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    くらむ

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    くらむ

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    「"子供向け"と書いてあったというのに、よく購入しようと思ったね?」
    「オレも最初は"子供向け"に気付いて棚に戻したのだが…どうにも気になってしまってな…だが、先入観は良くないと学べたぞ」
    「本質を見極めようとするその姿勢は司くんらしいね」

    #司類
    TsukasaRui

    ワンライ『対戦』『補習』(2023/02/01) 学校も練習も無い休日に、二人は司の部屋で床に視線を向けていた。
     正確には床に散らばる紙に目を配らせている。
     スピーカーから響くのは母国語では無い言語――英語だった。

    『drawing』
    「…む、ドローイングは、絵を描く、ではないのか?名詞…?」
    「絵を描く、も正解だよ。それでもこのカルタが扱うのは名詞だけだから…なんだろうね?」

     腕を組みながら床に散りばめられた日本語の文字を睨みつけて回る司の様子を眺めながら、端末の一時停止ボタンを押す。
     司に面白いものを買ったので遊びに来ないかと誘われたので応じたところ、この「英語カルタ」が差し出されたのだ。
     英語の単語を覚えるのがそこまで得意では無いらしい司は、このカルタを目にした瞬間「これしかない」と思ったようで即座に購入したという。
     最初は対戦形式で行ったのだが類が圧勝してしまい司の勉強に繋がらなかったので、類は横から簡単なヒントを出す係となった。

    「そうか、絵、だな!」
    「フフッ、正解だよ。『drawing』の他にも現在分詞と名詞で意味が似ている単語はよくあるから、今回のように結び付けてみると覚えやすいよ」

     司がまた臨戦態勢に入ったのを確認したので端末の再生ボタンを押す。
     少しの間の後、次の単語が流れた。

    ―――

     あえて裏向きにし英語が書かれた面から日本語訳を当てた司は最後の一枚を取る。
     全て自力で取ることが出来たわけではなかったが、最初から全て取れる必要は無い…これから少しずつ覚えていけばいいのだ。

    「本当は一人で習得できるべきなのだろうが…やはり類が居ると捗る」
    「何事にも得手不得手があるからね、司くんがやりやすい方法が取れるのならそれが一番さ」

     もう一度やりたそうにしつつもカルタを床に配ろうとしない司から、カルタを取る。
     嫌々付き合わされているわけではないと、意思を伝える為だ。

    「…いいのか」
    「もちろん。よく言うだろう?人に教えると、自分の身にもなるのさ」

     今は流す専門の係だけれど、彼の事だからきっと自分も混ざれるようになってくれるだろう。
     カルタを床に配り終わり、端末を用意する。
     それでもまだ彼はこちらの様子を伺って居るようだった。

    「そうだねぇ…いつかこのカルタで勝負した時に、司くんが勝ったら僕に何をしてくれても構わないよ」
    「突然何を!?そういうことは軽々しく言うものでは無いぞ…」
    「…あ、当たり前だろう…司くんにしか言わないよ」

     軽く冗談を言ってみたつもりが真正面から受け止められ投げ返されてしまった。
     それでも期待は届いたのか、司はようやくカルタの方へ意識を向ける。
     彼の成長の様子を間近で見れる特等席で、再び端末の再生ボタンを押した。
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    たまぞう

    DONE先にポイピクに載せます。
    日曜になったら支部に載せます。
    将参のお話。この間のとはセカイは別になります。
    ちょっと痛いシーンがありますがそこまで酷くないです。
    寧々ちゃんが森の民として出ますが友情出演です。
    最初と最後に出ます。
    何でもいい人向けです。
    将校は参謀と同じ痛みを感じて(物理的)生きたいというよく分からないお話ですね。
    誤字脱字は見逃してください。それではどうぞ。
    将参(友情出演寧々)「ねぇ、その首の傷痕どうしたの?」
    「っ、っっ!?」

    仕事の休憩中に紅茶を飲んでいた時のこと。
    正面の窓から現れた少女に私は驚き、口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

    「っ、ごほ…っ、げほっ、ぅ………。来ていたのですか…?」
    「うん。将校に用事があって……というか呼ばれて」
    「将校殿に?」

    森の民である緑髪の少女ーーー寧々は眉を顰めながら、私の首をじっと見つめている。そこには何かに噛み千切られたような痕があった。

    あの日のことを話そうか、少し迷っている自分がいて。
    どうしようかと目線を泳がせていると、寧々が強い力で机を叩く。

    「ほら!話して!」
    「………わっ…!わかり、ました」








    あまりの気迫に押された私はぽつりと語り始めた。
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