気が向いたらそのうち書きます。くたりと、ベッドに四肢を投げ出す姿にクスリと笑みを漏らす。快楽を受け止めきれなかったのか、半開きの口からは唾液が零れ落ちているし、瞳は虚空を向いている。時折、ピクリピクリと震える体はほのかに赤く色づいてどこもかしこもおいしそうだな、なんて。
「大丈夫ですか…?」
ゆっくりと髪を撫でる。たったそれだけの行動で感じ入った体はまたピクリと震えて熱に溶けた瞳が私に向けられた。髪から、頬を撫でて、指先で口元を伝う唾液を拭う。そのまま唇を撫でれば甘えるようにちゅう、と吸い付かれて自分の中の熱が刺激されるのを感じた。
枕元のライトだけつけた部屋の中、全裸で荒い息を漏らしながらベッドに沈む少女と第二ボタンまで締めて袖をまくっている以外は服の乱れもない私。彼女の年齢を考えれば異質なのはそればかりではないのだけれどもう踏み込んでしまったのだから引き返せはしない。
さて、こうなったきっかけは何だっただろうか。
いつも通りに過ごしていたのだ。事件や事故も減って穏やかな日常を過ごして。暇を持て余していたといえば確かにそうで、ここ最近色々思う所があってその矛先がももみさんに向いてしまったのはまぁ、仕方のない事だと思って貰えれば。
普段から私のすることに疑いの目をあまり向けないことについて、また、相手が近しい年齢であれ大人相手であれ甘える姿をよく見かけるので周りにはよくない大人もいるのだから注意するようにと言い聞かせたのだけれど効果があったのかと言われれば多分あったのだ。それもよくない方面に。
「ウィル、あの」
「どうかしましたか?」
「今日、その、」
「なんです…?」
カルテに視線を落としていた私の隣に立ってもじもじと手を動かしている。何か言いたいことがあるようだけれど顔を赤らめてうつむく以外は行動するそぶりを見せない。ただ、手を伸ばせば抱き締められそうな距離であることに気づいて、小さくため息を吐いた。
「ももみさん?」
「…」
「…仕方ないですね」
ももみさんの腰を抱き寄せ自分の足の間に立たせる。僅かに売るんだ瞳を覗き見ればそっと肩に手を置かれて胸元に、小さな体がもたれかかってきた。その耳元が赤く染まっているのを見てその耳たぶを柔く食む。ピアスなんてしていない、傷一つない体。あの一度きりのつもりだったけれどこの子がこの手の中に落ちてこようというのならその限りじゃない。前回は触れるだけだったこの体に快楽を教え込んでもいいかもしれないなんて、まるで、自分が犯罪者にでもなったようだ。あぁでも、隊長とあんずさんの年齢を考えればこの街ではセーフ何だったか、なんて。
「まだ勤務中でしょう。私はもう少ししたら退勤します。」
「…っ、うん」
「1時間したら、貴方も退勤してうちに来てください。そうしたら、この間の続きをしてあげましょう。」
吐息交じりに囁けば私の肩に置かれた手にわずかに力が入った。ゆっくりと頷いたのを確認して、耳の淵に舌を這わせて唾液を纏わせた舌でそのまま耳の中を舐る。くちゅ、ぴちゃ、なんて水音が彼女の耳元で響いているのだろう。膝はがくがくと震えだんだんと体重がこちらにかかってきた。いくら体重をかけられたところで子供の体重だから問題はないのだけれど。体を抱き寄せて、耳から首筋に舌を這わせる。開いていた手でシャツのボタンを一つ二つ外して胸元を開けさせてそのままちゅうと吸い付けば小さな跡が残った。
「では、お待ちしてますよ。」
「ぁ、う…」
「こちらウィル・ナイアー。そろそろ退勤します」
『おう、お疲れ』
『お疲れ様です、ウィルさん』
『あ、ウィルさん今度来た時ご飯一緒に行きましょう』
「いいですね。ぜひお願いします」
『ん?ももみは病院にいないのか?』
「あ、えっと、います」
『おぉ、いたのか。いや、ウィルが帰るのに、いつもの声が聞こえなかったから気になったんだ。』
「さみしーです、けど…私も今日はもう少ししたら帰るので」
『そうか、じゃあ手が空いてるやつ病院に戻ってやってくれ』
『了解です』
『もうすぐ戻ります』
吐息に似た声を漏らすももみさんの唇をゆっくり指でなぞってゆっくり唇を重ねる。ももみさんの瞳が熱に熟れて零れ落ちそうなのを見て笑えば恥ずかしかったのか目をそらされた。ポンポンと背中を叩いて体を離す。とりあえず先に家に帰ってしまおう。
「ウィル…」
「…家で、お待ちしていますよ」
彼女が来ようが来まいがどちらでも構わなかった。来たら北で可愛がってやろうと思っていたし、こなければそれで、終わればいいと。
〈ぴんぽーん…〉
「…素直な人だ」
覗き窓から外を見れば周りを気にしてきょろきょろと視線を走らせている姿が見えて。そんなに気になるのなら誘いに乗らなければいいのにと思わず笑ってしまった。ゆっくりとドアを開ける。病院から帰って、スーツのジャケットだけを脱いだ格好の私と、よく見るパーカー姿の彼女。どう考えたって異質なのだ。けれど、こちらを選んだのは彼女自身で。
「あ、」
「いらっしゃい。ももみさん」
腕を掴んで自分に引き寄せるのと一緒に家の鍵をしめた。胸の辺りにい顔をぶつけたようで鼻の頭が赤くなっている小さく上がった泣き声に苦笑いを漏らしてそのまま小さな体を抱き上げた。歩を進める先は寝室。彼女も別のフロアとはいえ同じマンションに住んでいるから向かう先が分かったのだろう。首元に顔を埋めて恥じらう姿にくつくつと喉の奥で笑って。
「恥ずかしいですか?」
「…うぅん」
「そうですか。」
「うぃる、」
「はい?」
「あの、私ウィルとエッチしちゃうの…?」
「さぁ、どうでしょうね」
ももみさんを抱き上げたままベッドに乗り上げてそのままベッドの真ん中に腰を下ろす。さて、どうやって触れようか、なんて考えながらパーカーを脱がせた。中は薄手のキャミソールで、こんなに薄着でよく寒くないなと感心しながら同じように靴下も脱がせる。日に焼けていない、筋肉やそもそも肉の付き方も薄い体。靴下をベッドの上に置いて、つま先からするすると足を撫であげる。くすぐったいのかぴくん、ぴくんっと震えるのを指先で感じながらきゅうと目を閉じたままの顔を見下ろす。その顔に隠れているのは、期待か、恥じらいか、それとも、