パンダは笹を食べ、あの白と黒の模様でとても愛らしい存在として動物園などで愛でられているが、パンダは漢字で「大熊猫」と書く。
「あと何気にあいつらの眼、しっかりでっけぇ動物のやつだぞ」
「まぁ確かによく考えたらあのまるっとめんこい目元って柄だもんな。だどもやっぱりかわいいだよ」
「いや…、でもな、チチ」
台所で夕食の支度をするチチの回りで何か悟空が邪魔していることを自覚しつつ、うまくはない説得を試みようとしている。そんな光景を孫家の次男である悟天は小首を傾げながら眺め、長男の悟飯は苦笑しながら、今日の家族での外出に弟が買ってもらったパンダのぬいぐるみを彼に手渡した。
「ねぇ、兄ちゃん。なんでお父さん、お母さんがパンダさんのことかわいいねって言っただけだよねぇ?」
「そうだね。でもまぁ、お父さん、お母さんが僕ら以外には心狭いから」
パンダのぬいぐるみを受け取り、先ほどとは別の方向に首を傾ける弟はひいき目だったとしてもとてもかわいいと悟飯は思う。
でも、いまそれを父親の耳に入るように言ってしまうと更に父親の感情を揺らしてしまうことになりそうなので、悟飯は父親そっくりの弟の頭を掻きまわして苦笑するにとどめておいた。