官.ナギコタツ空間からお届けします。 官ナギコタツ空間 その1
作者様の2018/10/04のTwitter(ナギリさんの手錠脱出方法)より
「辻田さん、手錠をかけられてもそのまま逃げたことがありましたよね(全盛期時代)」
「それがどうした。逃げられる方が間抜けなんだろうが」
「鍵も無いのに、どうやって手錠を外していたのでありますか?」
「ふん。それはな…」
1、弛んだ鎖を腕を広げて真っ直ぐにする
2、膝に鎖を当てる
3、膝から血の刃を出して鎖を切る
4、その後、手首に填まっている器具の鍵穴を片方ずつピッキング
「辻斬りナギリを舐めすぎだ。全国手配、危険度Aオーバーの吸血鬼だったんだぞ? まぁ、銀の手錠ならそうはいかなかっただろうがな」
「辻田さん、体の何処からでも血の刃が出るんでありますよね? でしたら、手首から血の刃を出せば一工程で済んだのでは?」
「………ちょっと、紐持って来い」
「はい! こちらにあります!!」
(腕を伸ばした範囲で直ぐに手に取れる紐があるのはどういう事だ?)
「俺の両手を縛ってみろ」
「辻田さんからの束縛プレイのお願い!! 興奮するであります!!」
「するな!!」
「出来たであります!!」
ザクッ
両手首から血の刃を出してみる。
パラッ
手首に巻かれた紐が切れて落ちた。
「「……………」」
「ブェーン!! ヒンヒン!! ずぜ、辻田さぁ~ん!! 本官は! 本官は何てことをををををぉぉぉ!!!!」
辻田の両手首には痛々しい傷痕が出来た。
血刃は体内の血が皮膚を切り裂いて出来るので刃を作るとその場所に傷痕が出来てしまう。だから普段は手を握れば隠れてしまう掌から血刃を出していた。
「今、手当てをするであります!!!!」
カンタロウは大慌てで手首に包帯を巻いていく。両手首リストカットの辻田が出来上がった。
「ウンボロボォーーー!! 事態が! 余計に酷い事にいぃぃ!!!!」
「ええぃ、うるさい!! 黙れ馬鹿ンタロウ!!」
※ ※ ※
官ナギコタツ空間 その2
代用料理を作って畏怖られるナギリさん。畏怖るカンタロウ。
「カンタロウ。今までお前に言っていなかったがな」
「はい!」
「三日前に食べた唐揚げ。鶏肉は使っていない。使ったのは高野豆腐だ」
「な、ん…ですと…」
「ククッ。その様子だと、今日出したホタテのバター焼きにも気付かなかったな?」
「嘘です! 嘘だと言って下さい!!」
「あれはエリンギに丸の甲羅模様(#)を入れて焼いたものだ!!」
「ではもしや今、本官が食べているチーズケーキは…!!」
「タルトカップすら使っていない、ただ水を切ったヨーグルトだ!!」
「うわあぁぁ!! またしても本官は辻田さんの魔手にかかってしまったのでありますね!!」
「全く。カンタロウの味覚は宛になら無いな! 俺の知らない間に、おかしなものを食べるなよ」
「はい! ご安心下さい!! 本官の胃袋はすっかり辻田さんに掴まれておりますので!!」
「…ふん」
(辻田さんもやっぱり吸血鬼でありますね。畏怖欲が押さえられずにたまにこう言うやり取りするの、可愛いであります)
※ ※ ※
官ナギコタツ空間 その2
吸血鬼ケモノ化大好き
「もしナギリさんが猫になりましたら!!」
「は? 何だ、いきなり」
「人を猫にしてしまう吸血鬼がいるのであります。その名も、『吸血鬼ねこだいすき』!!」
「吸血鬼ねこだいすき」
「猫になったナギリさんは『ニャギリさん』で、本官は『ニャンタロウ』でありますね!!」
「はぁ…」
「対して、もし犬になりますと! いえ。人を犬にする吸血鬼はまだ登場しておりませんが、本官は『ワンタロウ』であります!!」
「だから何だ」
「そしてナギリさんは『ワンギリさん』になるであります!! 切れ味が鋭そうでありますね!!」
(犬猫になったとしても、名前は変わらないのでは?)
そう思ったが、ナギリはツッコミを放棄した。