結論ありきの敵意■Returnerでゼロさんはレプリカという名目になってるからこれ書いちゃうとおかしくなる(続き物として)
「戦力を分断するため……?」
「違う。多分、本当の狙いはキミとゼロの方だ。ネオ・アルカディア再興派がエックスの名の下にイレギュラー討伐をお題目に掲げてゼロを倒そうと画策している。定義上は確かにゼロはイレギュラーだけどさ……あの人達はそこが問題なんじゃない。我らが王エックス様を倒したゼロをどうにも許せないんだろうね」
「ゼロが……イレギュラー……いいえ、そんなはずないわ。どこにも異常なんて見つからなかったのがその証拠よ」
「そう。どこにも異常なんてない。だからある意味厄介なんだ……シエル、今のゼロは必要さえあれば人間だって斬れるんだよ。かつてバイルを倒したように」
思わず口元を抑える。世界滅亡の危機の状況に飲まれて誰も指摘なんてしなかったせいで、今まで完璧に忘れていた。言われてみれば確かにそうだった。むしろ、彼らにゼロを排除するうってつけの口実を与えてしまっていることに気付かなかった私の方が迂闊だった、と言わざるを得ない。