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    とまと

    @nyotagiyu

    特に日受、🌊受、を今は。
    女の子、NLBLGL女体化好き。
    にょたぎゆは俺が幸せにする。

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    とまと

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    その当時、パチ屋には子供も自由に出入り出来ていた。何て時代だ。

    #さねぎゆ

    実弥君の初恋「実弥、遊園地に連れてってやる」

    親父が珍しい事を言うから手のひらサイズくらいだった頃の俺はミニオンズの中に居ても違和感の無い勢いで喜んで馬鹿でかい手を掴み純粋な目を輝かせて歩いていたのに着いた先は新台入れ替え後のパチ屋だった。景品コーナー近くに置いてあるソファに腰かけ悟った。
    クソ親父の言う事は信じるな。子守に飽きた親父が見た事も無いくらい真剣な顔で台を選んで居るのをぼーっと眺めながら舌打ちする。気を抜くと直ぐに親父に似た癖が出るから最近はよく母親に怒られるようになった。もう直ぐお兄ちゃんになるからだろう。見習うなら親父ではなく園長先生にするとしよう。
    ふと視線を感じて周りを見る。何故か床に尻を着きソファに頬杖をして此方を見上げるくりっくりのまあるい青色とバチリと目が合った。正直滅茶苦茶ビビッて悲鳴が出そうになったけどお兄ちゃんになるんだからこの程度で音を上げる訳にはいかないと思い鳥肌だけで済ませた。やるじゃねぇか小さい俺。
    そいつはやたら小さいピンク色の口をふにゃふにゃさせて俺に話しかけてきた。

    「ねぇねぇ僕ぎゆうって言うの。きみはだぁれ?」
    「……さねみ」

    返事しただけだった。それなのにビー玉みたいな目をにっこりとさせて高い声でさねみくんなんて嬉しそうに言うから何だか胸があっつくなってしまい、逃げるように目を逸らした。そいつは「あのね、あのね」とか言いながらソファに上がろうとしてたけど全然足が上がらなくて何度も挑戦し終いにはピタっと動かなくなってやがて最初と同じように床に腰を下ろし何事も無かったように舌足らずに話し始めた。
    (あきらめるんかい!)

    「さねみくんは何してるの?」
    「おやじ待ってるんだ」
    「へぇ、僕はね、お兄ちゃんまってるんだ」

    こいつ弟なんだ。俺はこの時初めて弟と言う生き物を認識した。同時にお兄ちゃんになる事も実感した。こいつみたいな柔らかそうなのが弟になるなら、お兄ちゃんになるのも悪くないなと思った。
    「お外行きたいね!」とか言うからダメだって言うと小さい口を尖らせてむぅとか言う変な鳴き声を出した。じゃあおトイレ行ってくる!と声も高らかに宣言しててちてちと走り出したから心配で見ていたら案の定歩いてきた男の足に激突していた。すると男がしゃがんで何やらぎゆうにコソコソと話し始めた。
    それを聞いたぎゆうは嬉しそうに笑って頷き男の差し出した手を取った。そして外へと続く出入口の方に向かって歩いて行く。
    本能だった。これは絶対ダメなやつだと思った。ミニの俺は短い足を全力で動かし出来る限りの勢いをつけて男の膝裏にタックルした。バランスを崩した男がぎゆうの手を放す。
    俺はぎゆうを引っ張って男から距離をとった。起き上がった男がおっかない顔で近寄って来る。ぎゆうを背中に隠して男を睨んだ。怖くないと言えば嘘になるが、こちとら2メートル近いガタイの良い男が父親なのだ。それを超える者が居るだろうかいや居ないと、足が震える程度で済んでいた。男がこちらへ手を伸ばす。瞬間目の前に巨大な壁が現れた。
    嫌でも毎日目にする2メートル近い男、クソ親父だった。

    怪しい男はそそくさと逃げ俺は安心してぉおぅ…と変な唸り声を出した。背後では全く何も理解していないぎゆうがそわそわしている。親父は飽きたなぁと言って欠伸をした。
    「帰るぞクソガキィ」
    眠そうに眼を細めたクソ親父が俺の手を引く。
    その勢いのせいかもう片方の腕にボケっとしていたぎゆうも抱えて歩き出した。あれぇっと首を傾げたが、俺はもう少しこの自分より少し背の小さいぎゆうと話がしたかったのでまあいっかと考えた。すると背後でばたばたと大きな足音が響いた。
    親父がぎゆうに気付いて「おおっ、クソガキが増えてやがる!」と言うのと同時に近所の兄ちゃんと同じくらいの男が「ひ、人さらいー!」と叫んだ。お陰で結構ざわついた。

    それから俺が事情を話して誤解が解け、ぎゆうの(叔父だったらしい)兄ちゃんはぺこぺこと頭を下げた。子守中にパチ屋の前を通った時に地元の先輩に声をかけられ逆らえずに中に入ったようだ。だろうなと納得する。このぽやついたぎゆうの家がクソ親父と同じ趣味なはずが無いのだ。俺は何だかぎゆうと遠くなった気がして少し寂しくなった。叔父に抱っこされたぎゆうがじっとこちらを見ている。親父は巨大な手でぎゆうのちっさい頭をぽんぽんと撫でた。鷲掴みする気かと思って焦った。

    「家族以外について行くんじゃねぇぞぉ」

    テメェこそ慣れない相手に極悪な顔で笑ってんじゃねぇ。思ってるよりこえぇんだぞ。
    ぎゆうが泣いてしまうんじゃないかと思い俺は顔を上げた。ぎゆうの叔父の顔は今にも叫びたいと青ざめている。しかしその横に並んでいる少女にも見える義勇の表情は違った。
    飴玉みたいな目はとろりと解けてピンクの唇はきゅっと更に小さくなり、やわやわの頬はリンゴのように赤くなっていた。俺が生まれてこの方見た事のない顔。なぜかものすごくイライラした。バイバイと手をふるぎゆうをまともに見れずに軽く手をふる。今思えば初めての嫉妬だった。

    アレはクソ親父何かに初恋奪われたテメェも悪いんだからなァ。

    その数日後、俺の通う幼稚園に新しいお友達が増えた。ぎゆうだった。どうやらあの日ぎゆうの親は引っ越しの整理で忙しく叔父に子守を頼んでいたそうだ。地元で会社経営するんだと。またぎゆうとの間に隙間が出来た気分だった。
    ぎゆうは俺を見つけるとあの日と変わらないお花みたいな顔をにこにこさせて駆け寄って来た。照れてしまってそっけなくなってしまったが、ぎゆうは気にせずさねみにぺったりとくっ付いていた。相当な甘えん坊の様で、生まれて来る弟もこんな感じなのかなあと、そうだったら良いなあなんて思った。
    また小さい口をふにゃふにゃさせて、あのねあのねと一生懸命話しかけてくる。満更でもねぇ、と脳内お花畑でいたらぎゆうがとんでもない爆弾を落とした。

    「今日はさねみくんのお父さん来るかな?」

    ぽやっと色づくまあるいほっぺ。むむむっと唸った俺は腹いせにその餅みたいな頬に噛り付いてやった。
    ぎゆうは驚き目を丸くしてこちらを見ている。青いガラスには俺だけが映っていて、その瞬間とてつもなく気分が良かったんだ。

    と言う訳だァ。あれから十年以上、こちとら豆粒みてェな頃からお前一筋なんだよ。
    俺の一世一代の告白で真っ赤になってる冨岡君。いい加減返事を聞かせてくれませんかねぇ?
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