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    stgr救急隊で全員が出勤してます。
    個人の妄想です。
    口調に違和感があっても許してください。
    二次創作です。

    WN誘拐事件/よつは視点『ウィルが誘拐された!!』
    治からの無線で、その言葉が聞こえた瞬間、ひゅ、と息をのんだ。隣でおしゃべりをしていたももみが受付を飛び越えて病院から出ていき、それに気づいた鳥野君も、その小さな背中を慌てて追いかけていった。隊長やかげまるが話しているのがロビーと受付を隔てる扉越しに聞こえて、その内容に手のひらに汗がにじんで、心臓がどくどくと嫌な音を立てる。ゆっくり深呼吸して落ち着こう。胸に手を当てて深呼吸を数回、少し落ち着いたかしらと思って周囲を確認しようと顔を上げた瞬間に耳元で通知がなった。
    《ピコン》【市民ダウン】
    隊長とかげまるが走り出した足音が聞こえたけれど、私は立ち上がることができなかった。震える手でマップを確認する。この間、ももみ達に連れて行ってもらった牧場のすぐ近く。隣でたえこが大丈夫かしら、なんて呑気に言うのが聞こえたけれど、頭の中に言葉の意味が入ってこない。
    《ピコン》【市民ダウン】
    今度は街中でなった通知に受付の前にいたカテジくんとましろ君が走り出した。椅子に座っているのがつらくて、たえこにちょっと外すわね、と伝えバックヤードに入る。ずいぶん前のように思えるけど、かげまるが誘拐されたこと、そして、冗談だったとはいえカテジ君に誘拐されかけたことを思い出してしまった。自分の意志で逃げ出すことも出来ない恐怖、何を言っても聞いてもらえずただただ男女の力の差を感じて仲のいい同僚なのに恐怖を覚えてしまったことは未だに私の心の中に根付いている。
    《ピコン》【市民ダウン】
    《ピコン》【市民デッド】
    「ひ、」
    辞めておけばいいのに、聞こえていた治の声が途切れてしまったのが怖くてマップを開いてしまった。燦然と輝く赤は4つ。街中の二つはカテジ君とましろ君が向かったそれで、北の、さっきダウン通知が出た場所に並ぶそれは、
    「、おさむ…?」
    声が聞こえない。隊長も私と同じように治に声をかけているけれど、返事はない。
    「おさむ、ねぇ、おさむ…?」
    いつもの、太陽みたいな元気な声が聞こえない。私が不安になったとき、抱きしめてくれる優しい手が、暖かさがない。は、は、は、は、と浅くなった呼吸に胸元を押さえてその場に蹲る。普段から整理整頓されているから手の届く場所にビニールや紙袋もなくて、目の奥からじわじわと涙が溢れる。呼吸が出来なくて頭がガンガンして倒れそうになった時、バックヤードの扉が開く音が聞こえてパタパタと誰かが駆け寄ってきたのが聞こえた。
    「ちょっとアンタ!倒れるならせめて目の届く場所で倒れて頂戴!」
    「おはようござい、え、どうしたんですか!?」
    奥の宿直室からも誰かが出てきたのが聞こえて、がさがさと音が鳴ったかと思えば口元にあてられたハンカチと紙袋の感触。ブランケットが掛けられて、冷えていた体に少しだけ体温が戻ったような気がする。ゆっくりと体を起こされて、たえこが私を運び出す。こんなに弱いつもりじゃなかったのに、ほんと、嫌になっちゃうわ。


    サイレンの音に、気を失っていたのだと気づいて辺りを見回す。時間はそれほど立ってない。カテジ君もましろ君も戻って来たのだろうか?ふらふらする頭を押さえて無線で治の名前を呼ぶ。相変わらず返事はなくてどんどん不安になって声が震えてしまった。
    『なぁ姉さん。治のやつは大丈夫だ。あいつの事だから無線つけ忘れてるだけだって』
    「えぇ…わかっているのだけれどね」
    『俺らはとりあえずこのまま病院待機するからよ、姉さんは無理せずに休んでてくれ』
    「ありがとう、カテジ君」
    サイレンが病院の前で止まった気配がしてマップを確認したら病院の前に警察を示すGPSが二つと、救急隊を示すGPSが3つ表示されていた。治が帰ってきたのだと思って、呼びかけるけれど返事はない。
    「治、ねぇ戻ってきているの?」
    「治?」
    「返事をしてちょうだい、治?」
    「ねぇ、治…」
    バタバタと扉の向こうで人の足音がして患者が運ばれてきたのだとわかった。だけれどマップに表示されているのは救急隊を示すマークばかりで患者の出すダウン通知は見えていない。まさか治が怪我をしたのかともう一度無線に呼びかける。治?治?治?治?ぴぴ、と小さく誰かが無線をつないだ音が聞こえて小さなノイズの後、ずっとずっと求めていた治の声が聞こえた。
    『よつは、ごめんな?無線今つないだんだ。』
    「…っ、あ、あら、治じゃないの」
    『うん』
    「仕事中はちゃんとつないでなきゃだめよ」
    『そうだな。すまない』
    「そうだ、ウィル君はどうしたの?」
    『あー、ウィルは隊長と鳥野、あとももみが追っかけてた』
    「そうなの…治はこの後どうするの?」
    『うーん、それがな、俺だけ先に病院に戻ってこなきゃいけなかったんだ』
    「え、それはどういう、」
    もう一度、ピピ、と通信の音がして小さくノイズが乗った。
    『すまないな、治はちょっと麻酔で眠らせた。治療終わったらよ、そっちに連れていくから面倒見てやってくれ』
    「えぇ、分かったわ」
    ポケットからハンカチを取り出して涙のにじんだ目元を拭う。お化粧寄れちゃったかしら。さて、ここに治を迎えるならちょっとだけ片付けましょうかしら。
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    DONEウィルもも。月見酒の続き
    甘くて苦い「…?」
    なんだか見られている気がしてきょろきょろと辺りを見る。病院にいるとき、誰かと話をしているとき、アタシの首筋を刺すような明らかに敵意があります、みたいな視線。色々あって、そういうものには過敏になってるみたいでなんていうか気になってしまって。そうしたら鳥野君とらーどーに名前を呼ばれて、何でもないよって首を振る。
    「ももみさん?」
    「ももみパイセン?」
    「ほぇ?あ、ごめんごめん。なんでもない。何の話だっけ?」
    「もー、ちゃんと聞いててくださいよ。」
    「この後の話なんですけど、」
    病院の、テレビがある方のベンチのところでみんなで集まっていつものように話をしていた。話題は大体最近あったこととか、この3人だと牧場のこととか。鳥野君もらーどーも街にお友達が沢山いてアタシの知らないことを知っているから話してるだけでも楽しいし、そうじゃなくてもこの三人でいたずらするのとかも楽しくて。最近はちょっとらーどーをからかって遊ぶのが楽しいんだけどみんなで笑ってるのは楽しい。二人とも長い時間病院にいてくれるから一緒に行動することも多いし、遊びに誘ったらついてきてくれるの、すごくありがたい。
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