Clear Tears透明の涙
─── おれが殺したんだ、おれがアクラを…おれが皆を殺したんだ…!!
─── 馬鹿言ってんじゃないよ、サッチ!そんな言葉に何の意味がある!!
─── だってそうだろ…?なぁジル!…ッおれが作った飯で、皆死んじまったんじゃないか…。おれが…おれが、殺したのと…一緒じゃないか、…よォ………。
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目元を腕で覆うのはアロゼだった。元々涙脆い性質の男だったが、堪えようにも堪え切れない涙が幾つになろうと零れ落ちる。例え、同情の涙だったとしても胸を裂かれる気持ちになるのは、この無鉄砲な少年が受けた苦しみを、同じ包丁を握る人間として痛いほど分かるからだった。
白ひげが料理長ガルニの一段落した言葉を待って、唇を開く。
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