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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこくアドベントカレンダー
    10日目
    鉄人シボさんとトシクニくん(or小さいム様)

    #むざこくアドカレ
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    #むざこく
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    鉄人シボさんとトシクニくん(or小さいム様)「起きろ、黒死牟」
     少年の声が頭上から聞こえる。うっすらと目を開けると、深い群青色の瞳が視界を支配する。その瞳の持ち主である少年が珍しそうに自分を覗き込んでいるのだ。
    「黒死牟、早く起きろ。今日からお前は僕のボディーガードだぞ」
     黒死牟、少年は自分をそう呼んだ。実際に目を開けた自分を見て、やや興奮気味のようだ。
    「お父様の手紙通りだ! 黒死牟、お前は僕を守る為に生まれたアンドロイドらしいな!」
     少々不可解な言葉を使う少年という印象だったが、黒死牟の中に、その少年を否定する言葉は存在しない。
    「いかにも……初めまして、俊國様」
    「僕を知っているのか!?」
    「はい……」
     黒死牟の胸の上に乗り、お父様はどうした、どうしてお前は生まれたのか等、矢継ぎ早に聞いてくる。
    「俊國様……申し訳ございません……私は俊國様の基本的な情報しか教えられておりませんので……何もお答えできません……」
    「そうか……それなら仕方無いな。これから頼む、黒死牟」
     ぎゅっと黒死牟に抱きつく。子供特有の高い体温が心地好いが、どうやら、ただの高い体温ではないようだ。
    「俊國様……お熱がございませんか……?」
    「ん? そういえば……」
     俊國は身を起こすと、ふらりと頭がぐらついた。黒死牟は急いで俊國を抱え、自分が寝ていたベッドに俊國を寝かせた。
    「すぐに粥の用意を致します。俊國様はどうぞ、このままで……」
     テキパキと俊國の身の回りを整え、玉子粥の用意をする。ほんのりだしの味をきかせた玉子粥が俊國は好きなようで、黒死牟がベッドまで持っていくと目を輝かせた。
     椀に入れ、黒死牟がふーふーと冷ましていると「そんな子供ではない」と拗ねた表情をするが、黒死牟は構うことなく、冷ました粥をスプーンで俊國の口に運んだ。
    「お腹が空いておられましたか……目覚めるのが遅くなり申し訳ございません……」
    「構わん。これからはずっと、僕の側にいてくれるのだろう?」
     好物の玉子粥を食べ、俊國はご機嫌だった。

     熱が下がった俊國は、黒死牟の膝に座り、色々と訊いてくる。
    「お父様が僕の為に残した、ということ以外、僕は何も知らされていないのだが、お前は何か知らないか?」
    「いえ、何も……」
     彼の父が残したものは莫大な財産と一通の手紙、そして、この黒死牟であった。
     幼い俊國の身の回りの世話をする為に存在すると言うが、アンドロイドと聞き、俊國の興味は少年特有の飛躍したものになっている。
    「空を飛んだり、ミサイルを出せたりはしないのか?」
    「体は人間と何ら変わりありません」
     つまらない、と言いたげな表情をする。
     寧ろ、それの何が楽しいのか……と黒死牟は首を傾げるが、壁に掛けられた時計を見て、黒死牟は俊國を抱き上げ、椅子に座らせる。
    「俊國様、お薬の時間でございます……」
    「もう、そんな時間か」
     小さなてのひらいっぱいに乗せられた錠剤を俊國は一錠ずつ口に入れ飲み込んでいく。病弱のようで、一回でも飲み忘れると、先程のように熱が出たりするようだ。
     黒死牟の主な仕事は、俊國の身の回りの世話や、学校に通えない俊國の話し相手であり、家庭教師もやっていた。
     頭の良い俊國はすぐに吸収し自分の知識にしたが、あまり根を詰めて勉強すると一気に疲れが出てしまうので、勉強時間さえも限られていた。
    「この家にはお父様が残した多くの本がある。僕はそれをすべて読んでみたいのだが、今は読めない漢字や、知らない言語もいっぱいある。だから、黒死牟、僕にいっぱい色んなことを教えてくれ」
    「畏れ多いことでございます……」
     恭しく頭を下げると、俊國は年相応の無邪気な笑顔を見せる。
     他の子供たちと同じように外で遊ぶことができない為、本を読むことが大好きなのだ。
    「黒死牟、僕はいっぱい勉強して、自分の病気を治したいんだ」
     俊國は未だ10歳に満たない子供だが、時折大人びた表情をする。その瞬間、黒死牟は時が止まったかのように俊國を見つめていた。そんな黒死牟を見つめ返し、にっこりと微笑んだ。
    「いつか治せる日は来るかな?」
     俊國の言葉を聞いた瞬間、黒死牟は胸が締め付けられるように痛くなるのだ。

     それは鬼狩りとの戦が終わった日のことだった。
     無惨は残しておいた自分の細胞から、自分自身と黒死牟を作り出した。
     あの日、倒された無惨の体に残された情報から、人間に戻る薬の成分や、竈門炭治郎の太陽を克服したデータなど、様々なものを抽出し研究したが、珠世の薬の弊害か、時間をかけても完全に解毒することが出来ず、無惨の体は鬼になる前のように弱って行った。
    「黒死牟」
     同じく鬼から人間に戻った黒死牟だが、痣者の宿命である短命の呪いが消え、その上、鬼の不老長寿の力が残された。無惨が望んだものは奇しくも黒死牟の体に現れたのだ。
    「珠世の薬で私たちは陽光を克服出来た。だが、そうすると私は病により長く生きることは出来ないようだ」
     痩せた手を黒死牟に伸ばすと、黒死牟はその手を強く握った。
    「お前は鬼の能力と人間であることの両方得たのにな……やはり、あの化け物と血を分けた兄弟だったということか……」
    「申し訳ございません」
     泣きながら無惨に頭を下げるが、無惨は黒死牟を恨んだりはしておらず、その不死身の肉体にあることを託した。
    「私がこの千年で得た知識と財産を全てお前に託す。私は『俊國』を何体も作成したので、この俊國の病を治す方法をお前が見つけてくれ」
     残された鬼の力を全て使い、肉の繭を作り出した。そこに入れられたのは無惨が子供の姿に擬態した時の「俊國」が何体も入っていた。本来なら、成人の姿で何体も作りたかったが、生成するだけの力が残されていなかった。
    「子供なら病が治ると、新しい人生を歩めるかもしれない。どうか、私の病を治してくれ」
     弱々しい声で黒死牟に話しかける。黒死牟は涙で視界が滲んでいるが、必死に無惨の顔を見つめている。
    「俊國にはお前との記憶はない。新しい俊國に変わる度にお前と初めて出会う形になる。どうか俊國を守って、長く生きられるように助けてやってくれ」
     無惨に託されたが、何度、何度、俊國を目覚めさせても、一週間もしないうちに俊國は病で死んだ。
     死ぬ度に、新しい俊國をこの繭から取り出して目覚めさせる。
     俊國は自分が作られた存在だと知らず、黒死牟をそれだと思っている。
    「1日も早く俊國様の病を治さなくては……」
     その一心で俊國を守り、こっそりと俊國に自分の血を与えるなど試みているが、俊國は急激に弱り、また死んでしまった。
     人に戻ったはずなのに、俊國は心臓が止まると、体が鬼のように跡形もなく消滅した。俊國が横たわっていたシーツには温もりが残っているのに、髪の毛一本すら残さず消えてしまうのだ。
     新しい俊國を目覚めさせなくては……と肉の繭の中を覗くが、作られた個体にも限りがある。最後の「俊國」が消滅したら、無惨はこの世から完全に消滅してしまうのだ。
     死ねない体を手に入れてしまった黒死牟は後を追うことすら叶わない。
     次こそは絶対に俊國を救ってみせる。そう強い決意を胸に、黒死牟は肉の繭から俊國を出した。看取った時と同じ姿の俊國が目を覚ますまで腕に抱き、黒死牟は俊國の明るい未来を願いながら暫しの休息を取る。
     次に目覚める時は、あの挨拶から始まるのだ。
    「起きろ、黒死牟」
     笑顔の俊國の笑顔を見られる時まで、黒死牟は静かに眠った。
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    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック④
    26日目
    もう何度もキスしている仲なのに、「そっちからキスしてよ」と言われて固まる黒死牟
    もう何度もキスしている仲なのに、「そっちからキスしてよ」と言われて固まる黒死牟 明日は早いから今夜は駄目です。黒死牟がそう言っているにも関わらず、無惨は黒死牟のパジャマを脱がせようと、しつこく絡んでくる。
    「駄目ですって」
    「一回だけだから」
     そんな可愛い表情で迫られたら「仕方ないですね、一回だけですよ」と言いたくなる黒死牟だが、一回で済まないことは解っているし、一回で終わらせたくないし、でも明日は本当に朝から忙しくて……と頭の中でぐるぐると考えを巡らせていると、手の力が抜け、ついつい無惨のリードを許してしまう。
     手首を掴まれ抵抗出来ない状態にされ唇を奪われた。足の間に割り入るように膝を捩じ込まれ、窒息しそうなくらい長いキスに頭がぼんやりしてきた。
     唇が離れた瞬間、息継ぎをするように乱れた呼吸を整える。膝でぐりぐりと股間を刺激されているせいで、切ない声が黒死牟から漏れると、無惨は嬉しそうに笑って再び唇を奪う。今度は僅かに開いた口に舌を押し入れ、尖らせた舌先でくすぐるように黒死牟の舌を刺激してくる。混ざり合う唾液が黒死牟の口の端から垂れ、正になし崩しになりそうだったが、珍しく黒死牟が拒絶の意思を示した。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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