ノマレの巧妙「ごめんネー?酔いつぶれたから引き摺って来たんだけどキミがリツカくんかい?」
「え?あ、はい」
「そっか、そっか。悪いケドこの酔っ払いおまかせしてもいいカナ?」
「はい。あの……貴方は……?」
「コレの伯父さんだヨ☆」
インターホンが鳴り見ていた動画を一時的にしてスマホを置いてとたとた玄関へ。勝手知ったる家ではあるが家主不在の留守を預かる身としては思えば見知らぬヒゲのおじさんに肩を抱えられた彼を見てしまってはどこから質問したものか。
あまり騒ぐのもアレだから失礼するネ、とロクに会話もせずにヒゲの人はモリアーティを俺に受け渡すと早々に帰ってしまった。伯父?叔父か?新しい発見に色々聞きたい事はあったがとりあえず半分寝かけている彼の脇から手を差し入れてズルズルと引き摺って何とかソファへ。玄関から上がる際に靴をどうしようかと一瞬躊躇したがモリアーティは勝手に脱いだので少なくとも何処に居るのかは把握しているらしい。脱ぎ散らかすことなくちょっと雑に寄せられたそれに彼らしさを感じ、良いのか悪いのか変な息の付き方をしてしまった。
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