絡まったその糸もきっと願った赤になる「サニー」
「………………」
　窓から柔らかい月の光が差し込む夜半前。
　そっと呼び掛ければ、コアラのようにひっついていたその人に頭をぐりぐりと擦り付けられた。
　ついでにお腹の少し上に回された腕の圧も強くなる。
「僕、明日早いんだ。だからもうそろそろ寝なくちゃいけないんだけど……」
　何とか穏便にこの腕を解いてもらおうともう三度目になる呼び掛けをするも、一向にその願いは叶わないばかりか、また抱き締められる力だけが強くなっていく。
　本来なら願ってもない状況の筈なのだが、アルバーンはそんな今に密かなため息をついた。
　今日は平日のとある日。
　かけがえのない愛しい恋人はここ暫く連勤で、なんでもすばしっこい犯人を捕まえるのに相当苦労していたみたいだ。

底のない愛だった嫌な夢を見た。
飛び起きた俺は焦った。
Sonnyが、いない。
昨日は確かに隣のあたたかな体温に安心して、身を預けて眠りに落ちたはずだ。
冷や汗が背を伝って、やがて白いTシャツを灰色に染めていく。
比例するように不安で泣き叫びたい気持ちが心を占めていく。
ああ、これもきっと全部悪夢のせいだ。

ここは…？
不思議に思うAlbanが座り込んでいたのは、冷たい路地裏の地面であった。
何とも言えないざらついた感触の冷え冷えとしたそれに、思い出したくなかった記憶が次々と襲ってくるのがわかった。
それでも、それらに必死で抗いながら蹲ってただ耐えることしかできない。
呼吸が浅い。
助けて、と蚊の鳴くような声で訴えることすら叶わず、すぐ近くでパトカーのサイレンの音が鳴り響いた。

Sonnyban - First your heart, then...＊＊

　　北歐神話中，主神Odin的兒子光明之神Baldur夢見了自己的死亡，他的母親Frigga為了安撫擔憂的兒子，身為愛神的她請求世間萬物答應不得傷害Baldur，唯獨漏了生長在植物上的槲寄生。
　　之後槲寄生的箭刺穿了Baldur的心臟，心痛不已的Frigga在眾神的幫助下最終挽回Baldur的生命，無比感激的她承諾，無論是誰站在槲寄生下，便賜給那人一個親吻。
　　Alban偶爾會想，是否未來也有人出於純粹的愛，願意為他如此奔波。
　　是否有人願意，在他受黑暗侵蝕痛苦不堪之際，給予他一個輕柔安定的吻。

＊＊

　　聖誕節前夕的平安夜，一棟佇立在郊外的莊園此時人聲鼎沸，許多人聚在這裡享用著聖誕大餐，一起渡過年末最重要的節日。

那個夏天Side.Sonny之一

Sonny不喜歡炎熱的夏天，太陽過於炙熱、光線過於耀眼，身體像被燃燒般發熱，汗水從頭頂順著臉龐滑落。Sonny雖然不會被曬黑，但容易被曬紅、曬傷，所以夏天他基本上能不出門就不出門。今年高三的Sonny因為家人需要去外地工作，他被寄放到離家大概3小時車程的外婆家，雖然不像都市繁華，不過機能也不會太差，重點是那邊很安靜，氣候也比都市涼爽許多。

Sonny中午時分來到無人的公園，公園有一棵相當壯觀的榕樹，Sonny坐在被榕樹遮蔭的長椅上，感受穿透過茂密樹葉的微光， 喝著彈珠汽水，沁涼的氣泡刺激著Sonny的喉嚨。他記得小時候曾經在這邊認識一個男孩，國中時的他也會到這個公園發呆，雖然已經2年沒來了，但景色依舊人事已非，Sonny記得當時都會有個男生陪他在公園閒聊，感覺跟他差不多大，不過因為以前Sonny只有在暑假才會來外婆家，所以與那個男生只限定在暑假見面。自從升上高中後，Sonny就沒有再回來，直到現在。