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    57ワンドロライ 第74試合『バラ〜Rose〜』
    #悟チチ版ワンドロワンライ #天下一悟チチ武道会 #悟チチ #Gochichi #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge

     美人にはバラの花が似合う。
     その言葉の通りか、ブルマは仕事の関係で開いたパーティーではバラの花束をもらうことがとても多いらしい。
     そんなわけで、そんなパーティーにブルマが出たあとのカプセルコーポレーションにはあちこちにバラの花が花瓶に活けられているのを見る。

    「今回はまた、お部屋の中なのにまるでバラのお庭みたいになってるだべなぁ」
    「花を扱う界隈の方で新種が出たらしくて、そのバラが今回集中しちゃったみたいなのよねぇ。活ける以外にもママがお風呂に花びらを入れたり、ポプリにするって使ってくれてるけど、まだこんな感じ。チチさんもよかったらもっていかない?」
    「んー、ありがてぇけんど、バラは香りが強いから悟空さがちょっと大変かもしれねぇからご遠慮しますだ」
    「ああ、孫君、鼻がいいもんね」
    「ベジータさは平気け?」
    「もしかしたら最初はきつかったのかもね。でもほらアイツ、あんまそういうの言わないから。っていうか慣れていったのかもね」

     むしろブルマが纏う香りを変えると自然な動作で確認している節もある。
     
    「花束はあれかもだけど、小さなブーケ程度でおすそ分けはどうかしら? チチさん、お花好きじゃない」
    「んと、それじゃあちょっとだけ、おすそ分けいただきますだ」
    「飾るようにと、バラ風呂にする分と用意しましょ。チチさんよく働いてるんだから、バラのお風呂でリラックスしましょっ」

     そんなわけでいただいた、ふたつのブーケ。ひとつはリビングに。お風呂用にといただいたものは花びらをむしるのがなんだか気の毒で、入浴の際に浴槽の近くで飾って目で楽しむことにした。
     湯気の中にバラの香りが程よく混ざってチチとしては満足なリラックスタイムになった。
     夫はちょうどその翌日の昼に戻ってきたので、タイミング的にもよかったとチチが安堵しつつ戻ってきたばかりの夫にまずは風呂と促していると、にゅ、と首を伸ばしてきた悟空がうなじに顔を寄せてきて鼻を鳴らしていた。

    「これ、悟空さ。人の匂いを嗅ぐのは失礼だべよ」
    「んー、いや、なんか、イイ匂いすっから」
    「ブルマさからとても素敵なバラのおすそ分けをいただいたから、その匂いがまだ残ってたんだべな。昨日お風呂に一緒に入ったんだべ」

     顔を押しやりながら何げなく言ったつもりだが、言い方を誤ったな、とチチは直感する。
     夫の、「雄」としてのスイッチが入ったのを、妻であり「雌」としての感覚が捉えた。

    「その風呂、もいっかいして、オラとはいろうぜ」
    「え、やだべ」
    「なんでだよ」
    「カラスの行水な悟空さがそういうとき、やらしいことしたいってことだもの。しかも、毎回ねちっこいから疲れちゃうだ」
    「えー」
    「第一、バラの花もうねぇだよ」
    「あそこにあるじゃねぇか」
    「あれは飾る用。お風呂を一緒にしてくれる用じゃあねぇだ」
    「ふーん。……じゃあ、それ用のがありゃあいいんだよな?」
    「あ」
    「ブルマんとこ行ってちょっともらってくる」

     言うが早いか、瞬間移動で行ってしまう夫。

     友人は彼をたしなめてくれるだろうか、それとも面白がって大量のバラを与えてしまうだろうか。
     どちらにしても、チチとしてはなんとなく落ち着かない時間になりそうである。
     
     
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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第1試合 『空』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge
    #悟チチ #Gochichi
    チチは亀仙流の使い手であり、その武は亀仙人も認める達人の域であった。
     まぁ今は孫もいる身であり、全盛期と比べればゆるやかに力量は落ちてはいるがちょっとした暴漢をこらしめるくらいは未だに朝飯前のことだ。

     とはいえ、チチは気は読めないし、気弾も打てない。夫や子供達が得意とするかめはめ波も打てないし、舞空術も使えない。

     舞空術については、悟飯からそれを学ぶ際に一緒にできるようになろうとねだらた。それよりもっと前には、悟天が生まれて少し落ち着いたころによければと、悟飯からも舞空術が使えるようになることを勧められたこともある。
     だがチチは穏やかに辞退した。
     舞空術は確かに身に着けることができれば便利だろうが、気を感じる、気を読むなどのセンスはどうも自分にはないと思ったし、夫が遺した筋斗雲があればチチだって空を移動できる。

     子供達はチチのそれに少し残念そうであったけど納得もしてくれたことがありがたかった。

     筋斗雲に乗って、空を行く。
     朝はまだ少しひんやりした空気の中。昼は、眩しい陽射しの中。夜は満点の空を見られる。
     それが自分の身ひとつでできれば、解放感はひとしおかもしれ 1609

    eastdragon_DB

    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第7試合 お題『ピアス』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「ピアスを開けたい? いいんでねぇか」
    「…………」
    「悟天、何か言いたいなら言うだよ」
    「あ、えっとさ。あっさりOKされるとは思わなかったから」
    「ファッションのひとつだし、おめぇも年頃だからな。親のおらがしてるものを頭ごなしにダメっていうほど気も張ってねぇだよ」

     ソファに座ってのんびりと茶を飲んでいる母に話しかけるタイミングと彼女の期限をかなり慎重に窺って挑んだだけに、悟天の方が拍子抜けしてしまった。
     桃色が主体の旗袍に髪を短くした母親の耳元には確かにピアスがされていて、小さく球が揺れている。

     ピアスといえばやはり女性ものというイメージがあるし、実際母に話すより前に隣に住む兄に相談してみると「彼女へのプレゼントじゃなくて?」と首を傾げられたこともあった。まぁ悟天とて女の子がつけて可愛い装飾が多いものは興味はないが、小さな銀や金のスタイリッシュなものには憧れる。
     耳といういつも露出している部位に身に着けるものだから、やはり一緒に住んでいる家族に黙ってやるのはいかがなものかということと、素行には厳しい母親であるということで話すタイミングを数日前から考えて見計らって挑んだ結果 1737

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第6試合 お題『アイス〜ICE〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    孫家の日常は多分どちらかといえば慌ただしいイメージかもしれない。

     それは確かに事実でもある。
     なにせ、パオズ山は緑豊かといえば聞こえはいいが、実際は大型肉食獣も住まう辺境という言葉が相応しく、人が住む場所といえば限られていて村と呼べる存在は山の麓の方にあり、そこから町、都会へとなるとずっと遠くなりそれなりの移動手段が必要だ。

     そんな場所で暮らしているものだから、ハイスクールへの登校にも時間がかかってしまう。孫家の長男、悟飯は時間にルーズではないがやはり朝はばたばたしがちだし、悟飯や悟天の父親である孫悟空が現世の人として戻ってきたため家事(主に食事面)が増えたため子供達の母であり、悟空の妻であるチチも所々は慌ただしい。
     しかしながら、子供達が成長すれば各々時間の使い方はうまくなっていくし、悟空に至っては修行に出てしまえば家を不在にする時間も長くなり心配はするものの家事の負担は減る。

     あと、これは知るものは孫家の面々くらいだが、農作業が終わり昼食も終わったあとの孫家は意外とのんびりとした時間が流れる。

     茶を淹れて、ゆっくりと飲む時間。
     それはチチがひとりで家を支えてい 2050

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    TRAINING第18試合『手紙〜Letter〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     掃除、洗濯、夕食の下ごしらえ、他のこまごました家事が終わると、チチのちょっとした自由時間となる。
     自由時間といっても大概は針仕事や近隣(と、言っても孫家からかなりの距離はあるのだが)への用事事や畑の様子などを見にいくことも多いが、まれに本当にぽっかりとそれらもない自由時間がある。

     そうなるとチチはお茶を淹れて雑誌を読んだりテレビを見たり、時々午睡をしたりとして過ごすが、気が向くとリビングのとある収納の引き出しを引く。

    「ああ、そろそろこの便箋もなくなってきてるだなぁ」

     言いながら取り出したのは、淡い緑色で揃えられているレターセットだ。共に万年筆も出して、ダイニングテーブルに座る。
     
    「さて、と」

     便箋をめくり、チチは慣れた様子で万年筆にインクを補充すると、その切っ先を紙面へと滑らせ始めた。
     出だしはいつも決まっていて、「悟空さへ」 である。

     
     書くことは基本とりとめもなく。
     自分がその日思っていること、伝えたいことをつらつらを書いていく。満足するまで書いたあとは便箋を折り封筒に入れて封をして、便箋をしまっている同じ引き出しに手紙をしまう。
     この手紙は決し 1450

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第2回戦 お題『マフラー』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    年齢を重ねてきたことで、ようやく見えてきたことがある。
     自分の中に流れる戦闘本能については純血のサイヤ人のそれということでどうしようもないとしても、闘いがない日常でもそれなりに生きていけて、それを悪くないと思えるのは「地球人」としての自分の一面で、近しい者に危害が加わることは良しとはしないあたり、色濃いことだ。

     穏やかな昼下がり。
     最近自分から望んでやるようになった農作業も終えての、自由時間。悟空には瞬間移動があるので西の都にでも行ってベジータと組手などすることも多いのだが、この日はパオズ山の自宅に居る。

    「ん。大丈夫だべ、ビーデルさ。ちゃあんと出来てるだよ」
    「本当ですか…?」
    「んだ。やり始めたばかりのおらよりも、ずうっと上手だ」

     この時間は窓から入ってくる陽光で陽だまりになるソファに、ビーデルとチチが並んで座っている。
     ビーデルの手には鈎針が握られていて、彼女はいつもは勝気な眉を少しばかりハの字にしながら手を動かし、ソファ前のテーブルの上に乗せられた籠の中の紫の毛糸玉がゆっくりと回る。編み物をしているのだ。

     ビーデルは悟飯のハイスクールのクラスメイトだが、それ 1835