおこうと思ったけど、こればかりは仕方ない。
    刀を振り下ろして、彼の首を斬り落とす。
    薄い皮膚から薄い肉、そして血管、気管、骨を切り裂いていく感覚にすっと目を細めた。
    先生が斬首された時も、きっとこんな感じだったのだろう。
    事切れた蘭丸君を尻目に、信長公の首を抱いて江戸の町を走り抜けた。
    「僕も欲しかったな、先生の首」


    英霊には、それぞれ死因が起因して弱点として刻まれているらしい。
    僕の場合は、新撰組の沖田君とは違って死因が昇華されていた。
    「晋作」
    「先生は、首をもう少し強化した方がいいと思います。何せ、死因は斬首だったんですから」
    首元が心許ない先生の首に、襟巻きを詰めていると先生に止めに入られてしまった。
    不服そうに先生を見つめると、深い溜め息を付かれてしまう。
    先生、僕は本気で先生が心配なんですよ。
    「晋作。どんなに首を強化しても、斬られる時は斬られます」
    「そうですね。だから、斬られない様にして下さいよ。松陰先生」
    「聞いていますか、晋作」
    聞いていますよ、先生。
    僕が先生の話を聞かなかった事がありますか、ありましたね。
    だから何度も僕に声を掛けるのでしょうが、何度も僕も言ってるじゃないですか。
    僕に首を斬られない様にして下さいと。

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