ごちゃLOM裏4.5話?「さてと。今のうちに……」
双子の弟子たちに時折するように果樹園での収穫を任せ、ジュンはそのまま家の裏手へと足を向けた。
ほんの少し重い足取りでホームを支える大樹に沿って歩けば、あまり日の当たらぬそこでも繁茂した雑草とちょっとしたゴミ箱にしている樽の後ろに隠れて鈍く光るガラクタ……つい昨日までは大剣と呼ばれていたものが転がっていた。
キョロキョロと周囲を見渡して人目がないことを改めて確認してからジュンはそれに目を落とす。
「またやっちゃったな、予備ももうあと一振りしかなかったのに」
つぶやきながら折れた刀身と柄の部分を拾い上げてみれば見た目にふさわしいずしりとした重量がジュンの手にかかる。
並の人間なら到底振り回すどころか持ち上げるのにも苦労するはずのそれは、それでもジュン本人にとってはまあまあ取り回しのいい重さでしかない。
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