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    ヒント①二人の誕生日の合計
    ヒント②サークル向けツイートにて

    #サークル限定公開
    circleLimitedPublication
    #二次創作
    secondaryCreation
    #ストグラ
    stogra
    #ウィルもも
    nectarine

    Drink in moderation.ぐらぐらと不安定に揺れる体をそっと抱き上げて、雪の中の街を歩く。なんとなく、悪ふざけがしてみたくなったのだ。ちょっと雰囲気のいいバーに行って多分私も少しテンションがおかしかったことは想像に易い。そんな席で隊長のおごりで普段なら手を出さないウィスキーを飲んだ。いわゆるミードと呼ばれる酒の中でも少し度数が高く、辛口のそれはロックで飲んでも口の中で芳醇な香りが広がり見た目も美しい黄金色で視界も楽しませてくれる。前から一度飲んでみたいと思っていた酒だった。思っていた以上に飲みやすくて、酔いが回りすぎないようにチェイサーを入れるのを忘れるほど。久しぶりに、町の中で事件が少ない日だった。せっかくだしどこかへ出かけないかと誘って皆でダイナーに行って語り合ったり、ドライブをしたり。充実した日の最後がバーで一杯、なんて最高じゃないかと笑いながら酒を頼んで。ふと隣に座っていたももみさんが私の手元をまじまじと見ていることに気づいた。11歳という年齢である以上、お酒を飲ませるのはよくないことだというのは重々に知っている。けれど、まぁ私も酔っていたものだから、飲んでみますか?なんて聞いてしまって。
    流石に私が飲んでいるものと同じものを与えるわけにはいかないのでソーダ割にして、度数も低いものを選んで与えてみれば意外といける口だったのかするすると飲む。おいしいおいしいと嬉しそうにいうからじゃあこっちも、あっちも、なんて。
    気付いたらぐでんぐでんに酔っぱらっているももみさんが完成していた。一人で立ち上がることはできず、足取りはおぼつかない。別のテーブルで飲んでいた隊長とましろさんも少しふらふらしながら私の腕につかまっているももみさんを見て、ウィルが飲ませたんだぞ、とか、ウィルさん最後まで責任取ってくださいよ、なんて。
    流石に私だってここまで酔っぱらった女性をここに放置していくほど鬼ではない。一度病院に戻って、点滴でも、なんて考えたところで自分も酒を飲んでいる現状、治療行為なんて行おうものなら一歩間違えば酷いことになると思考を払った。
    そうなればできる事なんて一つで、とりあえず家に連れて帰るほかないかと諦めて家路につく。あっちへふらふら、こっちへふらふら。何を見てもけたけたと笑ってその姿が危なっかしいものだから抱き上げて。
    「ももみさん、鍵、出せますか?」
    「ん~?や!ウィルと一緒にいるー!」
    「あの、」
    「ウィルと一緒に寝るのー!」
    「…意味わかっていってます?」
    ぎゅうと首元に抱き着かれて、香るのはさっきまで飲んでいたミードの甘い甘い蜂蜜の香り。あ、これは私も酔っているな、なんてわかり切ったことを考えながら私の足は自宅へ向かうための階段を上がっていた。ももみさんの部屋からフロアを二つ上がって角の部屋。ズボンのポケットからキーケースを取り出して鍵を開ける。このマンション、部屋の間取りがほぼすべての部屋で同じため、調度品なんかで内装をいじらない限りは人の部屋と見分けがつかないなんてよく言われるけれど実はそんなところも気に入っているのは口に出さない。個性はあってもいいけれどなくてもいいものだから。
    まっすぐ寝室に進んで、ももみさんをベッドに寝かせる。サイドボードにペットボトルの水とエチケット袋を出して一息ついた。窓からは街中に雪が降り注ぐ様子が見れる。この街に来て、もうクリスマスを迎えようとしているのか、なんてちょっと感慨深くなりながらキャビネットに飾ったままにしていたウィスキーのボトルを手に取った。
    「ん~…うぃる、ぅ」
    「はいはい…」
    窓際に置いてあるソファに腰掛けて飲みなおそうか、なんて思っていたのに名前を呼ばれてベッドに腰掛けた。紫色のパーカーから零れ落ちる桃色の髪の毛が顔にかかっているのが少し邪魔そうだな、なんて思って指で払えば閉じていた瞼が震えてその瞳が私を捉えた。
    「起きましたか?」
    「ん~…ここ、は?」
    「私の家ですよ」
    「うぃるのいえ?」
    「はい」
    「えへへ…」
    するりと細い手が腰に回ってぎゅうとしがみつかれる。その手が暖かくて、ふいに、どうして彼女はこんなにも私をすいてくれるのだろうかと不思議になった。フードの隙間からそっと手を忍び込ませて柔らかい毛を撫でる。子供特有の体温が手のひらに心地よくてゆっくりと撫で続けれいればうさぎのような長い耳の付いたフードはいとも簡単に脱げてわずかに上気した首元と酒のせいなのか赤く染まった耳が目に入る。
    「…ももみさん」
    「ぅ…」
    「あまり、一人暮らしの男の家に入るなんて言ってはいけませんよ。」
    「なんでぇ…?」
    「男というものは、総じて獣だからです」
    「けもの…」
    「そうですよ。ももみさんなんて簡単に食べられちゃいますから」
    「えぇ…ウィルもまるのみなの…?」
    「まるのみ?」
    さっきまで腰に回っていた手がほどかれて寝ころんだまま甘えるようにこちらに手を伸ばす。あぁほら、そういうことをしないようにといったばかりなのに。ぺろりと唇を舐めてももみさんの体を抱き起す。腕の中に納まってしまう少女の軽い体。自分がそういうものに興奮するような男だとは思ってはいないけれど、こうしてまっすぐに向けられる好意に思わないところがないわけではない。ももみさんを膝に乗せればふにゃんと口元を緩ませて体を摺り寄せてくるものだから、魔が差したというか、なんというか。

    背中を自分に抱き寄せ自由な腕を掴んで抵抗できないようにした。不思議そうに私を見上げるその瞳の中に移り込む私は見たこともないような顔をしていて、あぁ、これはまさしく獣だな、なんて自分の事なのに笑ってしまった。
    「鼻で息をするんですよ」
    「鼻?うぃる、ぅ、んン、?、!」
    薄い唇を舐めてゆっくりと舌を口の中に忍び込ませる。さっきまで飲んでいた酒のせいだろうか、唾液まで甘く感じて、それを確かめるように歯列を確かめるように舐め、なかば噛みつくように大きく口を開けて唇を覆えば驚いたのだろうか。固く閉ざされていた歯の間に隙間が生まれた。そのすきを逃さないように舌を滑り込ませ逃げ惑う舌を絡めとって、舌ごと吸い上げればこおばっていた体から一気に力が抜けてしまった。
    ちゅ、と軽い水音をさせながら口を離す。どうやら鼻で息をするよう言ったのにできていなかったらしい。完全に目を回している。流石にこれ以上無体を働く気もなく彼女をそっとベッドに寝かせてシャワー室に向かう。

    〈キュ、サーーーーーーーーー…〉

    「…私は子供相手に一体何を…」
    頭から水を被って、自分自身に冷静になれ冷静になれと言い聞かせる。服を着たままなんてことどうでもよくて。ただそれより、あの薄い唇からした甘さが癖になってしまいそうな自分に二日酔いでもないのに頭痛を覚えた。
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    DONEウィルもも。月見酒の続き
    甘くて苦い「…?」
    なんだか見られている気がしてきょろきょろと辺りを見る。病院にいるとき、誰かと話をしているとき、アタシの首筋を刺すような明らかに敵意があります、みたいな視線。色々あって、そういうものには過敏になってるみたいでなんていうか気になってしまって。そうしたら鳥野君とらーどーに名前を呼ばれて、何でもないよって首を振る。
    「ももみさん?」
    「ももみパイセン?」
    「ほぇ?あ、ごめんごめん。なんでもない。何の話だっけ?」
    「もー、ちゃんと聞いててくださいよ。」
    「この後の話なんですけど、」
    病院の、テレビがある方のベンチのところでみんなで集まっていつものように話をしていた。話題は大体最近あったこととか、この3人だと牧場のこととか。鳥野君もらーどーも街にお友達が沢山いてアタシの知らないことを知っているから話してるだけでも楽しいし、そうじゃなくてもこの三人でいたずらするのとかも楽しくて。最近はちょっとらーどーをからかって遊ぶのが楽しいんだけどみんなで笑ってるのは楽しい。二人とも長い時間病院にいてくれるから一緒に行動することも多いし、遊びに誘ったらついてきてくれるの、すごくありがたい。
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